2025/9/7
皆さん、こんにちは。枚方市議会議員のかじや知宏です。
最近よく耳にする「生成AI」。ChatGPTなどの生成AIは、文章を書いたり要約したり、アイデアを出したりと、私たちの暮らしや仕事に急速に広がっています。特に民間企業では、その導入スピードが非常に早く、マーケティングや顧客対応、業務効率化などで次々と成果をあげています。
一方で、行政の現場はどうしても動きが慎重になりがちです。しかし、人口減少や人手不足が進む中で、市民サービスを維持・向上していくためには、この技術をどう取り入れていくかが大きな課題だと感じています。
私自身も議員活動の中で生成AI(主にChatGPT)を取り入れています。例えば、議会質問の構成案を作成したり、大量の資料や答弁を要約整理したり、政策課題の論点を整理したりする際に活用しています。さらに、市政の情報を市民にわかりやすく伝えるための文章作成の補助としても役立っています。
今回は、**「議員としてどのように活用しているのか」**を紹介しながら、メリットや課題、そして今後の可能性についてご報告します。

議員活動は、市民相談への対応や現場視察、会派での調整など、多岐にわたります。その中の一部として「議会質問の準備」がありますが、これが非常に時間と労力を要する作業です。
山のような資料を読み込み、論点を整理し、質問を整え、政策の形に仕上げていく――この過程に生成AIを取り入れることで、
議会質問の構成を一気に組み立てる
行政の長い答弁や資料を瞬時に要約する
見落としがちな視点を論点として提示してくれる
市民に伝わるやさしい言葉に言い換えてくれる
といった効果が出ています。
中でも強力なのが**「壁打ち」**です。
壁打ちとは、自分の考えや質問案をAIにぶつけ、返答を得ながら思考を整理する方法です。質問づくりの際に生成AIを相手にやり取りを重ねることで、論点を整理し、想定答弁を検証し、市民に伝わる形に整えていくことができます。質問づくりでは、次のようなフローで生成AIを活用しています。

1️⃣ 基礎資料の要約
過去の議事録、行政の計画、審議会の答申といった膨大な資料を要約。
👉 短時間で「押さえるべき背景」や「議論の流れ」を把握。
2️⃣ 先進事例の調査
「他市ではどう対応しているか」「全国の最新動向は?」とAIに尋ねる。
👉 自治体間の比較や参考事例を得て、枚方市に合った論点を見つける。
3️⃣ 論点の抽出
「このテーマで質問するなら、どんな視点があるか?」と投げかける。
👉 抜け落ちた観点や新しい切り口を提示してもらえる。
4️⃣ 仮の質問をぶつける
想定質問を入力すると、行政側が答えそうなパターンをAIが生成。
👉 実際のやり取りを事前にシミュレーションできる。
5️⃣ 不足を補強する
答弁想定をもとに「もっと突っ込むべき論点」「深めるべき数字や事例」を探る。
👉 質問をより多面的に強化。
6️⃣ 市民向けにわかりやすく整える
「中学生にもわかる言葉にして」と依頼し、誰でもわかりやすい文章に変換。
さらに、誤字脱字・言葉の重複・質問の流れもAIに確認させる。
👉 読みやすく、筋道の通った質問原稿に仕上げる。
このフローを繰り返すことで、質問はただの形式的なものではなく、背景を押さえ、他市事例も踏まえ、市民に伝わる内容に磨かれていきます。
AIは単なる便利な道具ではなく、**資料を整理し、論点を磨き、議論を深める“議員のパートナー”**になり得るのです。
生成AIを活用することで、
✅ 時間の短縮:調査や文章整理が効率化し、市民との対話や現場活動、情報発信に時間を割ける
✅ 発想の幅:自分一人では思いつかないアイデアや視点を得られる
✅ 伝わりやすさ:行政用語を中学生でも理解できる表現にできる
といった効果があります。
ただし、
正確性の担保(AIの答えは必ずしも正しいとは限らない)
情報漏えいリスク(内部資料をそのまま入力できない)
人の判断の必要性(AIはあくまで補助ツール)
といった課題もあります。AIを過信せず、人間が最終判断を下すことが欠かせません。
生成AIの進化は、まさに“脅威的なスピード”です。昨日できなかったことが、数か月後には当たり前になっている。民間では新しいAIサービスや機能が毎月のように登場し、たった1年で仕事のやり方が一変しています。
AIはすでに単なる文章作成を超え、**タスクを丸ごと任せられる「AIエージェント」**へ進化しつつあります。資料の収集から分析、提案までを自動でこなし、複数のAIが連携して業務を進める未来は目前です。
もし行政がこのスピードについていけなければ、市民サービスの質や利便性で差が生まれます。しかし、この波を捉えれば、業務効率化・職員の働き方改革・市民サービスの向上を一気に進められるチャンスになります。
そして、まだ試行段階ではありますが、市民相談への対応や現場の課題整理といった他の議員活動にもAIを活かせる余地があると感じています。議員活動そのものが進化し、市民の声をこれまで以上に迅速かつ的確に政策に反映できる可能性が広がっています。
私は、今年6月の定例月議会の一般質問で、生成AIを枚方市役所の業務に活用することを提案しました。
職員が自らAIを触り、便利さや可能性を体感することで意識改革と新しい文化を生み出すこと
教育委員会の実証事業では、先生が子どもと向き合う時間を確保できている成果が出ていること
その知見を市長部局にも広げ、庁内横断でAIを活用する必要性
成果を蓄積・共有する仕組みを整え、他自治体や民間とも知見を連携する重要性
私は議会で、生成AIが「職員の働き方を変え、市民サービスを高め、市民との接点を効率的かつ親しみやすいものに変える」可能性を強調しました。今後も、教育委員会と市長部局が連携し、全庁的なAI活用が進むよう継続的に提案していきます。

生成AIの活用は、議会活動の効率化にとどまらず、市役所の業務や市民サービスのあり方を大きく変える可能性を秘めています。私は「AIを市民にとってわかりやすく、便利で、信頼できる行政の実現につなげていくこと」が必要だと考えています。
これからも、枚方市の未来を支えるために、AIの可能性と課題を踏まえながら、議会で提案を続けていきます。
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