2026/6/15
こんにちは。
福井市議会議員選挙に挑戦予定の大谷隆将です。
近年、職場におけるハラスメント問題への関心は急速に高まっています。
その中で、令和7年、労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)等の一部改正が行われました。
今回は、この法改正のポイントを整理するとともに、現場を知る立場から「なぜハラスメントはなくならないのか」について考えます。
■ 法改正のポイント(令和7年改正)
今回の改正は、「ハラスメント対策の実効性強化」が大きな柱です。
主なポイントは以下の通りです。
① 企業の責務の強化
企業にはこれまで以上に、
・相談体制の整備
・迅速かつ適切な対応
・被害者の保護
が求められるようになりました。
「相談窓口を設けているだけ」では不十分で、実際に機能しているかが問われる時代になっています。
② カスタマーハラスメント(カスハラ)対策の明確化
従業員だけでなく、顧客からの過度な要求や暴言などへの対応についても、企業として取り組む必要性が明確化されました。
これは現場感覚として非常に大きな変化です。
③ 行政の関与強化
悪質な事案に対しては、
・助言
・指導
・勧告
など、行政がより積極的に関与できる仕組みが強化されました。
④ 防止措置の実効性向上
研修や周知だけでなく、再発防止・組織改善まで踏み込むことが求められています。
■ それでもハラスメントはなくならない理由
法制度は確実に進化しています。
しかし、現場の実感として申し上げると、ハラスメントは簡単にはなくなりません。
なぜか。
それは「自分は加害者ではない」と全員が思っているからです。
■ ハラスメントの本質は「関係性の歪み」
厚生労働省はパワハラの要件として、
・優越的な関係を背景にした言動
・業務上必要かつ相当な範囲を超えている
・労働環境を害する
という3点を示しています。
この中で最も重要なのは「優越的な関係」です。
つまり、
・上司と部下
・先輩と後輩
・ベテランと新人
といった構造の中で起きる問題です。
■ 問題は「無自覚な優位性」
ここが最も難しい点です。
多くの人は、
・指導しているつもり
・良かれと思って言っている
・組織のために言っている
という認識です。
しかし受け手にとっては、
・怖い
・否定された
・逃げ場がない
と感じる。
このズレがハラスメントを生みます。
■ 解決の出発点は「自分は優位に立っているかもしれない」という自覚
私は消防という組織の中で、上司・部下という明確な関係性の中で仕事をしてきました。
その経験から強く感じているのは「人は簡単に優位に立つ」ということです。
役職がなくても、
・年齢
・経験
・知識
・立場
これらによって、関係性の上下は必ず生まれます。
だからこそ必要なのは「自分は相手より優位に立っているかもしれない」という前提に立つことです。
■ 制度では守りきれない領域
どれだけ法律を整備しても、
・言い方ひとつ
・表情ひとつ
・空気感
までは規制できません。
つまり、最後は“人の意識”の問題になるのです。
■ 結論
ハラスメントをなくすために必要なのは、制度の強化だけではありません。
一人ひとりが、
・自分の言動を振り返る
・相手の立場で考える
・「これくらい大丈夫」を疑う
この積み重ねです。
そして何より「自分は加害者になり得る」という前提に立つこと。
これが出発点だと考えています。
■ おわりに
ハラスメント問題は、単なる労働問題ではなく、社会全体の課題です。
制度で守れる命もある。
しかし、制度だけでは守れない尊厳もある。
私はこれまで、現場で命を守る仕事をしてきました。
これからは、人が安心して働き、暮らせる社会を、仕組みと意識の両面からつくる。
その一端を担っていきたいと考えています。
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