2024/10/18
「つい、子どもにあたってしまうんです」
疲れた表情でその女性は訴えた。「しょうがないわよ、あなたも疲れてるんだもの。とりあえず、ゆっくり寝るといいわよ」
そう言ったものの何の解決にもならないことはわかっている。
離婚して、非正規雇用で、必死で働いたって収入は知れている。ひとつの職場の収入では二人の子どもを育てられなくて、週に3日、夜の仕事をかけもちしているという。
私はこれまで3万人の女性たちの声を聞き、「今、ナイフで手首の血管を切りました」「3才の娘と踏切で死のうと思ったんです」そんな声を山のように聞いて、何とかしなくちゃ。女性がまず結婚して出産しても仕事をやめずに続けられる、一旦やめてもやり直しがきいて、まともな収入が得られる社会を作らなきゃと活動を続けてきた。
再就職時の年齢制限、職業訓練校の連帯保証人を廃止できたし、離婚家庭の子の児童扶養手当を高校卒業時まで延ばしたし、母子家庭の母の在宅訓練就労事業も進めた。
でも、子育てしながら働ける環境づくりも、男女の同一賃金も、正規と非正規の格差解消も、税・社会保障制度に残る強固な性別役割意識の払拭もできてはいない。
ニコニコ離婚講座や離婚女性のネットワーク「ハンド・イン・ハンドの会」をボランティアで運営するにはお金もかかる。原稿を書きまくっていたが、ある日、2歳の娘が私の膝に座って私の顔を見上げて「ママ、笑ってごらん」と言った。周りの人からはいつも「円さんって楽天家ね」と言われる通り、いやなことはすぐ忘れる性格なのだが、やはり暗い顔をしていたのだろう。
その翌年、文藝春秋から出した本は、自分のことは書いていないが、タイトルは娘のセリフ「ママ、笑ってごらん」にした。(副題は子供のための離婚プログラム)
どの時代も、母親が、女性が笑顔でいられるような社会であってほしいと思う。離婚の1番の原因は「経済の不安定」。そう倒産・失業・低収入で食べていけないことなのだ。人間関係はもろい。まずは経済を良くし、人々の懐を豊かにする。そして女性だけに子育て・家事・介護を押しつけない。そのために私は再び国政に闘いを挑んでいる。
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