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おおさわ あつし ブログ

行政のスピードが、ビジネスのスピードを決める

2026/4/25

経営者として、正直に言います。

日本の行政手続き——遅すぎる。

会社の登記変更、各種届出、許認可申請——これらの手続きに費やす時間と手間が、本来ビジネスに使うべきエネルギーを奪っています。

「なんでこんなに時間がかかるんだ」「なんでこんなに書類が多いんだ」——経営者なら誰もが感じたことがあるはずです。

今日は、この「お役所仕事の遅さ」が、日本経済全体にどれだけの悪影響を与えているかを、正直に分析します。

 

経営者として感じるリアルな「遅さ」

具体的に——どれだけ遅いのか。

会社設立
日本で会社を設立するのにかかる日数——平均約11日。手続きの数——約8つ。費用——約20万円。

エストニアでは——18分で会社設立できます。

オンラインで手続きが完結。書類を持って窓口に行く必要がない。ハンコも不要——。

18分と11日——この差が、スタートアップのスピードの差になります。

各種届出・許認可

新しいビジネスを始めるとき——様々な許認可が必要です。

飲食店なら食品衛生法の許可。人材ビジネスなら職業紹介事業許可——これらの申請から許可が下りるまで、数週間〜数ヶ月かかることが珍しくありません。

その間——ビジネスはスタートできない。市場のチャンスを逃す。競合他社に先を越される——。

「行政の遅さ」が、ビジネスの機会損失を生んでいます。

 

なぜ日本の行政手続きは遅いのか

本当の原因を分析します。

原因① ハンコ・紙文化の根強さ

令和の今でも——多くの行政手続きに、ハンコと紙の書類が必要です。

デジタル化が進んでいるように見えても——「オンラインで申請→印刷して持参」という半端なデジタル化が多い。

「完全オンライン化」ではなく「部分的なデジタル化」——これでは根本的な効率化は生まれません。

なぜハンコ・紙文化が続くのか。

ハンコ業界、印刷業界——既存の利益構造を守るための抵抗が、デジタル化を阻んでいます。そして——変化を嫌うお役所文化が、改革のスピードを落としています。

原因② 縦割り行政

日本の行政は——縦割りです。

A省とB省が連携できない。市役所と県庁が別々のシステムを使っている。国と地方で書類の様式が違う——。

一つのビジネスを始めるために——複数の窓口を回らなければならない。同じ情報を、複数の書類に何度も書かなければならない——。

エストニアでは——政府のデータは一元管理されています。一度登録した情報は、全ての行政手続きで共有される。同じ情報を何度も書く必要がない——。

縦割り行政が——行政手続きの複雑さと遅さを生んでいます。

原因③ 「前例主義」と「リスク回避」

日本の行政文化——「前例がないことはやらない」「失敗したら責任を問われる」——このリスク回避文化が、改革のスピードを落としています。

新しいビジネスモデルに対応した許認可制度を作るのに——何年もかかる。規制のグレーゾーンにある新事業は——「前例がない」という理由で許可が下りない。

ウーバー、Airbnb——これらのビジネスが日本でなかなか普及しなかった理由の一つは、行政の「前例主義」です。

「前例がない」という理由でイノベーションを阻む行政が——日本のビジネスの競争力を下げています。

原因④ デジタル人材の不足

日本の行政には——デジタルを使いこなせる人材が少ない。

民間企業でデジタルの経験を積んだ人材が、行政に入らない。行政の給与水準では、優秀なデジタル人材を採用できない——。

デジタル庁が設立されましたが——根本的な人材不足は解消されていません。

 

行政の遅さが、ビジネスの遅さになる

行政手続きの遅さは——ビジネスに直接影響します。

スタートアップへの影響

新しいビジネスを立ち上げるとき——スピードが命です。

市場のチャンスは——短い。競合他社より早く動いた方が、市場を取れる。でも行政手続きに何週間もかかれば——その間にチャンスが消えることがあります。

アメリカのシリコンバレーでスタートアップが次々と生まれる理由の一つは——行政手続きのスピードが速いことです。

外資誘致への影響

海外企業が日本に進出しようとするとき——行政手続きの複雑さと遅さが、障壁になっています。

「日本はビジネスがしにくい」——この評判が、外資誘致を阻んでいます。

世界銀行の「ビジネス環境ランキング(Doing Business)」——日本は先進国の中で決して高くない順位でした。行政手続きの複雑さが、その大きな要因の一つです。

中小企業への影響

大企業は——専門の法務・総務部門を持っています。行政手続きを専門家に任せられる。

でも中小企業・個人事業主は——経営者自身が行政手続きをこなさなければならないことが多い。

本来ビジネスに使うべき時間が——行政手続きに奪われる。これは中小企業にとって、大企業より大きな「コスト」です。

 

エストニアから学ぶ

以前の記事でも書きましたが——エストニアは世界最先端の電子政府を実現しています。

会社設立:18分
確定申告:平均3分
投票:スマートフォンから
行政手続きの99%:オンラインで完結

なぜエストニアにできて、日本にできないのか。

答えは一つ——「やると決めた」からです。

エストニアは1991年に独立したとき——過去のしがらみがなかった。ゼロから行政システムを作れた。「最先端のシステムを作ろう」と決断した——。

日本には——過去のしがらみがある。既存の業界との利害関係がある。変化を嫌う文化がある——。

でも——「やると決める」ことは、今からでもできます。

 

地方行政から変えられること

国の行政を変えることは——一人の力では難しい。

でも——地方行政から変えることは、できます。

加須市で言えば——市役所の窓口手続きのオンライン化。各種申請のペーパーレス化。許認可手続きのスピードアップ——これらは、議会で提案して実現できることです。

「加須市に進出したい企業が、手続きの速さで選ぶ」——そんな街を作ることが、地方議会の役割の一つだと思っています。

地方から変える。加須市から変える。その積み重ねが、日本全体を変えていきます。

 

おわりに

行政のスピードが、ビジネスのスピードを決める——。

登記・届出・許認可——日本の行政手続きの遅さは、経営者として本当にストレスです。

ハンコ文化、縦割り行政、前例主義、デジタル人材不足——これらが複合的に重なって、日本のビジネス環境の競争力を下げています。

エストニアは18分で会社を設立できる。日本は11日かかる——この差が、スタートアップの差になり、イノベーションの差になり、経済成長の差になっています。

「行政が変われば、ビジネスが変わる。ビジネスが変われば、街が変わる。街が変われば、日本が変わる」——この連鎖を、地方から起こしていきたいと思っています。

 

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著者

おおさわ あつし

おおさわ あつし

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肩書 一般社団法人日本外国人材振興機構 代表理事/JFRアカデミー(ネパール)校長
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