田中 としかね ブログ

俯瞰細観

2026/5/16

 「俯瞰細観」

 先月話題にしました「見ること」と「観察すること」という話になると、思い出す四字熟語があります。それが今回紹介する「俯瞰細観」ですね。「物事を広い視野で見渡しつつ、細部にも目を配ること」を意味しています。「俯瞰」というのは、高い位置から全体を見下ろすことを意味し、「細観」というのは、細かい部分を観察することを意味しています。「俯瞰」という言葉は「鳥瞰」という言葉に言い換えることができます。「鳥が空高く飛び、地上の全体を見渡すように」ということですよね。そこで「鳥の目を持て」という言葉には、「全体像や大局を把握せよ」という意味合いが込められることになるのです。では「細観」はというと、「物事の詳細や微細な要素に目を向けること」ですので、「虫が地面を這い回り、周囲の細かい部分を観察するように」ということになり、「虫の目を持つ」という言い方がされることがあるのです。
 先月の「見ること」「観察すること」に当てはめてみると、ワトソン君は「俯瞰」「鳥の目」で、ホームズが「細観」「虫の目」、ということになるのでしょうか?四字熟語の意味としては「全体の状況や流れを把握することが重要である一方で、細部にまで注意を払うことも同様に重要である」という考え方であり、「どちらも重要」ということになるのですが、ホームズはむしろ「虫の目」を重視しているように思えます。このことを「文章読解」に置き換えて、「ボヘミアの醜聞」のシーンを「改作」してみたいと思います!
 「きみはこの文章が、何について書かれたものなのかを知っているというのだね」「そうだな、環境問題がテーマだということは明らかだ」「では、この文章で取り上げられている環境問題はいくつある?」「いくつだって?そんなの知らないな」「大気汚染、海洋汚染、水質汚染、土壌汚染の四つだ。大気汚染には酸性雨と光化学スモッグとPM2・5の三つの具体例が挙げられていた」
 いかがですか?ホームズが「十七段」という数字にこだわったのと同じように、文章読解でも「数字」には気をつけるべきだといえます。それは文章を読んでいる段階から「何がいくつあるのか?」に注意して「観察」し、頭に残すつもりで読むことにほかなりません。文章の一部が切り取られて出題され、文字数にも制限がある「読解問題」では、この「決められた部分」を徹底的に観察する「虫の目」が大事になるのです!

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著者

田中 としかね

田中 としかね

肩書 文京区議会議長 特別区議会議長会会長  
党派・会派 自由民主党

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