2026/8/5
日銀「利上げ、長期金利の安定につながる」6月議事要旨:この議事要旨にある「政策金利の引き上げは長期金利の安定にもつながる」との見方は、因果関係を取り違えた危うい理屈である。そもそも足元の物価上昇は中東情勢に伴う原油高、すなわち供給側のコストプッシュだ。金融政策で抑え込めるのは需要側の物価であって、産油国の事情ではない。金利を引き上げればトランプ大統領がおとなしくなり、イラン情勢が軟化するのだろうか。原油高は交易条件の悪化を通じて所得を海外に流出させる。そこに利上げを重ねれば、実質所得の目減りに需要の抑制を上乗せするだけの二重の引き締めとなる。
しかも「利上げで長期金利が安定する」という論法は、期待インフレ率を潰して名目金利を下げるという意味に他ならない。長期金利が下がっても、それ以上に名目成長率が下がれば財政は悪化する。問題は金利の絶対水準ではなく、名目成長率との差である。ドーマー条件を無視した「安定」に何の意味があるのか。
物価高への対応は金融引き締めではなく、食料品の消費税減税を恒久化して実質所得を直接支えることで行うべきである。

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