2026/1/7
人生で初めて競馬に出会ったのは、映画「マイフェアレディ」のアスコット競馬場でした。そして初めて馬券を買ったのは、アメリカ西海岸の、今はもうないハリウッドパーク。特別席で、蝶ネクタイのウェイターが供する料理を白いクロスのテーブルでワインと共にいただきながらの観戦でした。隣のテーブルには「マイフェアレディ」から抜け出してきたような着飾った金髪の女性と白いスーツの男性。「ウォー」と歓声を上げたと思ったら、優勝馬と記念撮影。馬主だったんですね。
アイルランドの貴族の牧場でもケンタッキーでも名馬といわれたサラブレッドに出会い、馬にすっかり惚れ込みました。
そんな経験を若い頃にできたのは、大学の先輩で仲の良かった女性が、サラブレッド関係の仕事をしていたからです。
彼女は津田塾大学の学生時代に終戦を迎え、GHQでアルバイトをしていて、いわゆる「戦争花嫁」としてアメリカに渡ります。夫はハーバード大学の学生に戻りますが、無収入のため彼女は働き始めその類稀な才覚で、7つの会社を経営するまでになります。
この新年、私は有吉佐和子の「非色」を読み衝撃を受けました。あの時代、黄色人種である日本人女性の私の友人も言葉にならない差別を受けたと思います。それでも、彼女の夫はハーバード大学の学生で白人だった!
「非色」の主人公は黒人のアメリカ人と結婚した女性です。周りの登場人物も、夫は黒人、そして白人のアメリカ人でもイタリア系やプエルトリコ人だというだけで貧乏から抜け出せずにいます。色の違いで差別されるのか。いや、白人でも人種で差別されている。使う側と使われる側に生じる差別なのか。主人公は自問します。「非色」は1960年代に書かれたものですが、有吉が指摘した当時の差別が、時代を経て失くなっているとも思えません。
人間社会には社会構造などが生み出す差別が未だに根深く残っている気がします。
一部の野党や与党の中にも外国人を忌避するような風潮が出てきている中、様々な違いを乗り越えなければ、平和な世の中など作れないのにと思いつつ、昔の「非色」を読む気になりました。
そんな時、ベネズエラの大統領がトランプ大統領によって拘束されるという信じ難いニュースが飛び込んで来ました。国際法は?国連安保理は?トランプ氏の独断で、軍事力を使って、こういうことができてしまう世界なのか?
国際政治学者の高坂正堯氏は国同士の争いは「力の体系」「価値の体系」「利の体系」が複雑に絡み合うと論じましたが、麻薬の輸出を止めるためとも、ベネズエラの石油利権のためとも言われていますが、こんな形で軍事力を駆使するようなことが罷り通るのでしょうか。ベネズエラの国情について詳しくない身では、軽々に物を言えないし、注視するしかないのかもしれませんが。
前回はこちら
総合的な戦略を!
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>円 より子 (マドカ ヨリコ)>馬と戦争花嫁