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徳宮 勇気 ブログ

川越市議会の政務活動費、何に使われているのか 「公開されている」だけでなく、市民が検証できる形へ

2026/6/20

川越市議会には、「政務活動費」という制度があります。

政務活動費とは、市議会議員や会派が、市政に関する調査研究や研修、資料作成、広報広聴などを行うために交付される公費です。

議員の給料ではありません。
市民の税金から支出される、議員活動のための公的なお金です。

市議会議員が行政をチェックし、政策を調べ、市民に情報を届けるためには、一定の経費が必要です。
研修に参加することも、資料を購入することも、議会報告を作ることも、きちんと市民のために使われるのであれば意味があります。

ただし、公費である以上、何に使われ、どのような成果につながったのかは、市民にわかりやすく説明される必要があります。

川越市議会の政務活動費は月7万円

川越市議会の政務活動費は、基本的に月額7万円に会派所属議員数をかけた金額で交付されています。

令和6年度の収支報告書を見ると、たとえば会派ごとに次のような収入・支出が記載されています。

※今回は規模が大きい会派を3つピックアップしています。

 

余ったお金は残額として整理、市に返還されます。
一方、支出が収入を上回る場合は、会派側の負担になるものと理解できます。

この制度自体は、市議会議員が市政を調査し、市民に報告するために必要な仕組みです。

しかし、実際の使い道を見ていくと、ある特徴が見えてきます。

支出の中で大きい「広報広聴費」

令和6年度の収支報告書で特に目立つのが、「広報広聴費」です。

広報広聴費とは、議会報告や市政報告を作成・印刷・配布したり、市民の声を聴いたりするための費用です。

たとえば、令和6年度の主な会派の支出内訳を見ると、次のようになっています。

こうして見ると、支出のかなり大きな部分が広報広聴費に使われていることがわかります。

私は、広報広聴費が多いこと自体を、直ちに悪いとは思いません。

むしろ、市議会で何が話し合われているのか、議員がどのような活動をしているのかを市民に知らせることは、とても重要です。

市民が議会のことを知らなければ、政治参加も、市政への監督もできません。

その意味で、議会報告や市政報告を作り、市民に届けることは、政務活動費の大切な使い道の一つです。

大事なのは「配ったか」ではなく「届いたか」

ただし、ここで考えたいことがあります。

議会報告を作った。
印刷した。
ポスティングした。

それだけで、本当に市民に届いているのでしょうか。

ポストに入っていても、読まれなければ意味がありません。
難しい言葉ばかりで、市民に伝わらなければ意味がありません。
高齢者には紙で届いても、若い世代や子育て世代には届いていないかもしれません。

私は、広報広聴費を見るときに、「配布したかどうか」だけでなく、「市民に届いたかどうか」が問われるべきだと思います。

さらに言えば、その広報が単なる活動報告や宣伝にとどまっていないかも大事です。

市政の論点を説明しているのか。
税金の使い道をわかりやすく伝えているのか。
議会での質問や行政へのチェック内容が見えるのか。
市民からの意見を受け取り、それを政策提案につなげているのか。

ここまで見て初めて、広報広聴費が市民のために活きていると言えるのではないでしょうか。

広報広聴費の中身が粗すぎる

もう一つ、私が強く問題意識を持っているのは、広報広聴費の中身が見えにくいことです。

収支報告書を見ると、広報広聴費の備考欄には、たとえば次のような記載があります。

「議会報告作成、配布費他」
「市政報告印刷代、ポスティング代」
「議会報告作成、配布費用他」

もちろん、何に使ったのかの大まかな方向性はわかります。

しかし、数百万円単位の支出であるにもかかわらず、公開されている資料上はかなり大きな括りのままです。

これでは、市民が細かく確認するには不十分です。

たとえば、広報広聴費の中でも、本来は次のように分けて見える化した方がよいと思います。

印刷費。
デザイン費。
編集費。
ポスティング費。
新聞折込費。
郵送費。
会場費。
アンケート費。
意見交換会の開催費。
ホームページやSNSなどデジタル発信の費用。

これらがまとめて「広報広聴費」とされているだけでは、どこにどれだけお金がかかったのかがわかりません。

「広報に使いました」と言われても、それが印刷代なのか、配布代なのか、デザイン代なのか、郵送代なのか、市民には見えにくいのです。

私が市役所で見た、紙のファイルの現実

私自身、一度、この政務活動費の内訳を確認するために市役所へ行ったことがあります。

そこで目にしたのは、膨大な紙の領収書や資料がファイルで管理されている状態でした。

もちろん、領収書を保管し、必要に応じて閲覧できるようにしていること自体は重要です。
紙で管理されているから直ちに悪い、という話ではありません。

しかし、市民が実際に内容を確認しようとすると、かなり大きな負担があります。

市役所まで行かなければならない。
大量の紙をめくらなければならない。
会派ごと、費目ごと、領収書ごとに確認しなければならない。
数字を比較するには、自分で集計し直さなければならない。
年度ごとの推移や会派ごとの違いを見るのも難しい。

制度上は「公開されている」と言えるかもしれません。

しかし、市民が実際に検証しやすい状態かと言えば、そうではないと感じました。

これは、実質的にブラックボックスに近い状態ではないでしょうか。

公開されていることと、検証できることは違う

ここは非常に大事な点です。

政務活動費は、ただ「公開しています」と言えば十分なのでしょうか。

私は違うと思います。

大切なのは、市民が実際に見て、比較し、検証できる形で公開されているかどうかです。

紙のファイルを市役所で閲覧できるだけでは、関心のある一部の人しか確認できません。
仕事や子育てで忙しい市民は、なかなか市役所まで行けません。
若い世代にとっては、紙のファイルをめくるより、データで見られる方が圧倒的に自然です。

今の時代であれば、政務活動費の公開はもっとデータ化できるはずです。

たとえば、会派ごとに次の情報を一覧化する。

支出日。
支出先。
費目。
細分類。
金額。
用途。
成果物の有無。
印刷物の発行部数。
配布方法。
配布地域。
1部あたりの単価。
報告書やチラシのPDFリンク。

個人情報や取引上の機微に関わる部分は、必要に応じてマスキングすればよいと思います。

しかし、公費の使い道として、金額、目的、支出先の概要、成果物は、できるだけ誰でも確認できる形にすべきです。

データ化すれば、市民も議員もチェックしやすくなる

政務活動費のデータ化には、大きな意味があります。

市民は、どの会派が何に力を入れているのかを比較できます。
広報に力を入れているのか。
調査研究に力を入れているのか。
研修に参加しているのか。
資料購入が多いのか。

年度ごとの変化も見えます。
広報広聴費が増えているのか、減っているのか。
調査研究費がどの程度使われているのか。
使った後に、どのような政策提案につながったのか。

また、議員自身にとっても、政務活動費の使い方を説明しやすくなります。

「これだけ使いました」ではなく、
「この調査を行い、この議会質問につなげました」
「この広報紙を何部発行し、この地域に配布しました」
「市民からこういう声を受け取り、次の政策提案につなげました」

ここまで示せれば、政務活動費への市民の納得感は高まるはずです。

広報する中身も問われる

一方で、広報広聴費が大きい場合、もう一つ確認すべきことがあります。

それは、広報する中身です。

広報は大切です。
しかし、広報する中身がなければ意味がありません。

市議会議員には、市民に情報を届ける役割だけでなく、行政をチェックし、現場を見て、政策を深める役割があります。

調査研究を行う。
研修で学ぶ。
他自治体の事例を見る。
市民の声を聞く。
行政資料を読み込む。
それを議会質問や政策提案につなげる。
そして、その成果を市民にわかりやすく伝える。

この流れがあってこそ、政務活動費は市民のために活きるのだと思います。

広報広聴費が多いこと自体は否定しません。

ただし、それが単なる印刷物の作成やポスティングに偏っていないか。
本当に市民との対話になっているのか。
調査研究や政策提案とつながっているのか。

ここは、市民目線でチェックすべきポイントです。

私が求めたい改善

私は、川越市議会の政務活動費について、少なくとも次の改善が必要だと思います。

まず、広報広聴費の細分類です。

「議会報告作成、配布費用他」という大きな括りではなく、印刷費、配布費、郵送費、新聞折込費、デザイン費、会場費、デジタル発信費などに分けて示すべきです。

次に、領収書や支出一覧のデータ化です。

紙のファイルを市役所で閲覧する方式に加えて、PDFやCSVなど、誰でもオンラインで確認・比較できる形にするべきです。

さらに、成果物の公開です。

政務活動費で作成した議会報告、市政報告、アンケート、視察報告などは、可能な限りオンラインで見られるようにしてほしいです。

最後に、成果とのひも付けです。

調査研究や研修に使った費用が、どの議会質問、どの政策提案、どの市民向け発信につながったのかを示せるようにすれば、政務活動費の意味がより明確になります。

政務活動費は、政治を市民に開くために使われるべき

政務活動費は、議員のためのお金ではありません。

市民のために、市政を調査し、政策を深め、市民に情報を届けるためのお金です。

だからこそ、使い道はできる限り見える化されるべきです。

「公開されているか」ではなく、
「市民が実際に検証できるか」。

ここが問われるべきだと思います。

私は、政務活動費を単なる経費処理の話で終わらせたくありません。

これは、市議会がどれだけ市民に開かれているかを示すテーマです。
議員の活動がどれだけ見えるか。
市民がどれだけ政治を監督しやすいか。
税金の使い道がどれだけ説明されているか。

政治を市民に開くというのは、こういうところから始まるのではないでしょうか。

川越市議会の政務活動費についても、紙のファイルで保管しているだけではなく、データ化し、誰でも見られ、誰でも比較できる形へ。

市民の税金だからこそ、市民がわかる形で説明されるべきです。

私は、こうした透明性の向上こそ、川越市議会への信頼を高める第一歩だと考えます。

最後に、私が過去に政務活動費について調査し気になったことを動画で報告していますので、よければご覧ください。

🔻再生リスト

https://youtube.com/playlist?list=PLIfq6FWQZpfoCVKWg1Nb5Fj_nUPN_mtkp&si=uqrZJO_Rcdi-GbVD

 

 

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著者

徳宮 勇気

徳宮 勇気

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