2026/4/23
結論から言えば必要ないと思います。
私は川崎市長選挙の際も、男女共同参画予算はほぼ自己目的化してしまっているから廃止すべきと言ってきました。実態を見ずにそう言い続けるのもの無責任だと思い、去る3月16日に開催された男女共同参画かわさきフォーラムに参加してみたのです。
定員は200名で参加希望者が多ければ抽選ということですが、無論抽選はありませんでした。参加希望者は多くなかったのでしょう。
それどころか、会場には労組の受付があり、IDをぶら下げた人が多数参加していたので、職員を動員して何とか席を埋めているのが見て取れました。

その費用はこちらの通り。講師の謝礼は10万円で、これは川崎市の基準ではフルプライスです。研修の講師なら10万円、著名人を呼んでの講演会なら20万円というのが上限になっています。さらに、200名の講演会のために作成するチラシが2000枚(9万円)、また川崎市の他の講演イベントでもよくある壇上の花(必要でしょうか?)が3万円で用意されています。

しかし、かかっている費用はそれだけではありません。各部署に参加要請がされており、扱いは「出張」で旅費も各部署の負担です。仮に半分が市職員で拘束時間が1時間半、川崎市職員の平均的な1時間あたりの人件費が約5000円(給与だけではなく福利厚生も含めた総額)とすると、さらに75万円がかかっていることになります。
このイベントにそれだけの金額に見合う価値があるのか?
私は、ないと思います。講演内容は職場での男女共同参画ということなのですが、想定するモデルが狭すぎます。ほぼ「大都市、大企業、ホワイトカラー」を想定しています。講師の治部れんげさんも、そのような経歴で、結局は自分の身の回りの非常に狭い世界だけを見て話されているのかなと思いました。
質問タイムがあったので、「大都市、大企業、ホワイトカラー」以外の場合はどうなのかと聞いてみましたが、内閣府の資料にはそういったことも書いてあるので見て欲しいという回答でした。
考えてみれば「大都市、大企業、ホワイトカラー」というのは、ある意味一番簡単なモデルです。最も「男女の比率が同じ」を実現できそうな気がするからです。しかし、現実には川崎でも工場労働者は多いですし、建設業者、中小企業の経営者、自営業者も世の中の多くを占めています。市の職員にしても、オフィスでデスクワークをしている職種ばかりではありません。
例えば、建設現場や運送業で女性が多くなるか男女比が同じになるというのはあまり想像できません。体力差や体格差が仕事の成果に直結するからです。逆に薬剤師は女性が多いことが知られています。体力を必要としないからです。
それでは、政府の男女共同参画政策も、さまざまな職種や業種を想定すればいいのでは、ということになりますが、よく考えたらそれはまさに社会主義・共産主義です。労働市場だけでも経済は十分に複雑で、その分野で「計画経済」を回そうとしても上手くいくわけがありません。
男女共同参画を持ち出さなくても、公平公正を実現したいなら「その職種に必要とされないことを求めない」で済むことだと思います。
そもそも、何のために男女共同参画を推進するのでしょうか? 公平公正のためというのであれば、昭和の頃とは違って、機会平等はほぼ達成されています。
男女共同参画は、かつては「女性参画」と言われることがありました。女性を家庭から社会に出すことで、社会全体の生産性を向上させようという目論見です。しかし、いまでもその目論見があり、なおかつその目論見が正しいのであれば、これ以上政府が介入しなくても、民間で起業してそのような会社を作ればよいと思うのですが。
それによって生産性の高い企業ができるのであれば、税金を投入する必要はないはずです。

ちなみに、会場ではこんなことが書かれた紙が配られていました。録音撮影禁止は仕方ないとしても、内容のSNSやホームページの掲載はどこまで遠慮するべきなのでしょうか。税金で行われるイベントである以上は、本稿のような論評は許されて然るべきと思うのですが。
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ミヤベ タツヒコ/47歳/男
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