2025/9/13
こんにちは、横浜市会議員の横溝じゅん子です。
全3回にわたり「病院経営」と「医療費」について記事を書いてまいりましたが、今回が最終回となります。ぜひ最後までお読みいただけますようお願いいたします。
社会保障費が日本の財政における大きな課題であることは、多くの方がご存じだと思います。
2025年初め、政府は**「高額療養費制度の自己負担上限額を段階的に引き上げる」**方針を打ち出しました。しかし、世論などを受けて同年8月からの実施を見送ることとなりました。この改定で政府は約5,300億円の財政削減を見込んでいたと言われています。
私自身は、この「高額療養費自己負担額の引き上げ」には反対です。患者の事を考えるのであれば重症の場合には負担を少なくし、軽症の場合には負担を大きくする方が理にかなっていると思うからです。
日本は国民皆保険制度のもと、比較的安価に受診できる環境が整っています。そのため風邪など軽症でも気軽に病院に行ける国であり、結果として外来患者数が多く、受診回数は世界一です。
医療費全体を見直すには、この「軽症患者の外来受診の多さ」に着目する必要があると考えています。
令和4年度の国民医療費(約46兆円)の内訳は以下の通りです。
入院医療費:約20兆円(43%)
外来医療費:約17兆円(37%)
調剤医療費:約8兆円(17%)
歯科医療費:約3兆円(7%)
このうち外来医療費(17兆円)や調剤医療費(8兆円)の中には、「比較的軽症」の患者が多く含まれていると考えられます。
仮にこの領域の半分程度(約10〜13兆円)が軽症・慢性疾患に該当するとすると、そこを1割削減するだけで1〜1.3兆円の効果が期待できます。これは高額療養費の改定で見込んだ効果(5,300億円)の倍近くです。
軽症患者の受診抑制には、自己負担割合の見直しが有効だと考えます。
例えば、初診と2回目までは現行の3割負担とし、3回目以降は5割や7割に引き上げるなどすれば、外来受診の抑制につながるはずです。
一方で、軽症患者の外来診療で経営を支えているクリニックも多く、患者数の減少は経営への悪影響が懸念されます。そのため、病院経営に配慮しつつも「医療費をこれ以上増やさない」ための調整弁として、軽症患者の自己負担引き上げは慎重に設計すれば可能ではないかと思います。
もちろん、このような政策を打ち出せば大きな反発は避けられません。しかし、高齢化と医療費の増大が続く中、最終的に病院の赤字経営に苦しむのは国民一人ひとりです。
病院の機能分化を進め、外来受診数を欧米並みに引き下げることによって、経営資源を効率的に活用し、病院経営を健全化する必要があると考えます。
皆さまからもぜひ、病院経営改善や医療費抑制に関するアイデアをお聞かせいただければと思います。
最後に、私の政治家としても女性としても目標である薬師寺みちよ先生の言葉をご紹介します。先生は以前、次のように発信されました。
【自治体が運営する公立病院のうち86%が経常赤字、95%が医業赤字】
不採算部門を閉鎖したら良いという単純な問題ではない。
自治体病院は感染症指定医療機関や災害拠点病院、救命救急センターなどを政策的医療として担っているからこそ地域医療が成り立っている。小児科や産婦人科も同様だ。
医療提供体制の問題は政争の具とせず、様々なステークホルダーや政党が一同に会し、日本の医療のグランドデザインを描き直すべきではないか。
今の日本に舵取りや調整ができる人材がいないこと。
それが一番の問題だと思っている。
最後の4行はまさに身に沁みる言葉です。
「医療提供体制を政争の具とせず、日本全体でグランドデザインを描き直す」ことこそ、いま最も求められていることではないでしょうか。
以上で3回シリーズ「病院経営と医療費」を締めくくります。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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