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山本 しんいち ブログ

母の介護を経て、私が福祉政策に向き合う理由

2026/6/10

こんにちは。太田市役所を退職し、市議会議員を目指して活動している山本しんいちです。

今日は、いつもの政策の話をする前に、少し個人的な話をさせてください。これは、私が福祉の問題を「自分ごと」として考えるようになったきっかけの話です。

今から10年ほど前の話です。母に認知症を疑うようなことがおきました。なんとか母を説得し、脳神経外科を受診して、長谷川テストを受けるも全く問題がなく、最終的には精神病院にお世話になり、せん妄状態と診断されました。当時はせん妄という言葉すら知りませんでした。

せん妄とは、高齢者が入院・手術・環境の変化などをきっかけに、突然意識が混乱した状態になることです。幻視や幻聴が現れ、夜中に大声を出したり、点滴を抜こうとしたり、「家に帰る」と言って歩き回ったりします。認知症とは異なり、原因が解消されれば回復することが多いのですが、介護する側にとっては想像以上に過酷です。

また本人の意識もあるので、救急車で搬送することもできず、暴力性がないため警察の保護措置もとれず、何とか紹介してもらった県の救急当番の病院まで行き、即入院をさせてもらいました。

治るまでに入退院、通院と半年以上を費やしましたが、一番大変だったのは先の見通しが立たないことです。

行政経験者でも「どこに相談すればいい?」がわからなかった

正直に言います。私は太田市役所で長年働いてきました。福祉の制度も、相談窓口の場所も、人並み以上には知っているつもりでした。

それでも、いざ自分の家族が当事者になったとき、「どうすればいいか」がわからなかったのが実態です。

かかりつけ医に電話すべきか。救急を呼ぶべきか。地域包括支援センターはこういうケースも相談できるのか。動いてくれる窓口はどこか。

制度は「知っている」のと、「使える」のは全然違うんだ、と身をもって知りました。

太田市の障がい・介護福祉——今できていること、まだ足りないこと

母の介護を経験して、私は改めて太田市の福祉制度を「使う側」の目線で見直しました。

太田市の障がい者・高齢者福祉は、国・群馬県・市の三層構造で支えられています。国が障害者総合支援法や介護保険制度の枠組みを作り、県が専門人材の育成や広域支援を担い、市が実際の窓口として市民一人ひとりに向き合います。

人口約22万人を抱える太田市には、比較的多くの福祉サービス事業所があります。障がい児支援、就労支援、地域生活支援——制度の数だけ見れば、決して少なくありません。

しかし母の一件で痛感したのは、「制度があることと、届くことは別問題」だということです。

「助けて」と声を上げられる人だけが助かる社会ではなく、
気づいた人が、気づいたときに動ける仕組みが必要だと思っています。
 

行政の経験がある自分でさえ迷い、疲れ、孤独を感じた。では、はじめて介護に直面する方はどれほど不安だろうか。そう思うと、他人事にはしていられません。

太田市には多様な人材が地域を支えています。障がいがあっても、介護が必要になっても、誰もが自分らしく太田で暮らし続けられる。そんな町にしていきたいと、あの日以来ずっと思っています。

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著者

山本 しんいち

山本 しんいち

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肩書 行政と民間の翻訳者
党派・会派 無所属
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