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令和8年度横浜市予算を読み解く〜暮らしを守る予算、その先に必要な視点とは

2026/4/7

先月末に横浜市の令和8年度予算が可決されました。
一般会計は2兆993億円で、3年連続のプラス予算、過去最大規模となっています。

一見すると「横浜市の財政は順調なのでは」と感じるかもしれません。
しかし、実際に中身を見ていくと、市民生活を支えるための支出が年々重くなっている一方で、将来に向けた財政の不安もはっきり見えていることがわかります。

今回は、市民の皆さまの暮らしに関わる視点から、今回の予算のポイントを整理します。


まず、令和8年度予算の特徴は?

横浜市が今回の予算で掲げている柱は、大きく次の5つです。

  • 物価高騰対策
  • 安心・安全な暮らし
  • こどもと向き合うゆとりの創出
  • 魅力あふれる心地よいまち
  • 未来と世界を見据えた都市づくり

特に市民生活に直結するものとしては、

  • 19歳以上への5,000円相当の電子クーポンまたは商品券給付
  • 小学校給食費の実質無償化
  • 中学校給食費の据え置き
  • 小児医療費助成の18歳まで拡大
  • 中学校全員給食
  • 防犯カメラ・宅配ボックス・暗がり解消などの防犯対策
  • がん対策や高齢者支援
  • 敬老パスと新たな地域交通の推進

などが盛り込まれています。


子育て・福祉・医療に最も多く使われている

横浜市の一般会計を市民1人あたりで見ると、
最も多いのは子育て・教育 20万4,444円(36.7%)、次いで福祉・保健・医療 15万8,340円(28.4%)です。

つまり、横浜市の予算の中心は、道路や大型事業よりも、実際には子ども、高齢者、医療、福祉など、日々の暮らしを支える分野に置かれています。

具体的には、

  • 保育所や認定こども園等の運営:1,831億円
  • 小・中・特別支援学校の運営:2,225億円
  • 小児医療費助成:176億円
  • 介護保険(保険給付等):3,309億円

といった予算が計上されています。

これは裏を返せば、
少子化対策、子育て支援、高齢化対応が、横浜市財政の最重要テーマになっているということです。


「過去最大予算」でも、余裕があるわけではない

今回の資料で特に重要なのは、
「予算規模が大きい=財政に余裕がある」わけではないと、横浜市自身がはっきり示している点です。

令和8年度の市税収入は9,759億円で過去最高を見込んでいます。


背景には、給与引き上げによる個人市民税の増加や、企業収益の改善、地価上昇などがあります。

しかし一方で、支出面では

  • 物価高騰
  • 人件費増
  • 社会保障費の増加
  • 公共施設の老朽化対応

が重くのしかかっています。

つまり、税収が増えても、その分だけ出ていくお金も増えているというのが現実です。


最大の課題は「高齢化」と「人口減少」

横浜市の資料では、今後の最大の課題として
人口減少と少子高齢化が明確に示されています。

推計では、横浜市の人口は2065年頃に
約58万人減少する見通しです。

さらに、

  • 0~14歳人口は減少
  • 15~64歳の生産年齢人口は大幅減
  • 65歳以上人口は増加

とされています。

これはつまり、

  • 税収を支える世代が減る
  • 福祉・医療・介護の需要は増える

という構造です。

家計で言えば、働き手が減るのに、医療費や生活費が増えていく状態です。
この構造問題を放置すれば、将来世代に大きな負担を先送りすることになります。


将来の財政は「ワニの口」のように開いていく

横浜市は長期推計の中で、今後の財政について、
歳入(収入)より歳出(支出)が上回る差が広がっていくことを示しています。

いわゆる「ワニの口」と呼ばれる状態です。
資料では、

  • 2030年:▲308億円
  • 2040年:▲661億円
  • 2065年:▲1,663億円

の収支差が見込まれています。

また、社会保障経費は今後も高止まりし、
公共施設についても、約2,300か所の施設の老朽化対応が必要になるとされています。

つまり、
今の市民サービスを守りながら、将来の財政も守るという、非常に難しい舵取りが必要になっています。


大切なのは「配る」だけでなく、「続けられる仕組み」をつくること

令和8年度予算には、物価高対策、子育て支援、防犯強化など、
市民生活を守るために必要な施策が数多く盛り込まれています。

こうした点は、しっかり評価すべきだと考えています。

しかし、政治として本当に大切なのは、
「今年だけの支援で終わらせず、持続できる仕組みにしていけるか」です。

私は国民民主党横浜市議として、
“今を支えること”と“未来にツケを回さないこと”の両立を重視しています。

そのために必要なのは、

  • 制度をつくるだけでなく、現場で本当に使える支援にすること
  • 将来の財政負担まで見据えた責任ある判断を行うこと
  • 地域ごとの実情に合わせて、必要なところに予算を生かすこと

です。

特に金沢区では、
高齢化、地域交通、防災、子育て、海辺の地域資源など、
地域ならではの課題があります。

だからこそ、
「配ったから終わり」ではなく、暮らしを支え続けられる市政が必要です。

予算は、単なる数字ではなく、
横浜市が何を大切にするのかを示すものです。

私はこれからも、
生活者・現役世代・子育て世代の目線を大切にしながら、
持続可能で、現実的に機能する市政を進めてまいります。

<引用資料>あなたと創る横浜の財政(令和8年度 横浜市予算)行財政局財政部財政課


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著者

横溝 じゅん子

横溝 じゅん子

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