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【中東紛争、カタールの動きに注目】梶原みずほです。

2026/3/5

【中東紛争、カタールの動きに注目】

梶原みずほです。

混迷を深める中東情勢。その行方を読み解くうえで、私が注目しているのがカタールの動きです。かつては「世界一退屈」と揶揄されることもあった湾岸の小国ですが、近年は様相が一変しています。アメリカとタリバンのドーハ合意、イスラエルとハマスの停戦交渉、アメリカとイランの捕虜交換、ロシアとウクライナの子どもの返還問題、さらにスーダン紛争の調停――。こうした難しい交渉の舞台でたびたび登場するのがカタールです。いまや、高度な戦略外交を繰り広げる「スーパーフィクサー」として国際社会で認知されるようになりました。

私は首都ドーハで暮らしたり、仕事で出張したり、昨年はプライベートで訪れたりと、この国の発展を折に触れて見てきました。

カタールは中東における米軍最大のアル・ウデイド空軍基地を擁し、アメリカの軍事プレゼンスを支えています。AIへの投資や半導体など先端技術の研究開発を進めて「脱石油」を急いでおり、巨額の対米投資も約束しています。

「親米国家」にみえますが、王政の安定的な維持が国家戦略の根幹にあり、アメリカの掲げる価値観とは必ずしも一致しません。また、今回イランによる攻撃対象となっている湾岸諸国は決して一枚岩とはいえません。

カタールの巧みなバランスかつ多極的な外交手腕というのは、サウジアラビアやイランといった地域大国に挟まれた小国としての安全保障上のサバイバル戦略であると同時に、地域の安定と秩序を前提とした経済的合理性を追求してきた結果なのです。

アメリカとイスラエルがイランの核施設を空爆した昨年の「12日間戦争」では、カタールもミサイルによる反撃を受けました。それでもイランの面目を保つ形で報復には踏み切らず、軍事衝突のエスカレーションを回避しました。

しかし、今回の紛争は規模が違います。抑制的に反応し、仲介役としての立ち位置をぎりぎり維持するのか、それとも紛争の当事国となっていくのか、大きな岐路に立たされているカタールの動きは、今後の中東情勢を見通すうえでカギとなりそうです。

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著者

梶原 みずほ

梶原 みずほ

選挙 第51回衆議院議員選挙 2026年 (2026/02/08)
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肩書 国際政治学者 / 元朝日新聞記者
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