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こんどう けんじ ブログ

続:質問スコアラーによる一般質問分析/武雄市議会3日目。

2026/6/22

続:質問スコアラーによる一般質問分析/武雄市議会3日目。

皆様お待ちかねのAIによる一般質問分析ツール「財政スコアラー」にて武雄市議会6月議会の後半部分を行ったので、順次公開したい。

まずは一般質問3日目(6月12日)分をお届けする。

3日目に質問に立ったのは、山口真哉議員(1期目)、松尾初秋議員(9期目)、朝長勇議員(4期目)の3人。

分析結果は以下のとおり。

山口真哉議員(1期目) 
総合13点 
(テーマ5/追及3/提案▲(マイナス)10/引出3/熱意12)

【スコアリングの根拠】 
消防体制では、火災件数や林野火災対応、ジェットシューター、消防団の熱中症対策を確認したが、質問は制度の確認にとどまった。初期消火協力者の消火器補償も、市は「補助制度はなく、制度化についても現段階では考えていない」と答弁し、山口議員は「ぜひ、消火器の買い替え…制度を検討いただきますように」と要望で終わってしまった。屋内ドーム型施設では、市長が「新規に、今、この施設を造るということは難しい」と明言したにもかかわらず、建設費、維持費、財源を詰めておらず、本人も「夢のような絵」と述べており、政策提案ではなく夢物語に近い。さらに大学連携では、自社キッチンカー事業で「大学のほうにアルバイトをお願い」し、「1時間後か2時間後には、3名」の返答を得た事例を紹介。「私、会社として雇用して」「これが大学のあるまちの生きた姿」と述べた点は、公私混同、利益相反、地位利用の疑義を招く。よって提案スコアはマイナス評価とした。市長答弁が他の議員に比べて丁寧かつ情報量が多く、事前の答弁調整の充実が窺える反面、予定調和の印象もあり、追及・引出も低めのスコアとなった。

【次回に向けての寸評】 
まず必要なのは質問技術以前のコンプライアンス意識の向上である。大学と地域の連携を語るなら、自社が受けた便益を成功例として議場で紹介してはいけない。正式な求人制度を通したのか、他事業者にも同条件で開かれているのか、議員として依頼したのか会社代表として依頼したのかを整理すべきだった。屋内ドームも同じで、「子育て支援」「合宿誘致」「医療費抑制」と聞こえのよい効果を並べる前に、建設費、維持管理費、既存施設活用、財源を問う必要がある。次回は、利害関係、財源、公平性、判断基準を意識し、公私の線引きに注意しながら質問を組み立てること。答弁調整は否定しないが、市長と議会は緊張関係をもって互いに牽制し合う、という二元代表制の理念を理解し、指摘すべきことは指摘すること。

松尾初秋議員(9期目) 
総合64点 
(テーマ11/追及14/提案11/引出14/熱意14)

【スコアリングの根拠】 
動物愛護では、譲渡実績「犬が23匹、猫が86匹」、地域猫活動団体「29団体」、終生飼養の周知を確認した。ケーブルワン・スポーツパークでは、イベント案内が施設内チラシとサイネージ止まりで、課長が「インターネットを使って外部に情報発信することは、現在しておりません」と答えたところを突き、「中に入らんぎ…分からん」と市民目線で切り返し、インターネット公開と掲示板活用の検討を引き出した。確定申告予約では、回線増設後も「一日中、つながらん」という相談を示し、税務課窓口での予約相談対応を認めさせた。市役所への電話受付時の録音案内(自動ガイダンス)でも「(本当の狙いは)サービス向上じゃなか」「ガイダンス短くしてください」と詰め、文言修正とガイダンスの短縮に向けた意識を示させた。実務上の改善につながる成果はこの日最多。ただし、大学・SNS批判の項目は、松尾議員自身も認識しているようだが、市が行った事業ではないため、答弁が困難だった。

【次回に向けての寸評】 
松尾議員は市民の素朴な疑問や苛立ちを行政の運用改善に変える力がある。イベント情報のネット公開、確定申告予約の窓口対応、電話ガイダンス(自動音声)の短縮は、地味だが確実に市民生活の向上につながる。特に「ネットで出してはなかということ自体がびっくり」という感覚は、行政の動きの鈍さを市民の言葉で突いている。住民の声を代弁し、行政に改善を求めるという議員の原則を体現する発言が多く、9期目のベテランとしての知見が光る。一方、大学問題ではSNS批判やアンケートへの不満を語る以上に、学生の市内就職、企業との接続、大学支援の上限、追加支援をしない原則を詰めたほうがより強い。強い言葉を使える議員ほど、最後に制度、費用、責任部署まで明らかにできるとさらに行政を動かせる。

朝長勇議員(4期目) 
総合66点 
(テーマ14/追及13/提案13/引出12/熱意14)

【スコアリングの根拠】 
武雄アジア大学問題一本に絞り、質問の設計が最も明確だった。冒頭で「大学設置そのものが目的ではなく…効果こそが目的」と整理し、市長から「市政の最高責任者として責任を負い、責任を持って取り組む」と答弁を得た。さらに、市13億円及び県6億5000万円の計19億5000万円の補助金を「市民、県民の財産」と位置づけ、入学生37人という現実を踏まえて、補助金返還、経営破綻時の対応、交付要綱の不備、顧問弁護士への相談内容を追及した。市は「破綻を想定した条件を加えるべきかは、相談しておりません」と答弁。返還額も「容易に計算ができず」とされ、経済効果154億3000万円等についても「推計」であり「検証はしておりません」と引き出した。ただし、四半期報告や撤退基準など具体的な管理ルールを具体的に詰めきれなかった点が惜しいが、「大学破綻時に補助金を返還させる仕組みがある」旨の答弁を改めて引き出し、今後の論戦の礎を築いた功績は大きい。

【次回に向けての寸評】 
朝長議員は、大学誘致を単なる賛否ではなく、「市民、県民の財産」をどう守るかという危機管理の問題に昇華させた点が意義深い。特に「経済なき道徳は寝言である」と引用し、「情に流されて、市民の財産を毀損する」判断を避けるべきだと述べた場面は極めて重い。聞こえのよい連携事業と、財政的なリスク管理を分けて考えるべきだという指摘は、今回の一般質問の中で最も政策監視に近い。次回は、四半期ごとの財務報告、学生募集実績、補助金返還額の年次試算、追加支援をしない原則、撤退判断の基準を文案化して市に迫りたい。財源論を中心に据えた点は、今回最も評価できる。一方、市長答弁は論点そらしが目立ち、もうひと押し、ふた押しの「さら問い」があると、より議論が深まったのではないか。

※「質問スコアラー」は、地方を守る政経塾が2年前に開発した、地方議会の一般質問の水準を質問者ごとに評価・可視化するAIツール。これまで塾生が所属する約20の地方議会でトライアル運用を行い、議会ごとの実態に合わせて評価項目や出力内容を調整してきた。評価は議員個人の人格や政治的立場を対象とするものではなく、議事録等に表れた質問の文言から、テーマ設定、追及力、政策提案、答弁引出力などの基準項目への充足度を点数化。次回の改善提案も含めてフィードバックする機構としている。

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著者

こんどう けんじ

こんどう けんじ

選挙 網走市議会議員選挙 (2019/04/21) [当選] 1,142 票
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肩書 人材開発株式会社CEO/DXコンサルタント/公共交通アドバイザー
党派・会派 自由民主党
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