2025/3/18
六本木にある俳優座劇場がこの4月に閉鎖されるという。1954年に創られ、長く新劇の拠点であった。千田是也と共に俳優座創設に尽力した小沢榮太郎、と言っても、若い人は二人とも知らないかも。小沢さんは吉良上野介をやらせたら天下一品、その憎々しさはテレビでも大人気を博した。私は彼の家に通って話を聞き、ゴーストライターとして彼の本を書いたことがある。
若い頃、芝居やオペラにのめり込んでいて、あちこちの劇場に足を運んだ。
そのひとつの国立劇場では、武原はんの気品に満ちた「雪」に圧倒され、自分でも地唄舞を舞いたいと思った。日舞の素養も無いのに無理と笑われ、それならと、花柳流の稽古に通ったこともある。文楽も好きで、国立劇場の閉場もショックだった。
1966年に開場した国立劇場は建物だけでなく、中の設備も老朽化が激しく、仕方なく閉場になったらしいが、改築の事業者も決まらず、再開の目処が立っていない。
こんなところにも資材の高騰が影を落としている。
再開まで、伝統芸能を維持していくのは並大抵の苦労ではないだろう。
そもそも、芝居でも美術でも音楽でも、そこに携わる人々の多くは低収入だ。好きなことをして、やり甲斐があるとしても、やはり不安定な生活で、志半ばで諦めるケースもあるのではないか。
日本の文化予算は、令和7年で1063億円、全予算の0.1%にすぎない。ちなみにフランスは4938億円、韓国は3734億円。
物価高にも、10万円の商品券にも腹が立つけれど、絵や音楽、芝居などにほっとして心癒されることは多いと思う。
あまりにも貧弱な文化予算を増やしてこそ、文明国だと思うのだが。
前回はこちら
新宿アルタの思い出
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