2025/9/10
こんにちは、横浜市会議員 横溝じゅん子 です。
全3回で「病院経営と医療費」について記事を書いております。第1回目の記事を多くの方にお読みいただき、ありがとうございました。
今回は第2回目として 「診療報酬の構造と病院経営」 についてお話しします。最後までご一読いただけますと幸いです。
病院が赤字経営から脱却するためには、
「どの部分が収益を上げやすいのか」
「逆に収益が上がりにくいのか」
を正しく認識する必要があります。
そして、収益性の高い部分・低い部分にどの程度資源を振り向け、全体最適に近づけるか――これが 病院経営における大切な視点 だと思います。
病院の収入のほとんどは 診療報酬 です。まずはその構造を確認してみましょう。
病院の収益は、診療報酬の種類によって大きく変わります。
病院経営を安定させるには、まず 収益構造を理解すること が欠かせません。
非常に簡略化すると、診療報酬の収益性は次のように分けられます。
■収益が高い領域
急性期入院(手術・専門治療)
高度医療・専門外来(心臓外科、がん治療など)
自由診療(美容医療、人間ドックなど)
■収益が低い領域
軽症外来(風邪、軽い怪我、慢性疾患の定期チェックなど)
長期入院・療養病床
日本は 国民皆保険制度 によって安価に受診できるため、先進国の中でも患者が病院にアクセスしやすい国です。
その結果、
「風邪や軽症でも気軽に病院を受診できる」
「外来患者数が非常に多い」
「外来受診回数は世界一」
という特徴があります。
OECD統計によると、年間の外来受診回数は:
日本人:約12~13回/人
ドイツ:約9回
アメリカ:約4回
つまり、日本には 「ちょっとしたことでも病院に行く文化」 が根付いているのです。
しかし軽症外来の診療報酬は相対的に低く、日本の病院は「患者は多いのに収益は薄い」 という構造になり、これが経営を圧迫する要因のひとつとなっています。
もし軽症患者の外来数が減少すると、病院経営には次のような変化が考えられます。
外来収益への影響
外来収入は減少するが、人件費など経費削減により損益が改善する可能性がある。
入院・高付加価値診療への集中
人員や病床を急性期・専門医療に振り向けることで、手術件数増加や稼働率維持が進み、黒字化につながる。
経営全体への影響
固定費を効率的に活用でき、赤字リスクが低下し、経営の安定性が高まる。
もちろん、軽症外来をやめることはできません。そのため大切になるのが 病院の機能分化 です。
外来診療を中心に担う 「かかりつけ医」
高度医療を担う 大病院
病院間の 連携強化
こうした役割分担を徹底することで、限られた資源を有効に活用 し、赤字経営からの脱却を目指すことができます。
日本では1980年代からすでに病院の機能分化が進められてきましたが、今後はさらに徹底して推進していくことが重要だと思います。
海外の仕組みも参考になります。
フランス・ドイツ:軽症はまず「かかりつけ医」を受診し、専門医は紹介制
シンガポール:重症や入院医療には公的補助を厚くし、軽症外来は自己負担を高める
病院経営は単なる会計の話にとどまらず、私たちの医療の受け方・制度のあり方 とも深く関わっています。
次回(第3回目)は、これらを踏まえて 「医療費全体の今後」 について考えてみたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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