2025/6/30
こんにちは。
教育行政について、3つ目の項目の説明になります。
【各々の質問について、以下の順番で説明したいと思います。】
1.一般質問のテーマ
2.質問の狙い
3.市側の回答
4.考察
5.今後の課題
令和7年6月定例会の一般質問で、「しまくとぅば普及推進事業」についても取り上げました。
「しまくとぅば」とは、沖縄の各地域に伝わる方言(言葉)の総称で、私たちの文化や歴史、価値観を色濃く映し出す存在です。しかし、最近では日常生活で使われる機会が減り、言葉の継承が危機的状況にあります。
今回の質問のきっかけには、令和6年12月定例会で私が糸満市に対して、市の総合計画ではしまくとぅば普及が明記されていたにもかかわらず、市側の取り組みが見えてこない。それについての説明を求めたところ、啓発冊子の配布にとどまっていたというのが前回の回答でした。
そして令和7年度の新年度事業に「しまくとぅば普及事業」が新たに盛り込まれたことから、その具体的な内容と今後の展望を問う必要があると感じ、改めて取り上げました。
・「しまくとぅば普及推進事業」の具体的な内容と効果の把握
・単発的な啓発にとどまらず、継続的な学びになっているかの確認
・言葉の継承は単年度では終わらないことを前提に、複数年の事業として体系的に構築する必要性
・学校教育との連携を通じた「学びの中」に置くための体制作り
言葉を続けるには、何よりも「時間」と「環境」が必要だからです。
市側の回答によると、「しまくとぅば普及推進事業」は、地域文化を支える言語としての価値を再認識し、次世代への継承を目的に実施するもので、公募で選ばれた市民が出演する短編動画を作成し、市のYouTubeチャンネルなどで配信する方針です。
再質問に対しては、「次年度以降は動画に加え、公民館などでの演劇上演も検討中」とし、継続的な実施意思を示しつつも、「成果の検証や資金的検討が先行」との立場も示されました。
学校教育との連携についても同様に、「実施の可否を確認した上で」との遠回しな姿勢が見られました。
「しまくとぅば」は、もはや「外国語」と言っても過言ではないほど、日常の中で自然に使われる機会が減っています。言葉は“習慣”です。私たちが英語を何年もかけて学んでいるように、しまくとぅばも時間をかけて習得するものです。
それなのに、行政の仕事として単年度で終わりとすれば、結果として何も残らないのではないか。続けることで、しまくとぅばを使える環境は整っていく。
また、市側は「効果検証」を言いますが、言葉の継承における「効果」とは、短期間で測れるものではないでしょう。長い目で見て初めて、実を結ぶものです。
この事業の本質は「しまくとぅばを記録に残すこと」ではなく、「普及させること」のはずです。現役の言語話者の記録に止まるのではなく、継承する予定の他の世代への教育まで同時に着手すべきです。
平和学習と同様に、しまくとぅばも「次世代へのバトン」として手渡すものであり、文化と教育の両面から近付くことがとりわけて重要だと考えます。
・言葉の習得に時間がかかることを前提とした制度設計
・学校教育との体系的連携
・現役言語話者の記録と次世代への橋渡し
・地域文化と連動した実用場面の創出
・「普及」と「継承」の目的を明確化した方針づくり
・生成AIを活用した言語学習環境の構築:ChatGPTなどのAIを使って、しまくとぅばの対話練習や語彙学習、音声応答などを個別最適化して提供する環境を整えることは、話者が限られる状況下での有効な補完策となるのではないでしょうか。個人的にはこれを進めてほしいのですが。。。
(生成 AI を用いた鹿児島方言生成に関する論文:鹿児島大学准教授 坂井美日)
https://www.anlp.jp/proceedings/annual_meeting/2024/pdf_dir/P1-17.pdf
(生成AIを用いて方言で対話できる「方言AI」を開発:鹿児島大学准教授 坂井美日)
https://kotobaken.jp/digest/14-2/d-14-08/
(難解な津軽弁をAIが認識!? 「自然言語処理」の可能性)
https://www.dentsu-pmp.co.jp/contents-bae/nlp
「しまくとぅば」は、地域に根ざした誇りであり、未来に手渡すべき文化遺産です。しかしその継承には、行政の“協力”と“仕組み”が不可欠です。
記録にとどまらず、日常で“使われる言葉”として育てていくには、文化と教育の両面からのアプローチが欠かせません。平和学習がそうであるように、しまくとぅばもまた、地域の記憶と誇りを次の世代へとつなぐ“学び”の一部であるべきです。
さらに、これからの時代は生成AIなどの技術を活用して、少人数でも言語学習を継続できる環境を整えることも重要です。
たとえば、AIを活用したしまくとぅば会話シミュレーション、語彙学習、文法練習などが実現すれば、話者が身近にいない状況でも“対話の相手”を確保しながら学習を進めることが可能になります。
糸満市が「しまくとぅば」を未来に本気で残していく意思があるのなら、そのための継続的、体系的、かつ技術を活かした包括的な取り組みを、今こそ実行に移すべき時ではないでしょうか?

糸満市議会議員活動実績
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クロシマ アラタ/42歳/男
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