2023/5/25
自民党支持層で、夫婦別姓や同性婚に賛成する意見が多数派を占めているという調査が発表されました。(東京大学・谷口将紀研究室と朝日新聞の共同調査)
今年(2023年)2月~4月の調査で、「賛成」「どちらかといえば賛成」が60%、反対が13%。自民党支持層でも賛成派53%、反対は17%だったんです。
1996年に法務大臣の諮問機関法制審議会が選択的夫婦別姓の導入を提言しましたが、与党自民党の強い反対があって、国会では全く取り上げられませんでした。
この時、日本新党が解党合流した新進党で人権部会長を務めていた私は、賛成派反対派の有識者を呼んで部会で議論し、参議院で選択的夫婦別姓と非嫡出子の差別撤廃の議員立法を提出しました。
しかし男性議員しかいない議院運営会で反対され法務委員会に付託されず、審議をすることができませんでした。
その後、非嫡出子の差別は撤廃されましたが、夫婦別姓のほうは、27年経った今も成立していません。
当時から一貫して自民党が反対していた大きな理由は「家族が壊れる」「子どもに迷惑がかかる」といったもので、別姓を実施している家族から「家族は円盤、子どもも普通に暮らしていて問題ない」と反論されると、「社会の人々の考えがまだ夫婦別姓に反対のほうが多い」と言いつのっていたのです。
確かに、私が議員立法を提出した頃は、男性だけでなく、女性にも反対の人がけっこういましたね。
それが、自民党支持層でも53%が賛成!この30年近くで世の中は多様な生き方を容認するようになってきているんですね。
同調査では同性婚も、賛成派は全体の50%(反対は19%)、自民党支持層で40%(反対24%)となっています。
ところが去年(22年)の参院選候補者では、自民党は、夫婦別姓には反対派34%で賛成派24%、同性婚は反対派30%、賛成派は14%で、どちらも反対派が上回っています。
多様性を容認する有権者と政治の関係者との間に乖離が広がっているんですね。
国会議員になった頃はスマホもないし、LINEもTwitterもなく、年に4回、紙ベースの円より子newsを1万人に発送していましたが、多くの方の声を聞きたくて、ニコニコ離婚講座も離婚女性のネットワークも続けていたし集会などさまざまな工夫をしていましたが、そのひとつに円サロンというのを月一度開いてました。
国会議事堂には小中校生の時、見学に行った人も多いでしょうが、国会議員の議員会館内の事務所は入ったことがないという人が多かったため、その事務所内で会合を持っていたのです。
よく参加してくれた中にKさんという女性がいて、彼女は熱心に夫婦別姓を実現してほしいと運動していました。
貿易会社で職場結婚した時は何も考えず、夫の姓になった彼女でしたが、輸出入の仕事にたずさわっていたので、姓が変わったことでパスポートから何から、不便なことが多く、仕事にも支障が出る。それで夫と話しあい、協議離婚の形をとり、同居はそのまま、ただ幼い息子は夫の戸籍に入り、姓も夫の姓という形にしたそうです。子どもの学校のことも、知人友人親戚関係も何の支障もなく過ごしてきたという彼女ですが、突然この3月、夫が急逝した。遺言書もなければ終活もしていなかったので、さあ大変。彼女と夫の住民票も10年前は同じものだったのに、とりよせたら、彼女は除籍になっていて、相続に必要な夫の戸籍謄本を妻なのに取得することができない。妻だという証明書がない。もちろん夫名義の家も相続できない。電気・ガス・水道も一括して夫の通帳から料金をひき落としていたので、止まってしまって大あわて。
婚姻届を出していない「内縁の妻」という立場でも年金が受けとれるようになったのに、何十年も同居していた「妻」が事実婚の証明も同居の証明もする術がないなんて、そして相続もできないなんておかしいですよね。
選択的夫婦別姓に反対の人たちは「勝手に夫婦別姓にするからだ」と言うのかもしれません。離婚したシングルマザーが貧困に苦しんでいても「勝手に離婚するからだ」と自己責任を押しつけたように。
Kさんは言います。「夫婦同姓を定めている民法750条の条文を選択的夫婦別姓を認めるというたった一言の法改正でこのような状況は避けられたのに」と。
前回はこちら
何かを選ぶことは何かを捨てること
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