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沖縄視察を終えて|防災、子育て、観光、そして地域の自立を考える

2026/7/9

先日、沖縄県内の複数自治体・施設を視察する機会をいただきました。

今回の視察では、うるま市の子ども・発達支援、豊見城市の瀬長島ウミカジテラス、うるマルシェ、宮古島市のシェルター整備や「エコアイランド宮古島」、地下ダム資料館など、非常に幅広い分野について学ばせていただきました。

沖縄は、観光地としての華やかさがある一方で、離島県としての防災、エネルギー、水資源、安全保障、基地問題、人手不足といった複合的な課題を抱えています。

今回の視察を通じて強く感じたのは、地域政策は一つひとつを切り離して考えるのではなく、「地域で暮らす人の命と生活をどう守るか」という視点から一体的に考える必要があるということです。

うるま市で学んだ、子どもと家庭を支える体制

うるま市では、「うるまこどもステーション」を視察しました。

旧復帰記念会館跡地に整備された児童福祉関連複合施設で、医療棟には小児科、産婦人科、歯科、脳神経外科などが入り、福祉棟には「こども発達支援センターあすいろ」「きゃん児童館」「親子通園ぽかぽか」などが設置されています。

特に印象的だったのは、発達に不安のある子どもや保護者への相談支援、保育所等への訪問支援、事業所への研修、関係機関との連携など、子ども本人だけでなく、家庭・保育所・学校・地域の事業所まで含めて支える仕組みです。

先日視察した熊谷市の「くまキッズ」は、相談を一元的に受け止め、必要な支援につなぐ“入口”としての役割が印象的でした。

一方、うるま市では、児童発達支援センターを中核に、専門的支援や人材育成も含めて、地域全体の支援力を高めている点が特徴的でした。

本庄市においても、相談しやすい入口づくりと、必要な支援へ確実につなぐ体制づくりが重要だと感じました。

うるマルシェで感じた、地域産品を届ける仕組み

うるま市視察の際には、農水産物直売所「うるマルシェ」にも立ち寄りました。

店内には、地元の農産物・水産物・加工品が並び、地域の“食”の魅力を発信する拠点として、多くの方で賑わっていました。

また、7月1日からは、うるま市の助成により、うるま市産の農水産物にかかる発送料金を無料にする取り組みも行われていました。

地域産品は、作るだけではなく、どう届け、どう選ばれるかが重要です。

本庄市にも、米、野菜、果物、畜産物など、魅力ある農産物が多くあります。生産者を支え、地域の食の魅力を市内外へ届けていく仕組みづくりについて、改めて考える機会となりました。

瀬長島ウミカジテラスに見る、地域資源の磨き方

豊見城市では、「瀬長島ウミカジテラス」を視察しました。

瀬長島は那覇空港に近く、美しい海を望める立地を活かし、現在では多くの方が訪れる観光拠点となっています。

一方で、かつてはゴミの不法投棄や捨て犬・捨て猫の問題があり、清掃などの管理費用も大きな負担となっていたそうです。

そこから、ホテルや温泉、商業施設の整備を通じて、沖縄を代表する観光地の一つへと変わってきたとのことです。

特に印象的だったのは、単に店舗を集めるのではなく、海辺の景観、沖縄らしい食や文化、地元事業者の挑戦、SNSで発信したくなる空間づくりが一体となっている点です。

本庄市は海のあるまちではありませんが、歴史、農産物、食、自然、まちなかの空間など、活かせる地域資源があります。

大切なのは、それらを点で終わらせず、どう結びつけ、どう魅力として発信し、人の流れにつなげていくか。

地域資源を磨き、地元の方にも市外の方にも選ばれるまちづくりについて、学ぶべき点が多くありました。

宮古島市で考えた、シェルターと防災拠点のあり方

宮古島市役所では、シェルター整備と「エコアイランド宮古島」の取り組みについて説明を受け、あわせて地下ダム資料館も視察しました。

宮古島を含む先島諸島は、台風などの自然災害に加え、南西諸島を取り巻く安全保障上のリスクにも向き合う地域です。

宮古島市では、新総合体育館の建設にあわせ、地下部分に特定臨時避難施設、いわゆるシェルター機能を持たせる計画が進められています。

住民の命を守る備えとして、シェルター整備は重要です。

一方で、シェルターは「造れば安心」というものではありません。費用、維持管理、平時の活用に加え、非常時の電源、水、トイレ、換気、備蓄、要配慮者対応など、実際に機能する運用体制が問われます。

これは、本庄市が児玉郡と連携して進めている防災庁誘致にも通じる視点です。

国の機能分散や防災拠点の整備は重要です。しかし、誘致そのものが目的化してはなりません。

本庄市・児玉郡が広域防災の拠点を目指すのであれば、交通の要衝という強みを活かしつつ、地域全体の防災力、受援体制、物資・情報の拠点機能、災害時に本当に動ける仕組みをどう整えるかが問われます。

地下ダムと水質環境|水を守ることは暮らしを守ること

地下ダム資料館では、宮古島の水資源について学びました。

宮古島には大きな河川がなく、生活用水の多くを地下水に頼っています。地下ダムは、その地下水を貯め、農業用水などを安定的に確保する重要な仕組みです。

一方で、地下水に依存する地域だからこそ、水質環境を守ることも欠かせません。農業や生活排水、土地利用のあり方が地下水に影響する可能性があり、水量の確保と水質の保全は一体で考える必要があります。

宮古島市では「エコアイランド宮古島」として、地下水の保全、ごみの削減、資源循環、再生可能エネルギーの活用などにも取り組んでいます。

関連資料でも、太陽光・風力発電、バイオエタノール、メタン発酵、エコハウス、地下ダムなど、島の特性を活かした多様な取り組みが紹介されています。

ただし、私は「脱炭素」や再生可能エネルギーを無条件に進めればよいとは考えていません。

安易なメガソーラー開発は、景観、農地、森林、水源、防災面に大きな影響を与える可能性があります。

大切なのは、理念先行ではなく、地域の自然環境、暮らし、農業、観光、防災、安全保障まで含めて、現実的に地域に役立つ政策を考えることです。

街を歩いて感じた、沖縄の活気と人手の変化

視察先以外でも、街の様子から多くのことを感じました。

まず、空港周辺施設や観光関連施設で働いている方の中に、外国人の方が多いと感じました。

これは体感にすぎませんが、データを見ても、沖縄県内の外国人労働者は増加しています。沖縄労働局によると、令和7年10月末時点の外国人労働者数は20,354人で、前年から18.1%増加し、外国人を雇用する事業所数も3,697か所と過去最多となっています。

また、過去の沖縄県の外国人雇用実態調査では、「現在、外国人材を雇用している」と回答した割合が航空業で50.0%、宿泊業で39.1%と示されています。ただし、航空業はサンプル数が少ないため、空港周辺全体の実態として断定するには慎重であるべきです。

同時に、働いている方の中には沖縄県外から来られたように感じる方も多くいました。こちらも、現場での印象であり、観光施設ごとの県外出身者比率を示す統計は確認できませんでした。

ただ、沖縄県は観光需要が非常に大きく、人材を県内外から集める地域であることは間違いありません。令和7年度の沖縄県入域観光客数は1,093万5,300人で、過去最多となっています。観光客数の増加は、街の賑わいを生み出す一方で、人手不足、人材確保、住宅、交通、生活コストといった課題にもつながります。

街を歩いていて感じた沖縄の活気は、観光地としての魅力だけでなく、景観、気候、食、文化、そして多様な人が行き交う空気感によって生まれているように思いました。

米軍基地の存在|メリットとデメリットの両面

沖縄を訪れると、米軍基地の存在も避けて通れません。

沖縄県には、全国の在日米軍専用施設・区域の約70.3%が集中しており、国土面積の約0.6%しかない沖縄県に大きな基地負担があることは、重く受け止める必要があります。

一方で、基地関連収入や雇用、米軍関係者による消費など、地域経済に一定の影響があることも事実です。

ただし、沖縄県によれば、県民総所得に占める米軍基地関連収入の割合、いわゆる基地依存度は、復帰直後の昭和47年の15.5%から令和元年度には5.5%まで低下しています。沖縄経済は、基地だけに依存しているわけではなく、観光、物流、情報通信、商業など、さまざまな産業によって支えられていることも見えてきます。

基地には、安全保障上の抑止力や雇用・経済面での側面がある一方で、騒音、事故、土地利用の制約、事件・事故への不安など、県民生活への負担もあります。

沖縄の現実は、単純な賛成・反対で語り切れるものではありません。

国全体の安全保障を支える地域に、どれほどの負担が集中しているのか。その負担に対して、国や本土側の自治体はどこまで自覚を持っているのか。今回の視察では、そのことも改めて考えさせられました。

本庄市にどう活かすか

今回の沖縄視察を通じて、私が最も強く感じたのは、「地域の特色を活かすこと」と「地域の脆弱性に正面から向き合うこと」は、表裏一体だということです。

沖縄は、美しい海や自然、独自の文化、観光資源に恵まれています。

しかし同時に、台風、離島ゆえの物流・エネルギー課題、水資源、安全保障、基地負担、人手不足といった現実にも向き合っています。

本庄市もまた、交通の要衝、農業、歴史、自然、首都圏との距離感など、独自の強みがあります。

一方で、災害への備え、人口減少、農業の担い手不足、地域経済、子育て支援、広域防災拠点としての役割など、向き合うべき課題もあります。

防災庁誘致も、地域資源の活用も、子育て支援も、観光・農業振興も、看板や理念だけでは意味がありません。

大切なのは、現実に機能する仕組みをつくることです。

今回の視察で得た学びを、本庄市・児玉郡における防災力の向上、子育て支援、地域資源の活用、そして持続可能なまちづくりに向けた具体的な提案につなげてまいります。

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著者

出牛 じゅんいち

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肩書 本庄つむぎの会 代表 IT関連企業 勤務
党派・会派 無所属
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