2021/12/20
網走市議会令和3年第4回定例会/私の一般質問のやり取りメモを公開します/第1項目:地域を挙げたDXの推進について
問:少子高齢化と労働人口の減少、そして、コロナ禍に端を発した感染リスクを低減するための非接触型の仕組みづくりとオンラインの活用など、「デジタルテクノロジーによる社会の変革」(DX)は、必要不可欠・不可避であるとともに、行政の効率化とサービス向上だけでなく、地域全体に新たな可能性をもたらすものとして、積極的に取り組んでいく認識が必要です。その点で、9月1日に「デジタルファースト宣言」を発した姿勢については評価するところであります。その前提に立って伺います。「デジタルファースト宣言」以降、当市の各種施策のデジタル化の進捗状況、特に宣言の中でも謳われていた、①業務効率化②市民サービス向上③観光情報発信の強化の視点から、検討状況も含めて、どのような政策が具体的にどのように変化したか、また変化させようとしているのかを伺います。併せて、当市における「デジタルテクノロジーによる社会の変革」すなわちデジタルトランスフォーメーションを庁舎内外で強力に進めていくにあたり、デジタル版の総合計画にあたる「デジタルファースト推進計画」のような全体のビジョンの確立と共有が必要であり、こちらについては既に作業も進んでいるところだと思いますが状況を伺います。
企画総務部長答弁:9月1日に網走市デジタルファースト宣言をさせていただいておりますが、この間、専門的知見から支援、助言をいただくため、フェローを委嘱し、さらに具体的な実務の支援、助言をいただくため、参与を任命しております。これまで管理職研修、デジタルマーケティング研修、若手職員による研究会の設置など庁内におけるデジタルファーストの意識の浸透を図りつつ、全庁的に刊行物のデジタル化、申請書の押印廃止、電子申請サービスの導入、来年度以降に取り組む事業を調査してきたところでございます。令和4年度予算編成方針におきましては、デジタル推進を重点施策として位置づけ、現在作業を進めているところでございますので、具体的な取り組みにつきましては予算編成の中でよく精査してまいります。現在、当市における中期的なデジタル化の方向性や具体的な取り組みを示す「DX推進計画」の策定を予算編成と並行して進めているところでございます。国のDX推進が加速する中、総務省が示した自治体DX推進計画も変更や追加が予想され、また、進展著しいデジタル技術の動向を踏まえますと、網走市DX推進計画は既存の計画とは異なり、常にバージョンアップをしていく、そのような計画になると考えているところです。
問:全国各地の自治体では、DXを念頭に置いて、地域全体をデジタルテクノロジーで変革していく考え方をまとめる動きが急速に広がっています。各地のデジタル系計画を概観しますと、特徴としては「行政内部でのDX(いわゆるデジタルガバメントの取り組み)」と「地域全体のあらゆる政策のDX」を同時並行していくと考え方が多いです。行政機関だけDXするのではなく、地域のあらゆる課題をデジタルテクノロジーで解決していくというビジョンを示すことが大切です。例えば、「交通」「子育て・教育」「健康・医療」「障がいのある方への配慮」「環境・エネルギー」「防災・減災」「にぎわいの創出」「地域産業の振興」などにもデジタルテクノロジーを組み合わせて、より良く変化させていこうという計画を各地で策定しています。こういった視点は、DX推進計画の中でデジタルファースト宣言の理念を具現するための当市の計画に盛り込まれていくものと想像していますが、現状の検討状況と重視している論点を伺います。
企画総務部長答弁:行政運営のデジタル化だけではなく、デジタル化やDXにより地域課題の解決を図ることは重要な視点であると考えております。現在策定中でございますので、関係人口の創出、行政運営、市民サービスのデジタル化を進めてまいりますが、DXを地域全体に浸透させることも必要なことだと考えております。
問:また、SDGsやカーボンニュートラルの視点からDXをGXへと昇華させていくべきだという考え方も定着しつつあります。つまりデジタルテクノロジーの活用で生産性をあげることで「低環境負荷」社会も同時に実現していこうという考え方であります。簡単な部分で言いますと、ペーパーレスなど資源利用の抑制、高度な部分では労働生産性の向上とエネルギー効率の変革等がございまして、カーボンニュートラルやSDGsの達成に貢献していこうという考え方であります。当市の策定する「DX推進計画」にもこの視点を盛り込んでいただく必要があると考えますが、認識を伺います。
企画総務部長答弁:DXの取り組みにより結果として低環境負荷社会の実現に貢献するものと認識しておりますが、同時に一朝一夕には為し得ないものと考えております。今後もDX推進計画のバージョンアップ時に御指摘の視点も取り入れながら進めて参りたいと考えております。
問:続いて、行政内部の業務効率化と働き方改革、市民サービスの向上、EBPM(Evidence Based Policy Making)という考え方を具体化する取り組みとしてのDXについて伺います。行政組織内部のDXについては、国もすでに指針を示しており、全国の自治体でもおおよその方向性は共通しており、①手続きのデジタル化による利便性の向上②官民データの容易な利用(オープンデータ)③マイナンバーカードの普及・活用④デジタルデバイド(デジタル格差)対策⑤情報システムの規格の整備と互換性の確保⑥AIやRPAなど先端技術の活用⑦デジタルテクノロジーを活用した新たな価値の創造という論点に収れんしてきています。当市がデジタルファースト宣言に基づいて策定する、自治体内部のDXに係る方針にはこういった論点が盛り込まれているのか、また、そういった論点に対して、どのような評価指標とスケジュール感(令和5年度内までに目途が前提だとは思いますが)で進めていくかまで計画としてまとめていく必要があると考えますが、現状の検討状況を伺います。
企画総務部長答弁:議員お話の項目につきましては、総務省が示しました自治体DX推進計画の中で自治体が取り組むべき事項として整理されております。すべての項目が当市に当てはまるのか精査しながら極力、DX推進計画に盛り込んで参りたいと考えております。また、スケジュールにつきましては、国が目標年度を設定した取り組みにつきましては、それに合わせて取り組んでいくことを基本とし、評価指標につきましては、他の自治体の設定状況をよく研究させていただき、取り組んで参りたいと考えております。
問:次に、自治体のDXと地域のあらゆる課題解決に資するDXを同時並行で進めるために大きく手を打っていくべきであるという提言をさせていただきます。きわめて速いスピードで進化するデジタルテクノロジーを政策に応用しつつ、地域の課題解決や市役所組織の変革を進めるにあたり、国も外部人材の活用を推奨していますが、自治体としてさらに踏み込んで、世界レベルのプレイヤー、いわゆるメガプラットフォーマーとも連携を深めていくべきだと私は考えています。「餅は餅屋」ということわざがあるように、我々の想像を超えた技術が様々な社会の変革、より良い社会の実現をもたらしている例を数多く既に聞いております、自動運転の実装による公共交通の利便性の向上、AIによる地域内議論の論点整理と合意形成、人口過疎地へのドローンを使った医薬品や生活必需品の配送、国政や地方選挙でのインターネット投票の導入、人工衛星の画像データを活用した水道管の漏水箇所の精緻な把握など、今まで、「本当にそれできるんですか?」というようなことが国内外で既に実装されてきています。国内においては、自治体がGoogleやMicrosoftといったメガプラットフォーマーと連携して、地域の課題解決や行政の組織変革に進んでいる例も増えてきました。「連携」の仕方も多様であります。教育や防災、観光振興などテーマ別の連携から、地域全体のスマートシティ化での連携と言った大枠のものまで地域の実情を反映した形態が全国各地で既に見られています。また、私自身もメガプラットフォーマーの方々と直接お話する機会もありますが、共通しているのは「人口減少地域の課題解決をテクノロジーで実現できれば、それは今後、人口減少局面に入る世界各地の未来の在り方を示すひとつのモデルとなる」という考えを持っている点であります。人口が減った社会をどう維持していくのか、その未来を示す取り組みであるとの認識に立って、当市もメガプラットフォーマーなどとも明確な形の連携を取り、地域を挙げたDXを進めていただきたいと思います。この点については「できない」という前提ではなく、「どうやったらやれるか」を念頭に強力に進めていただきたいと考えますが、認識を伺います。
企画総務部長答弁:専門的知見から支援や助言を頂くためフェローを委嘱し、参与を任命しておりますが、お二人ともお名前、所属などは御本人の申し出により非公表としております。これまで御案内をしておりませんが、フェローの方はメガプラットフォーマーに所属する方です。また、お二人とも国、県などにおきましてマーケティングやデジタルに関する責任者に任用されているなど、多くの自治体でアドバイザーとして活躍されております。引き続き、フェローや参与の専門的な助言を頂きながらDXによる地域の課題解決に向けて取り組んでまいります。
問:次に、地域課題の解決に資するDXの視点で伺います。今後の人口減少や労働人口の減少を前提として、行政のデジタル化だけでなく、地域のあらゆる産業にデジタルテクノロジーのよる生産性の向上を働きかけ、網走市全体の持続可能性の確保に力を入れていくべきであります。しかし、現状は、地域の様々な産業を担っている方々のお話を伺いますと「何をやったら良いの?」という声が多く聞こえる状況であります。そこで、地域をあげたDXを推進していくために、産官学が連携した「DX推進協議会」(仮称)のようなプラットフォームを設置する必要があると考えますが、市の認識を伺います。
企画総務部長答弁:まずは関係人口の創出、市民サービス、行政運営のデジタル化を推進してまいりますが、地域におけるDXの推進につきましても、どのような手法が良いのか、商工会議所など関係機関との意見交換に努めてまいります。
問:意見交換に努めるのはわかりますが、このようなプラットフォームの必要性についてはどのように認識されていますか。
企画総務部長答弁:議員のお話のとおり、実際に中小企業の方、今ではなく、以前からICT化の講習会などがありまして、開催されておりますが、参加者が少ないとかですね、なかなか人が集まらない、何をしてよいのか、といったようなことが聞かれていることは承知しております。実際、地域に落とし込もうとしたときに、組織が良いのか、そのあたりも含めて、実際にやっている取り組みを強化していくのが良いのか、その方向性についても商工会議所によく相談をさせていただいて、体制づくりが良いのか、商工会議所が頭になった組織が良いのか、その辺をよく相談をしてまいりたいと考えております。
問:「必要性は認識しているんだけど、あり様を考えたい」というニュアンスで受け止めさせていただきました。最後に、地域におけるDXを推進するために、地元でのデジタル人材の育成や外部からのデジタル人材の誘致のためのテレワーク拠点の整備やシェアオフィスの開設を望む声が地域内である中、国の地方創生テレワーク交付金の活用をしたいという相談を複数受けていますが、国としても100億円の予算を組み、強力に進めていきたいというメッセージを各地方自治体に送っていますが、交付金の活用を念頭に置くと、必要不可欠なのが当市として「地方創生テレワーク推進実施計画」があるか、ないかという部分であります。これは他のデジタル系の計画、「DX推進計画」などの策定とともに、各種施策の落とし込みにも関連する実施計画も同時に検討を進めていただきたいと思います。簡単に言いますと、実施計画が無いと交付金が得られないというスキームになっております。地域で既に芽吹いている様々な動きをバックアップすべきだと考えますが認識を伺います。
観光商工部長答弁:地方創生テレワーク推進実施計画についてでありますが、政府は「新しい資本主義」実現に向け、地方からデジタルの実装を進め、地方と都市の差を縮めながら都市の活力と地方のゆとりの両方を享受できる「デジタル田園都市国家構想」の実現を図ることとしています。現在開催されている臨時国会にてデジタル田園都市国家構想推進交付金が創設される予定となっております。この交付金は現行の地方創生テレワーク交付金の後継事業となっており、サテライトオフィスやコワーキングスペース等の開設に係る経費などが対象となっております。今後、地域におけるDX推進を図り、テレワークの拠点整備や新たな人の流れを創出するためにもこの交付金の活用について検討してまいりたいと考えております。
問:活用について検討するということは、地方創生テレワーク推進実施計画を策定するというニュアンスも含まれているということでよろしかったですか。
観光商工部長答弁:そういった方向で考えております。
問:これまでDXについて伺ってまいりました。網走市はかなり早い段階で「デジタルファースト宣言」もして、様々な施策にデジタルテクノロジーを活用していこうという大枠の意思表示はされていると思います。あとは、この意思表示を具体的な施策に落とし込んでいく作業が必要だと思っておりまして、そこは新年度予算の編成で行っていくということが冒頭の答弁にありましたが、最後に市長に伺いたいのですが、「デジタルファースト宣言」の「ファースト」は政策としての優先順位を上げるというニュアンスとともに、スピードも速い、「早くやる」という意味も含まれています。周りの自治体を見ますと、相当なスピードでデジタルテクノロジーの活用に踏み出している自治体と、「何をやったら良いのだろう」「国の動向を見ながら」とじわじわ進めている自治体に二極化しています。網走市はいち早く「デジタルファースト宣言」をしているわけですから、具体的な施策への落とし込みもスピードを上げて取り組んでいただきたいと考えているところですけれども、最後に市長の決意を伺います。
市長答弁:「デジタルファースト宣言」でありますけれども、行政のデジタル化、市民サービス、関係人口の創出、この3本柱をデジタルによって、地方の活性化そしてまた市民サービスを向上させていくということで「デジタルファースト宣言」を行ったわけであります。このことで、先ほどから答弁しておりますが、令和4年度の予算編成方針においてデジタルと言うものを取り組みながら、この3本柱に取り組むようにとの方針を出したところであります。具体のお話も刊行物のデジタル化、ハンコを無くすみたいなものも含めて個別具体的なものから大きな枠組みを通したなかでデジタル化を推進していこうということであります。このひとつの大きなきっかけは庁舎建設に向けて、リアルの庁舎と合わせて、庁舎に来なくても常に行政とのつながりが持てるといった意味での「手のひら庁舎」といいますか、全てどこにいても行政サービスが受けられるようなそんなまちづくりを目指していこう、というような「デジタルファースト宣言」でありますので、テクノロジーの進展も含めて、先ほど、質問にもありましたように様々なフェロー、参与を任命を致しまして、大きな視点から、そしてまた、個別具体的からフェロー、参与の御指導をいただきながら取り組んでいるところでございますので、その辺りに十分意を用いて取り組んで参りたいと考えているところでございます。

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