2026/7/27
一般質問の解説の続きです。
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表や図面は下記リンクから
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前回の記事では、平成22年の土地取得における鑑定評価書上のリスク軽視と、その後の不作為(時効放置)についてお伝えしました。
今回は、令和2年以降に展開された中野学園との土地取引に伴う「公金損失の法的確定」、そして現在進行形で継続している「財務規則違反の残地管理」について検証します。
都市計画道路下ケ戸・中里線の整備に伴って移転先を模索していた学校法人中野学園に対し、市がとった分筆および売却の手続きは、公有財産管理の観点から看過できない重大な問題を孕んでいます。
令和2年、市は当該土地を分筆(分割)し、以下の2つのエリアに分離する登記手続きを完了させました。
【売却エリア】 地上権の制限がない優良地:275.88㎡(約83坪)
【残地エリア】 地上権設定およびリスクを抱える土地:875.65㎡(約264坪)
※なお、千葉県が地上権を設定したのは、この残地エリアの一部(482番2/46.62㎡・約14坪)であり、令和2年2月に設定されています。
この分筆処理において問題となったのは、中野学園へ譲渡した【売却エリア】の価格設定です。
市は当初、本一団の土地を1㎡あたり27,000円(総額3,110万円)の公金を投じて取得していました。しかし、中野学園への売却に際し、この当初取得単価を下回る低価格(1㎡あたり25,700円)で払い下げを行ったのです。
【公金損失の確定】
購入時より低い価格で売却したことにより、「市民の血税を投じた公有財産の価値を減損させ、公金損失を発生させた」という事実が法的に確定しました。
地上に建築制限のない健全な部分のみを選別して分筆し、それを当初の取得原価を下回る価格で特定法人へ譲渡した判断は、適正な対価による公有財産の処分を定めた地方自治法の理念から大きく逸脱しています。
さらに深刻なのは、市が手元に残した【残地エリア(875.65㎡)】の管理状態です。
千葉県による地上権が設定され、将来的な漏水・掘削リスクや建築制限を全面的に引き受けることとなったこの残地は、実質的な価値が著しく下落しています。市は現在もこれを「普通財産」として保有し続けていますが、その管理実態は極めて不誠実なものです。
我孫子市財務規則第261条では、公有財産(土地)について以下の通り厳格に義務付けられています。
【我孫子市財務規則 第261条(台帳価格の改定)】
「財産担当部長及び財産管理者は、その合議により、公有財産につき、3年ごとにその年の1月1日の現況においてこれを評価し、その評価額により公有財産の台帳価格を改定しなければならない」
地上権の設定や分筆という重大な現況の変化があったにもかかわらず、市は令和2年10月を最後に財産台帳の更新を停止させています。
現況評価の放棄: 価値が著しく低下した残地に対し、3年ごとの再評価および台帳価格の改定を一切行っていません。
虚偽の価値維持: 台帳上は過去の「1㎡あたり27,000円」という古い価格のまま放置され、実態と大きく乖離した資産評価が継続されています。
これは市自ら、財務規則に定められた法的義務を怠り、不適切な財産管理状態を組織的に継続していることに他なりません。
特定の事業者の都合に合わせて土地を不自然に切り貼りし、一方には損失を伴う安値での払い下げを行い、もう一方の著しく価値の下がった残地については評価改定を怠って不都合な事実を外部から見えにくくする――。
この一連の対応は、公有財産をあずかる自治体として著しく品位と遵法精神を欠いた管理体制と言わざるを得ません。
平成の取得・放置から、令和の分筆・売却、そして現在の台帳放置に至るまで、我孫子市の財産管理は一貫して「不都合な真実の覆い隠し」によって行われてきました。
財務規則違反という現在進行形の違法状態を速やかに解消し、適正な財産評価と市民への説明責任を果たさなければなりません。
次回は、市が不当な値引き売却を正当化するために用いた、**「綺麗な土地までまとめて安売りした強引な計算ロジック(価格算定における構造的欠陥)」**について検証します。
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ホーム>政党・政治家>西垣 一郎 (ニシガキ イチロウ)>一般質問「市有地取引における巧妙なスキームの検証」⑤公金損失の確定と残地管理の不作為