2026/5/26
続報。
プロバスケットボールチーム「佐賀バルーナーズ」のプレシーズンマッチに、武雄市が1,749万1千円を支出する補正予算案。
この件について、関係者筋やスポーツ政策に詳しい方々から、いくつか情報提供をいただいた。
聞こえてきた話を総合すると、どうも構図はかなり深刻である。
バルーナーズ側は、武雄市の体育館の設備状況では、選手の安全確保や公式戦に近い環境づくりの面から、本音では開催にかなり慎重だったようだ。
だからこそ、通常なら武雄市側が断るだろうという水準(かなりハードル高め)の条件を示した。
ところが、市長室で小松政市長が「やります」と即答してしまったと言うのだ。
結果として出てきたのが、今回の補正予算案である。
1日限りのプレシーズンマッチに、1,749万1千円。
内訳は、仮設整備借上料1,385万円、開催負担金364万円。
ゴール2基のリース。床面への木製板設置。ドクター、看護師、警備員、会場スタッフの増員。さらに、バルーナーズだけでなく対戦相手側の交通費、昼食費、宿泊費まで公費で負担するという。
しかも、市民が無料で観戦できるのかも不明だ。仮に満員(1,000人収容)でも、観客1人あたり約1万7,000円の公費支出になる計算で、そこまで出すならSAGAアリーナでの公式戦観戦補助の方がはるかに安く済む。
そもそも、この事業によって武雄市として何を達成したいのか、政策意図が極めて不明確である。
交流人口の増加なのか、地域経済効果なのか、青少年育成なのか、あるいはシティプロモーションなのか。市政施行20周年と言えば何に使っても良いわけではない。
行政が多額の公費を投じる以上、本来は目的、効果、検証方法まで含めて市民に説明されるべきだ。しかし現時点では、「なぜこの支出が必要なのか」という根本部分が見えてこない。
地方自治法第2条第14項には、「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」と定められている。
今回の1,749万円は、本当にその原則に照らして説明できるのか。
1,700万円あれば、部活動の地域展開をもっと実情に合わせて組み直せる。子どもたちの移動の足を確保することもできる。
文化会館大ホールの更新に向けた財源の一部にも使える。
市民生活に直結する事業の財源として、もっと優先すべき使い道はいくらでもある。
しかし、そこにはお金を出さない。
一方で、1日だけのプロバスケのプレシーズンマッチには1,700万円を出す。
第5次行革プランでは、令和8年度から令和12年度までの5年間で、計約30億円の財源不足が生じると自ら認めている。
ところが武雄アジア大学には、武雄市と佐賀県を合わせて19.5億円の公費投入。
一方、水道料金を3割値上げ。
中学生の学校給食費もいまだに半眼は自己負担のまま。
ちなみに本件、バスケットボールが悪いという話ではない。佐賀バルーナーズが悪いという話でもない。
むしろ、プロスポーツの側からすれば、選手の安全や興行の質を守るために、必要な条件を示すのは当然である。
問題は、それを小松市長がどう判断したかだ。
財政が厳しいと言いながら、市民生活に直結する課題は先送りする。その一方で、見栄えのよいイベントには即答で予算をつける。
ここに、いまの武雄市政の歪みが出ている。
12月には市長選がある。
政治の側から見れば、今回の事業は、バスケ人気にあやかって市民の歓心を買いたい小松市長の思惑で組み立てられたものにしか見えない。
・政策の優先順位
・市役所は住民のことを考えているか
・プロスポーツの政治利用、選挙利用
様々な問題を孕んでいる。

この記事をシェアする