2024/3/14
30年近く前の1996年、私は参議院議員になって3年目だった。法務委員会に所属し、強盗罪よりも刑罰の軽い強姦罪の改正や堕胎罪の撤廃を訴えていた。そして非嫡出子の差別撤廃と選択的夫婦別姓の導入にも力を入れていた。
この年、法制審議会が選択的夫婦別姓制度を答申したが、自民党の反対が強硬で政府は法案を提出できなかった。
それならばと私は議員立法で提出することにした。ただ、議員立法といっても党の了解が必要で、人権部会長だった私は賛成反対両方の有識者を呼び部会で議論し、30人以上いた部会で大方の賛成を得たのだが、2人の先輩男性議員が強固に反対。
当時の新進党党首小沢一郎さんと幹事長の二階俊博さんに相談すると「もちろん賛成」と言ってくれ、翌日、反対の2人が、個人的には反対だが、議員立法で出すのは了解すると折れた。(小沢さんの力はすごい!)
その後、総務会での了承も得て、参議院で議員立法提出の段取りになったのだが、今度は扇千景参院会長が反対。何とかここは当時、新進党の仲間だった公明の議員さんらが骨を折ってくれ、難産の末にようやく提出できた。しかし法案は自民党によってつるされたまま、審議も出来ず廃案となった。
強姦罪は改正された。非嫡出子の差別は撤廃された。女性の再婚禁止期間も6ヵ月から100日となり、ようやくこの4月からはこの100日も撤廃される。女性たちが声をあげてきたからで、少しずつ女性をとりまく理不尽で不合理な法や制度が変ってきた。しかし、変らないことも山と残っている。第3号被保険者の問題も年収の壁も男女の賃金格差も、そして夫婦別姓も。
多様性の時代、個人の権利が大切といいつつ、なぜ夫婦別姓への反対はこんなに根強いのだろうか。
議員立法を出す時、多くの議員にこの制度を理解してもらいたくて話をした。その中に田中眞紀子さんもいた。
「いやだぁ、私、彼が田中になってくれたのに今更、別姓なんて困るわ」と言われたので、「最初にお話ししたように選択的というのは、別姓にしたいカップルだけがそうすればいいので、この法案が通ってもすべての人が別姓にする必要はないんですよ」
そう説明すると「なんだ、そうなの。それならいいわ。別姓にしたい人、そのほうが仕事がしやすい人がいるなら、そうすべきよ」と眞紀子さんもわかってくれた。
あれから30年近く。今では選択的夫婦別姓への理解も深まり、賛成者も増えている。
結婚前にキャリアを積んで、そのまま氏を継続したい女性も多い。
しかし、未だに自民党には「家族が壊れる」といって反対する人が多いようだ。
私は1979年にニコニコ離婚講座をボランティアで開き3万人の女性の相談を受けて、夫婦同姓でも家族の危機が起きるのを見てきている。姓が違うことで家族が壊れるという人ほど、妻が自分の姓になったことで「自分のモノ」と思い、努力をしていないのではないだろうか。
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