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「老婆の一時間」誰があなたの人生を奪うのか|第二の人生

2026/6/11

武田邦彦氏の講義「『老婆の一時間』誰があなたの人生を奪うのか|第二の人生」の内容を、書き起こしに基づき厳密に箇条書きでまとめます。

1. 随筆「老婆の一時間」にみる生きがいの喪失

  • 40年前の執筆: 武田氏が約40年前に初めて書いた創作随筆「老婆の一時間」の風景を回想する。
  • 随筆の情景: 赤い夕日が沈む山の端、田舎の民家の縁側に座布団を敷いて座り、お茶を飲む1人の老婆(想定年齢75歳ほど)が描かれる。彼女は池垣(生垣)の向こうを、夕方の退勤時間になって家路を急ぐ若い人々の姿を眺めている。
  • 老婆の呟きと過去の歩み: 老婆は「ああ、私にもああいう時代があったわね」と昔を懐かしんで呟く。彼女は50年ほど前、オフィスレディが出現し始めた時期に初めて就職して活発に働き、やがて結婚して子どもを育て上げ、現在は息子・嫁・孫とともに地方の民家に暮らしている。
  • 良心的な嫁による時間の剥奪: 気立てがよく働き者の嫁が遠熟(成熟)し、成長した孫が中学校へ通う頃になると、嫁から「お母さん、台所(大所)関係や廊下の掃除は私がやるから休んでいて」と言われ、老婆は家事や買い物の役割をすべて失う。
  • 人生の喪失と割り切れない心: 老婆は膝も腰も痛くなく、病気でもなく、まだ十分に息子の世話や農作業ができるほど元気である。しかし、良心的な嫁の気遣いによって、1日1時間、2時間と「生きていく楽しさを味わう時間」を奪われた結果、素晴らしい余生を過ごしながらも「人生を失っている」という複雑で割り切れない気持ちを抱えている。

2. 30代の葛藤と図書館での寿命・定年研究

  • 30代終わりの深い悩み: 武田氏自身、30代の終わりに「これからの人生はおかしいのではないか」と深く悩み始めた。当時は研究所長(研究長)のような役職に就き、周囲からはバリバリ活躍するモーレツサラリーマンと見られていたが、人生の意味について疑問を抱いていた。
  • 開発部長時代における図書館への籠城: その後、千葉県にある研究所から別の開発部長に退(退ぞ)いた際、近くの図書館に週に1、2日ほど籠もり、日本人の寿命と定年の関係について徹底的に勉強した。
  • 時代背景による「定年と寿命」の歴史的変遷:
    • 武田氏誕生時: 日本人の平均寿命は47歳、サラリーマンの平均定年は55歳であり、定年を迎える前に寿命が来る社会システムであった。
    • 小学校卒業時: 平均寿命と定年の年齢がほぼ等しくなる。
    • 高度経済成長期: 定年後に平均寿命を迎えるまでの期間が「15年」ほどになり、社会に初めて「定年後の人生」が出現した。この時期にゲートボールや、農協(農京)の世界旅行などが大流行し、さらに年齢を重ねると病院に通うという典型的な高齢期の人生が定着した。

3. 「2つの人生(3つの期間)」という人生設計論

  • 50歳から80歳までの「30年間」の出現: その後、男性の平均寿命が80歳に近づくにつれ、50歳で会社でのポジション(役職)から外れたり変化があった後、80歳まで「30年間」もの膨大な時間が残る時代が到来した。
  • 著作『2つの人生』の出版: 武田氏はその問題意識から15年〜20年ほど経った後、高名な出版社から『2つの人生』という内容の本を2冊出版した。
  • 人生の3交代(3個の期間)システム: 武田氏が45歳の時に導き出した結論であり、人生は以下の3つの期間に明確に分かれている。

【武田氏が提唱する人生の3つの期間】

 ├── ① 誕生 〜 約20歳:勉強・成長の期間

 ├── ② 約20歳 〜 50歳:社会で活躍する「第1人生」

 └── ③ 50歳 〜 80歳:全く新しく設計すべき「第2人生」

◆ 女性における生物学的な2つの人生

  • 哺乳動物としての平経(閉経): 人間の女性(哺乳動物のオス・メスの区分)は、50代で生理(月経)が終了する。
  • 第1人生(20歳〜50歳): 子どもを生産(出産)する可能性のある、男女関係を伴う華やかな人生。
  • 第2人生(50歳〜80歳): 子どもを産む可能性のない、生理のない後半の30年間。

◆ 男性における体力・労働の2つの人生

  • 歴史的な徴兵・定年の基準: かつての徴兵制(長兵・志願)の歴史をみても、突撃などの過酷な戦闘行動ができる年齢は20歳から50歳までであり、50歳を過ぎれば軍人としては働けない。
  • 第1人生(20歳〜50歳): 定年が55歳だった時代と同様に、仕事(会社生活)や天下国家へ心身を捧げることを中心としたアクティブな人生。
  • 第2人生(50歳〜80歳): 職(会社中心の役割)を失った後、死ぬまでの独自の30年間。

4. 過去の「20年の夫婦生活」と現代の長寿化

  • 江戸時代における夫婦の平均期間: 歴史を遡って調べると、江戸時代の夫婦生活の平均期間はわずか「20年」であった。女性は18歳、男性は20歳ほどで結婚するが、40歳を過ぎると高確率で片方が病気等で亡くなっていたため、20年という短い期間で夫婦の男女関係や子育てが完結し、当時の社会システムとうまく調和していた。
  • 5年刻みの人間分析: 現代は長寿化により、50歳を過ぎて男女の関係性が変化した後にも、さらに長く人生が継続する。武田氏は50歳から80歳までの期間について、5年刻みで自分自身および人間の哲学、宗教、体力、健康、病気、友人、息子・娘・姑との関係性がどのように走馬灯(相マ島)のように変わっていくかを詳細に整理・分析した。

5. 結論:50歳でのリセットと「第2の人生」の自律的な設計

  • 武田氏の50歳での退職と第二の進展地: 武田氏自身、30代の頃は「会社に尽くして人生を終えよう」と考えていたが、50歳ぴたり(ぴったり)の時に「考えがある」と上司に伝えて、非常に良い会社であったが完全に退職した。
  • 自由業としての多面的な歩み: 50歳で会社を辞めた後は、当初予定していなかったが恩師の差配により偶然大学教授(先生)に就任した。その後はサラリーマン時代の人間関係から完全に脱却し、自由業(じごう・自由業)としてテレビタレント、作家などを多面的にこなしながら現在に至っている。
  • 社会システムと自己設計の欠如: 創作随筆の老婆が不幸(割り切れない思い)を感じている最大の真因は、嫁のせいではなく、「50歳前後で人生が終わる」という人類誕生から4万年間続いてきた古い社会システムの常識に縛られ、長寿化した現代における「後半30年の人生計画」を自分自身で持っていなかったことにある。
  • AI時代の到来と個人の人生: 今後はAI(人工知能)がスタート(本格化)することで、さらに人間の仕事がなくなると言われているが、それでも人生はあくまで我々個人のものである。

自分自身の人生の設計: 他人の助けや作家・知識人とのディスカッションを交えつつも、第1人生の「定年後もグズグズと会社生活の概念に依存して生きる」という古い執着を捨て去る必要がある。男性も女性も、50歳から80歳までの第2の人生(子どもを産む可能性のない時期、あるいは軍隊や会社中心の役割から解放された時期)における自らの体力や生きがいに見合った独自の人生を、自分の意思で新しく設計・構築(作っていかねば)していかなければならないと説いて講義を締めくくった。

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著者

中村 ひとし

中村 ひとし

選挙 阿久比町議会議員選挙 (2023/04/23) [当選] 524 票
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