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【桶川市議会議員】市立の医療センターを視察。桶川に病院を誘致する場合の課題 #春日部市立医療センター

2026/8/18

8月18日、春日部市にある「春日部市立医療センター」へ視察に伺いました。春日部市の旧市立病院は築40年が経過し、建物の老朽化や耐震性の不足といった課題を抱えていましたが、移転・新築を経て、地域の医療と防災を支える最新鋭の病院へと生まれ変わっています。

今回の視察を通じて学び取った、自治体病院が抱える課題へのアプローチや地域連携の工夫について、3つのポイントと特筆すべき取り組みに分けてご報告いたします。

1. 公園跡地を活用した立地選定の工夫

新病院の建設にあたっては、元々あった公園の敷地が選定されました。実は選定時には5箇所の候補地が存在したそうです。

旧病院の敷地には現在市役所が建てられていますが、医療を止めることなく新病院を開院するためには、現在の場所が最適であると判断されました。選定の決め手となった主な理由は以下の3点です。

医療従事者の確保: 駅から近く、医師や看護師の通勤利便性が高いこと。

患者様への配慮: 旧病院から徒歩10分圏内に位置し、これまでの通院環境に大きな影響を与えないこと。

迅速な整備: 新規での用地取得が不要であり、円滑に着工できたこと。

なお、市民の憩いの場であった公園機能については、今後の計画として立体駐車場横に大型の公園が新たに整備される予定とのことです。公共施設再編や用地確保は桶川市にとっても大きな課題ですが、既存土地の有効活用と周辺整備のバランスの取り方は非常に参考になりました。

2. 医師不足を乗り越える積極的なリクルートと未来への投資

全国的に自治体病院の「医師不足」が叫ばれる中、同センターでは医師確保に向けた熱心な取り組みが行われています。

医師の確保にあたっては、関連大学である日本大学に協力を依頼していますが、特筆すべきは院長自らが大学に足を運び、病院の魅力や医療体制を直接PRしている点です。トップ自らが動く情熱が、信頼関係と人材確保に繋がっています。

さらに、未来の医療人を育てる視点として、県内で医師を目指す高校生を対象とした「高校生医師体験」を年1回実施しています。プログラムでは「高校生にも知ってほしいがん」をテーマにした学びや、研修医と一緒に行う縫合体験など、実践的で魅力的な機会を提供しています。地域の子供たちに医療の魅力を伝え、将来地元に戻ってきてもらう仕組みづくりは、長期的視点に立った素晴らしい取り組みです。

3. 地域拠点病院としての多様な役割

新病院は「災害時連携病院」の指定を受けています。大規模災害時には、中等症患者や回復傾向にある患者を受け入れることで、重症者が集中しがちな「災害拠点病院」の負担を分散・軽減する重要な役割を果たします。

また、医療の質においても地域の中核として以下の体制を整えています。

4疾病への対応: がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病

4事業への対応: 小児医療、周産期医療、救急医療、災害時医療

誰もが直面する可能性のある重大疾患や、小児・周産期といった世代を問わない医療現場をしっかりと支える構造が構築されています。

特に印象的だった取り組み:保健所・消防・民間との緊密な連携

今回の視察で特に力強さを感じたのは、県立春日部保健所との定期的な協働事業です。

具体的には「新型インフルエンザ患者搬送訓練」など、感染症発生時を想定した現場レベルの搬送訓練を実施しています。この訓練には病院と保健所だけでなく、消防も加わっており、さらには民間事業者の見学も受け入れています。

有事の際に迅速かつ的確に動くためには、行政や医療機関の壁を越えた日頃の顔が見える連携が欠かせません。民間の知見や協力を巻き込みながら地域全体で備える姿勢は、桶川市における防災・地域医療体制を考えるうえでも極めて示唆に富むものでした。

市民の皆様からも「市内にもっと総合病院や救急病院を誘致できないか」という切実な声を多くいただきます。しかし、自治体として新たな病院を誘致・建設するにあたっては、以下のような高いハードルが存在します。

病床規制(埼玉県医療計画)の壁

医療法に基づき、埼玉県が制定する「埼玉県医療計画」によって地域ごとの病床数(ベッド数)の上限が定められています。基準病床数が飽和している地域では、新規で大きな病院を建てたり病床を増やしたりすることが制度上極めて困難です。

全国的な医師・看護師不足と採算性

春日部市のように大学との強いネットワークやトップ外交があっても医師確保は容易ではありません。民間病院の誘致においても、医療従事者の確保が見込めないことや、建築資材高騰・運営コスト増による採算性の懸念から、撤退や慎重姿勢をとる事業者が多いのが現状です。

用地確保とインフラ整備

総合病院クラスの施設を新設・誘致するには、広大な敷地とアクセス性の良い道路網が必要です。新規用地の取得費用や基盤整備には膨大な市債(借金)や公金投入が伴うため、財政面での慎重な判断が求められます。

今後の取り組みに向けて

単に「大きな病院を誘致する」というスローガンだけでは解決できない現実があるからこそ、私たちは現実的な解決策を模索しなければなりません。

例えば、近隣市町(上尾市・北本市・伊奈町など)との広域医療連携をさらに強化し、救急搬送の受入態勢をスムーズにすること。また、市内の既存医療機関への支援や、在宅医療・予防医療の充実を図ることも重要です。

春日部市のように、消防・保健所・近隣市町との日頃からの顔の見える連携体制を構築していくことが、桶川市民の皆様の命と健康を守る近道であると確信いたしました。

市民の皆様がいつでも安心して医療を受けられる街づくりを目指し、今回学んだ知見を今後の提言にしっかりと活かしてまいります。ご意見やご要望がございましたら、ぜひお気軽にお寄せください。

今回の視察は、所沢市議会議員の石原たかしさん、佐野允彦さんとご一緒させていただきました。

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近本 あんな

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肩書 市議会議員/二児の母/ホテル勤務13年
党派・会派 国民民主党
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