2026/8/13
こんにちは、長砂しんやです。
8月11日(火)の山の日に投稿しようと思っていたのですが過ぎてしまいました。
山の日の気分で呼んでいただけると嬉しいです。
さて、「山の日」ということで、今日は森に関する本をいくつか紹介させていただきます。
以前、中学生向けに地元の山を紹介するためのプログラムを企画させていただいたことがあり、そのときに読んだ本です。
先にそのプログラムの背景を紹介します。
当時ブームになっていたSDGsの流れもあり、地元の自然環境を考えるためのプログラムを考えてほしいという依頼。
私はその自治体のとある山、ここでは「A山」と呼びます。A山をフィールドにしたプログラムを企画をしようとすぐに決めました。
というのも、以前にも別案件でこのA山のリサーチをしていました。
A山は、かつては登山で賑わっていたこともあり、登山雑誌や登山ガイドブックにも載っていたことがあるそうです。しかも、町の合併時にはA山の名前が新しい自治体の候補にも挙がっていたそうです。
しかし、個人所有の多いこの山では、管理する人が減り、組織化して管理に取り組んでいた森林組合も徐々に高齢化。登山客も次第に減り、登山雑誌からも消えてしまったそうです。
現在の小中学生からは「登山できる山」という認識はまったくない状態でした。
プログラムでは、登山ガイドのかたから安全な登山の方法をレクチャーしてもらい、実際に登山をしながら樹木の紹介などをしてもらいました。また、県の森林課のかたからも森の役割について話してもらい、県産材を使ったニュースポーツの体験もしました。
山(森)や川はそこにあって当たり前すぎて、わざわざ思いを馳せることがないものの代表格だと思います。
しかし、土砂崩れなどの自然災害や、私たちの暮らしを支える水や空気をつくる大切な、みんなの共有財です。
山について考えるときにおすすめの、というかこれ以外を読んだことはないのですが、勉強になった本たちです。

・「水を守りに、森へ」(山田健著、筑摩選書、2012年)
サントリーの「天然水の森」プロジェクトを立ち上げたサントリー社員によるドキュメンタリー。企業が森林保全という赤字事業を続ける熱意が伝わってきます。企業マンの話だけでなく、地下水の仕組みや森林整備などの専門的な内容も書かれています。
・「森林未来会議ー森を活かす仕組みをつくる」(熊崎・速水・石崎編著、築地書館、2019年)
事例論文集。オーストラリア、ドイツなど海外の森林保全事例や、自治体による森林政策など、テーマは多岐にわたっています。こうした森林に関わる専門職を「フォレスター」と呼ぶそうです。この本で初めて知りました。難しくて半分も読んでいませんが、キーワード索引があるので辞書的にも便利です。
・「あたらしい森林浴ー地域とつくる!健康・人材育成プログラム」(小野なぎさ著、学芸出版社、2019年)
ぼーっとしたり、歩いたり、ヨガをしたり走ってみたり、森の中での活動が「Shinrin-yoku」として世界で注目されているそうです。世界の各国の森林との向き合い方や、お金が回る仕組み(事例)についても書かれています。
・「木を植えましょう」(正木高志著、南方新社、2002年)
この本は今手元になくて(行方不明、誰かに貸したかな?)、曖昧な記憶で申し訳ないのですが、上記の3つよりも環境問題に関する話が多かったです。この本を1冊買うと、木が1本植えられるそうです。出版社の「南方新社」は鹿児島・奄美の自然・文化に関する本を出しています。
・「森の生活 上・下」(ソロー著)
いろんな出版社からでています。何年か前に、滋賀のアウトドアショップのオリジナルTシャツを買いました。そこに書かれていたのが「森の生活」です。数年経ってつい先日、それが名著のタイトルであることを、大山崎町の本屋プオルッカミルさんで教えてもらいました。生きているうちに一度は読んでおきたい古典的名著だそうです。買ったけどまだ読めていません。
以上、書籍の紹介でした。
大山崎の森、つまり天王山はどんな状況でしょう。
私が大山崎町に引っ越してきたときに、町内のかたに「天王山が近くて登山しやすくていいですね」と言ったら、「登山なんてものじゃない、散歩、散歩」と言われた衝撃を今でも覚えています。
それだけ生活に身近な、馴染みのある存在なのでしょう。
しかし、大山崎町のアンケートによると「『天王山が自慢』と答える小中学生の割合」は、
2014年度55.4%、2019年度50.6%、2024年度31.4%と減少を続けています。
数年前に大山崎町と島本町が共催する「森林ボランティア養成講座」にも参加させてもらいました。私が受講したとき、生徒は20名くらいいましたが、町内からの参加者は私一人でした。その際に、町内の森林ボランティア団体を紹介していただいたのですが、平均年齢が70ー80代と担い手不足が深刻でした。その後、若い団体に事業を継続できた団体もあれば、解散してしまった団体もあると聞いています。
最初に紹介した自治体のA山のように地元の人の心が離れていってしまうと、いずれ登山客さえも減ってしまうかもしれません。
また、大山崎町の観光客(登山客含む)が町内で消費した金額は250円前後と聞いたことがあります。ほとんどの登山客は登って終わりです。持続可能な天王山を維持するためにも、保全団体などに資金が回る仕組みが必要です。天王山の未来にとっては今が天下分け目のタイミングかもしれません。
長砂しんやは、山だけでなく、川の保全・活用についてもしっかりと取り組んでいきたいと思います。
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