2026/5/18
これまで2回にわたって、首都圏におけるデータセンター建設に伴う問題を取り上げてきた。
私たちの現在の生活に不可欠な施設であるデータセンター。一方で、その特性から生活圏の環境とは相容れないもだということがわかってきた。
よって、住民の生活圏とは離したゾーニングを自治体がしっかりと行うことによって、「住民の生活圏の快適さ」と「データセンターという現代生活の必需施設」が共存するように対応することが求められる。
前回ブログで指摘した印西市の問題となったケース。こちらは、「もともと駅前の商業地域であった場所」にデータセンター建設が計画されることによって引き起こされた問題だ。
流山市のケースは、印西市の問題と真反対だ。
流山市の場合、データセンター建設を予定された飛地山と言われる土地は、本来「住宅地域」であったため、30mの高さ制限があるため「データセンターは建設できないはずの土地」だった。広さが約1.3haで、飛地山の土地だけでは商業地域に「できない広さ」だったからだ。
しかし、この本来「高い建物が建設できないはずの土地」に、高い建物を建設可能にするため、流鉄の線路の向こう側の土地と合わせるという破格の行政対応「ウルトラD」のやり方で土地の広さを確保し、高さ制限のない「商業地域」へと変更したのだ。それによって、本来データセンターなど建設不可能だった土地が、建設が可能な土地に変えられたのだ。これが流山市の対応だった。
流山市民の皆さんならご存知の通り、この飛地山という土地は、周辺に流山市役所やケアセンターがある以外、戸建ての住宅が広がる静かな住宅街だ。流山市役所もケアセンターも、高い建物を思われるかもしれないが、どちらも高さ20mに満たない。流山市は、ここに、窓もない、騒音や排熱がでる、土地所有者曰く「50mの高さのデータセンター」をわざわざ建設できるようにした。
流山市役所やケアセンターの約2.5倍以上の高さの建物が、あの土地に建設されることを想像してみてほしい。
あり得ない。
ここに、流山市の特異性がある。
流山市は、住民と業者、どちらの側に立っているのか?
が問われる。
繰り返すが、印西市は、駅前のもともと商業地域で、法的に高い建物が建設可能な土地であっても、土地所有者と話し合って、データセンターを建設することを許可しないとして、住民の住環境を守った。
一方、流山市は、もともと「住宅地域」であった土地を破格の行政手続きウルトラDをもってして、わざわざ「商業地域」に変更して、周辺地域と調和しない高さの建物を建設可能な土地に変更した。その上、説明会で住民に対して「土地所有者が建てるものに市役所としては何も言えない」という回答だった。
流山市の対応は、印西市とは真反対の対応なのだ。
この二つの自治体の対応の違いは、「誰のために自治体はあるのか?」という公の組織である自治体の存在意義を問うている。
住民の皆さんもデータセンターの重要性は理解している。これが、流山市内にもある工業団地といった場所に建設されるなら、異議など出なかっただろう。しかし、この場合は静かな戸建て住宅が広がる住宅地への建設。理解が得られるわけがない。
業者の利益が優先され、住民の生活環境は顧みられなかった。
データセンター建設を撤回させた住民の皆さんの活動に敬意を表するとともに、「何が大切なものとして優先されるのか」「誰のために自治体は存在するのか」を間違えない自治体行政が求められる。
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ホーム>政党・政治家>上田 恵子 (ウエダ ケイコ)>流山でも問題になったデータセンター建設問題について。その3。自治体の存在意義を問う!