2023/3/30
「1日10回感動することが大事よ」とおっしゃったのは加藤シヅエさんだった。日本で女性参政権が実施され、39人の女性議員が誕生した時のお一人で、28年間国会議員を勤められた。
多様な価値観・声を反映させるため、女性の政治参画を促したいと、女性のための政治スクールを開校し、名誉校長になっていただいた時、シヅエさんは96歳だった。
月に一度、お宅におじゃましたが、常にセンスのいい服装で、そのお話は政治・社会全般に渡り、貴重で面白かった。毎日10回感動する、心の柔らかさがお元気の源かと思われた。
シヅエ先生に倣ってというわけではないが、私も泣いたり笑ったり感動が多い毎日だ。
桜の開花も嬉しいし、侍ジャパンの試合毎にハラハラドキドキ、もちろん優勝には大感動。憧れを今日は捨てようと言った大谷選手の言葉にも、若い世代は頼もしいと感動した。
戦争に負けた日本はアメリカに追いつけ追い越せと必死に頑張ってきたが、それが憧れから卑屈さに変わり、アメリカの言いなりの政治家が多くはないだろうか。
少子化対策の財源は積み上げでしか決められないと言い、しかし、防衛費は積み上げなど無くても、アメリカに忖度して増やしてしまう。
若い世代だけではない。栗山監督の姿勢、言葉にもうなってしまった。人を信じて任せるって難しいのに、この人のチーム力を引き出す能力はすごい!
最高裁が24日に出した逆転無罪の判決は最高に嬉しかった。ベトナム人リンさんは技能実習生として熊本県内の農園で働いていたが、2020年11月、自宅で双子の男児を死産。遺体をタオルで包み、名前をつけ、お詫びの手紙と共に段ボール箱に入れた。翌日、医師に死産を明かしたが、逮捕され、地裁、高裁共に執行猶予付き有罪判決が出されていた。
妊娠したら仕事をやめさせられ帰国させられてしまう実習生の立場で、誰にも相談できず孤立出産に追いやられたリンさん。実習生制度も解決すべき問題が多々あるが、産む性の女性の孤立出産もまた、日本社会が考えなければならない深刻な課題だ。
人を愛し、性行為にいたり、避妊に気をつけていても、妊娠することはおおいにありうる。しかし、婚姻関係になかったり、相手の男性が逃げてしまうケースも多く、一人で産んで育てるのは勇気も経済力も必要だ。
妊娠中絶には躊躇いがあったり、費用も無い場合、孤立出産に至り、中には殺人罪に問われることもある。
なぜ、産む性であるがゆえに、女性はこんな苦しみを負わなければならないのだろうか。
相談しやすい、未婚でも安心して子どもを産み育てることのできる体制を作りたいが、我が国では未だに「未婚のくせにセックスして妊娠までするなんて」といった女性への懲罰的考えが色濃く残っていると思わざるを得ない。
性行為も妊娠も女性一人でできるものではない。必ず相手の男性がいるのに、そちらは責任をとわれない。
刑法には堕胎罪があるが、これも女性だけが対象で、妊娠させた男性は対象外。
加藤シヅエさんは産めよ殖せよが国策だった時代に、全国の女性たちの要請を受けて、手作りの避妊具を送り続けた。非国民と罵られ、彼女の家の窓ガラスは、投げられる石つぶてでしょっちゅう割れていたと言う。
今だって、未婚の女性たちは性行為をして妊娠したことで、非国民と石つぶてを投げられているのと同じだ。やむなく、中絶を選んだとしても、欧米では主流の吸引法より、子宮を傷つける搔爬法が多いし、飲む避妊薬も手軽に取得できない。
どこまでも、罰を与える考えが大きいのだ。
産む性の女性を大事にしないで、少子化対策がうまくいくとは私にはとても思えない。
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災害と命
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