2026/7/31
大田区議会で、臨時議会が開かれて、3つの議案について、たった1日の審議で可決してしまいました。
どんな議案か言うと、
補正予算と工事の契約変更を、
議会の議決によらず、区長の専決処分で10%までできるようにする議案です。
これまでは、5%で、5%でも、
なんでも契約変更できるのはおかしいなあ、と思ったことがあったのですが、
10%まで、議会は、仮に問題があったとしてもこれを否決できません。
今は、
立派な区長と大田区の職員が契約をしっかりチェックしていても、
未来永劫、一つのミスも無いとは言い切れません。
だったら、私たちの社会は、どれだけ、幸せでしょう。
でも、不幸にも様々な問題があって、それらが、起きないよう、
様々なかたちで、抑止しながら、社会は回っています。
だから、防犯カメラまで、あちこちにつく時代になってしまいました。
それなのに、区民の皆さまからお預かりした税金の使途をチェックする立場にある議会が、
工事契約の10%までは、議会のチェック無しで、増額、減額して良いですよ、
と、区長に大きな権限を与えてしまったのです。
しかも、
この議案には、大田区議会のほぼ全員が賛成してしまいました。
10%までは、議会のチェックが要らないよ、
という背景には、国の動きが有り、
大田区議会では、3つの条例を廃止したり、改正したりして、
最終的には、
物価の高騰に連動して、
1%以上の契約金額を変更できるようにするようになっていましたが、
令和12年3月末まで、10%以内の契約金額の増減の契約変更は、議会がそこに関与しないと、決めてしまったのです。
一方で、
区民の所得は、物価に連動しないのに、
区民の所得で払われた税金で行う、工事契約は、物価にほぼ連動して、工事費を担保されます。
工事費総額を見直す必要があると思って質問しましたが、
区は、大切だからと総工費を見直す気もありません。
過去10年で、
福祉費は3割増えましたが、投資的経費は2倍になりました。
このまま物価の高騰が続けば、
大田区は、将来に先送りしている投資的経費が771億円もありますから、
財政余力400億など、すぐにとんでしまうでしょう。
実際、区も、財政余力は、そんなにない、と言っています。
経常収支比率約8割(=400億円)を標榜しているのと、実態とは大違い、ということです。
以下、補正予算と、
3つの議案により、区長が専決処分できる上限を5%から10%に引き上げた議案についての討論です。
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日本の経済の中心東京に暮らす二人以上の勤労者世帯は、GDPも税収も一番多いのに豊かとは言えません。
1人世帯も含めれば、豊かさの実感はさらに下がるでしょう。
本補正予算をみても、物価高騰対策、低所得者対策などがあるものの、3億円にとどまり、納税義務者の中で大多数を占める、勤労者世帯の、中間所得層から上の層が、経済的に豊かと感じられるようになる予算は、ほぼありません。
豊かと言えない勤労世帯が多いのに、集めた税収が、本補正予算に限らず、多くの勤労者世帯に還元されていないのは問題で反対です。
そもそも、経済の中心で豊かと言えない理由の一つは高い物価水準です。
物価を引き上げる要因のひとつが、高い固定資産税で、建物の固定資産税の評価額を引き上げる背景には、公共工事の高い工事単価があります。
公共工事の工事単価を元に、マンションなどの固定資産税の評価額を計算しているので、工事単価が上がるほど、固定資産税評価額があがり、税収が増え、物価があがるのです。
それでは、どう工事単価が上がるかと言えば、原油高や円安ばかりが言われますが、物の価格に大きく影響する需要と供給のバランスは言われません。
鈴木区長が就任した令和5年度から、大田区の公共施設整備計画が、僅か1年で変更になり、前年に比べ令和9年度までで、1.55倍になり、大きな需要の山を作りました。
工事契約などが長期化、高額化し、近年、債務負担行為が多用され、令和6年度末で771億円になるにもかかわらず、今回の補正予算2026臨時2補正file00041199にも、債務負担行為の変更が計上されていて、次年度以降、複数年の投資的経費を、22億円も上ぶれさせています。
結果、1.55倍に増えた令和9年度までの山が、令和10年11年度とさらに続く改定が行われています。
こうした需要の増が、国際情勢での資材不足に拍車をかけ、政治がさらなる資材高騰を招いていることは、誰も指摘しません。
そもそも、地方分権で財源と権限が大田区にきたら、
大田区は、
1.その財源を余らせ貯めて、
2.裁量権(権限)を使い、
3.かつてではできなかった、蒲蒲線や羽田空港跡地開発や学校複合化に、キャッシュで税金を使うようになって、
4.公共工事が増えて、
5.需要が増え工事単価があがり、
6.固定資産税評価額があがり、
7.物価が上がって、
8.東京の中間層が豊かになれない、と言う構図です。
物価高騰の要因は少しでも排除すべきですが、それをさらに助長させる補正予算で反対です。
日本の経済の中心東京23区に集まる豊かな税収は、そこで暮らす都民のためではなく、一握りの投資家のために使われているから、物価が上がり、区民が経済的に豊かと言えない調査結果が出るのです。
そのうえ、議員提出議案2026臨時2区長の専決処分議員提出2file00041200で、専決処分の金額を、5%から令和12年3月末まで、倍の10%に引き上げると言いますが、5%から10%までの金額の増減を、区長の専決処分に委ねれば、議会が否決できる抑止力が失われ、二元代表制が形骸化します。
しかも、区長部局からお願いされたと言うのですから、二元代表制どころか議会の一部が一元代表制になり始めてはいないでしょうか。
工事が滞るのが問題なら、通年議会にして速やかに議決できるようにすべきですし、大規模で長期にわたる公共施設整備等を行っているから、資材の高騰の影響をより受けるのですから、これまで通り単体で建て替えればいいのです。
結果、長期で大規模になる、学校複合化や多機能化を選んできたのも、行政と議会です。
過去10年の福祉費は1.3倍増えましたが、投資的経費は2倍になっている財政投入額の異常性と、それを可能にしたのが、財源権限を自治体に与えた地方分権だということを、自覚すべきです。
区民は、
・便利で、新しい建物を、たまに使うため、学校建て替えに8年もかけ周辺建物を入れる複合化に、多額な税金を使い、物価を高騰させるより、
・単体で建て替え、手元に自由に使えるお金が残るほうを選ぶはずです。
かつては、事業者が努力しても公共工事の実施に支障があると認める時に、区長が対応するという仕組みの中で運用されてきた、2026臨時2大田区公共工事に係る特別措置に関する条例を廃止する条例file00041202ですが、近年の国の法整備で、契約金額が、物価に連動し資材高騰等に対応可能になっています。
事業者は、物価高騰のリスクを負うことなく受注できますが、その財源を負担する多くの区民の給与は、物価が上がっても単品スライドのように、確実に連動してあがるわけではありません。
そうやって増やすインフラへの財政投入が、そのまま区民負担に直結するうえ、政治が、投資的経費を、期間も金額も、専決処分で高騰に連動して激増させる状態を作れば、物価高騰に拍車がかかり、経済の中心に暮らしながら、区民は購買力からみて貧しくなるばかりだということです。
最悪の場合には、財政破綻です。国の改正に伴う制度改定とは言え、区長の裁量権を残し運用に抑止をかけるべきです。
資材高騰リスクから解き放たれる事業者の株主とは、余りに対照的で反対です。
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