2026/8/10
こんにちは、山本しんいちです。
8月7日、人事院は令和8年の給与勧告を国会と内閣に提出しました。今回の勧告は、国家公務員の給与を引き上げるだけの話ではありません。物価高が続く中で、行政サービスを担う人材をどのように確保し、職員が安心して働ける環境をどうつくるのか。これからの公務のあり方を考える重要な内容です。
まず、最も大きな柱は月例給の引き上げです。民間企業との給与較差は平均15,056円、率にして3.51%となりました。この較差を解消するため、行政職俸給表(一)は平均3.3%引き上げられます。令和7年に続き、3%を超える高い水準の改定となりました。
初任給も大きく変わります。総合職の大卒は251,500円、一般職の大卒は241,500円、一般職の高卒は209,800円となります。いずれも9,500円の引き上げです。
背景には、若い世代を中心とした深刻な人材獲得競争があります。民間企業でも初任給の引き上げが進み、公務員の仕事に関心があっても、給与や働き方を理由に進路として選ばない人が増えています。行政は、住民の生命や暮らしを支える仕事です。必要な人材を確保できなければ、窓口、福祉、税務、子育て支援、防災など、身近な行政サービスにも影響が出ます。
ボーナスについては、年間支給月数を4.65月分から4.70月分へ、0.05月分引き上げます。引き上げ分は、期末手当と勤勉手当にそれぞれ0.025月分ずつ配分されます。平均年間給与では、約26.6万円、率にして3.7%の増加が見込まれています。
地方自治体にとっても、今回の勧告は無関係ではありません。地方公務員の給与は、それぞれの自治体の人事委員会の勧告や地域の民間賃金、国の取り扱いなどを踏まえ、最終的には議会で給与条例を改正して決定されます。
太田市を含む地方自治体では、職員の採用難や若手職員の離職、専門職不足が課題になっています。給与を引き上げることは重要ですが、それだけで問題が解決するわけではありません。長時間勤務の縮減、休暇の取りやすさ、管理職のマネジメント、職員の成長を支える研修、子育てや介護との両立支援も必要です。
今回の人事院勧告では、カスタマーハラスメント対策や、理由を問わず取得できる年7日の無給休暇など、勤務環境に関する取り組みも示されました。職員を守ることは、結果として住民サービスを守ることにつながります。
一方で、給与改定には財源が必要です。自治体の財政状況や住民の理解を踏まえながら、持続可能な制度として実施しなければなりません。大切なのは、職員の待遇改善と住民サービスの充実を対立させるのではなく、行政を支える人材への投資として、丁寧に説明していくことです。
今回の勧告は、「公務員の給料が上がる」という一面的なニュースではありません。物価高に対応し、優秀な人材を確保し、職員が誇りを持って働ける公務をつくるための改革です。
私も、太田市の行政が将来にわたって必要な人材を確保し、市民の皆さまに信頼されるサービスを提供できるよう、給与制度だけでなく、働き方や職場環境、行政の生産性についても引き続き考えていきます。人を大切にする行政こそが、市民の暮らしを大切にする行政だと考えています。
~人をつむぎ、挑戦が生まれる太田市へ~
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ヤマモト シンイチ/46歳/男
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