2024/7/4
新札が発行された。5,000円札の顔は津田梅子。明治の初め、6歳でアメリカに留学、帰国後、女子英学塾を開いた。我が母校津田塾大学の前身である。
文部省は教員検定試験制度を作ったが、女子の高等教育が振るわぬため、この試験を受けられるような女性がほとんどいないという時代だった。
梅子は、なんとしても、英語教師の免状を得て働ける女性を誕生させたいと思う。
男性は、憲法によって、政府と国民による議会を持つようになったが、女性に対しては何もなされていないと、梅子は憤り、女性の権利の尊重と、社会参加が実現されるべきだと考えて女子英学塾をつくるために必死で金集めを始める。
さらに、彼女は言う。「貧しい階級では、男女共に必死で働いていて、男女の差が少なく平等に近いが、上流階級の女性ほど進歩する社会で立ち遅れている」と。
そして、「教育によって女性が目覚め、教育を受けた女性が上層部の目覚めない女性たちにも教師として近づく機会が与えられれば、日本社会は男女協調の機運か高まるに違いない」と考えたのだ。
新札5,000円の顔になった梅子だが、生涯、英学塾の運営の経済問題に苦労したから、皮肉である。
しかし、梅子の女子教育への熱意があったからこそ、今、女性の4年制大学への進学率は50%を越えたのかもしれない。梅子が生きていればきっと喜んだに違いない。
朝ドラの虎に翼の時代、女性には法曹界の門は当初開かれていなかったが、今や、最高検の検事総長も、日弁連会長も女性になった。
最高裁判所長官や総理大臣にも女性が就く日も遠くないかもしれない。
ただ、政治の世界の男女比は未だ8.5対1.5に過ぎない。
世襲や男性だけでなく、会社員も主婦も政治参画できることが大事だと思うからこそ、「女性」のための政治スクールを30年も続けていて、世襲ではない多くの議員が誕生したし、他にも政治スクールは増えてきた。しかし、残念ながらまだまだ、見渡せば男性ばかりといった状況だ。
介護、防災、子育て、高齢者の一人暮らし、狭い住居、遊び場、夫婦別姓、働き方、賃金年金格差、どれをとっても男性だけでなく、女性の視点が必要なのは誰が見ても明らかだろう。
フランスでは、マクロン大統領の賭けが失敗し、極右と言われる政党が大躍進したが、フランス国民は、右か左で投票したのだろうか。そうではなく、マリーアントワネットの「パンが無ければブリオッシュを食べればいいのに」という言葉を思い出したのではないか。マクロンのようなエリートには自分たちの暮らしの苦しさはわからないと。津田梅子は英学塾の卒業式でこんな言葉を残している。「あなたたちは教育を受ける機会に恵まれたのだから、社会に出たら、人々のために貢献するのですよ」と。
11月5日(火)の女性のための政治スクールはお札を発行している国立印刷局と新1万円札の顔になった渋沢栄一の渋沢資料館を見学します。
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