2026/7/30
「したい」を支える地域づくり
福岡県久留米市の重層的支援体制を視察しました。
7月30日健康福祉委員会の行政視察で、福岡県久留米市の「団体との協働による重層的支援体制」について学びました。

前日に熊本県で地震が発生したため、委員会として久留米市へ受け入れ体制に問題がないか確認をさせていただきました。
久留米市では通常業務に支障はなく、予定どおり視察を受け入れていただくこととなりましたが、一方で災害対策課の職員は熊本県へ向かい、給水車の派遣など災害支援にあたっていました。
このような状況の中、貴重な学びの機会をいただいた久留米市の皆様に心より感謝申し上げます。
また、被災地では猛暑が続く予報となっており、停電の影響を受けている地域もあると報じられています。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、熱中症などにも十分お気を付けいただき、一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
重層的支援体制とは
令和8年度から板橋区でも「重層的支援体制整備事業」が始まりました。
これまで行政の支援は、高齢者、障がい、子ども、生活困窮など制度ごとに分かれていました。しかし実際には、一つの家庭が複数の課題を抱えていることも少なくありません。
重層的支援体制は、制度の枠を超え、一人ひとりや家族全体を丸ごと支える仕組みです。
久留米市では令和3年度から本格的に事業を開始し、市役所だけでなく、市民団体や企業、社会福祉協議会など、地域全体で支える体制づくりを進めています。
「制度は課題には強い。でも、『したい』を叶えることは苦手。」
今回の視察で最も印象に残った言葉です。
制度は困りごとを解決することは得意ですが、一人ひとりの「やってみたい」「挑戦してみたい」という思いを応援することは決して得意ではありません。
だからこそ久留米市では、「困りごと」を解決するだけでなく、その人の「したい」に寄り添う参加支援に力を入れていました。

AU-formal実行委員会による「叶え合う支援」
特に印象的だったのが、参加支援事業をAU-formal実行委員会へ委託していることです。
AU-formal実行委員会は、福祉だけでなく、子育て、まちづくり、就労支援、災害支援など、多様な市民活動団体が集まって設立された団体です。

理念として掲げているのは、「叶え合う支援」。
「支援する人」と「支援される人」を分けるのではなく、お互いの「したい」を尊重し、それぞれの強みを生かしながら支え合うことを大切にしています。
それぞれの団体が得意分野を生かし、「アート部」「ゲーム部」など、一人ひとりが興味や得意なことから参加できる活動を展開していました。
また、「居場職」という取組では、就職に不安を感じている方が、まずは企業へ遊びに行き、職場の雰囲気を知ることからスタートします。
「働けるか」ではなく、「まず行ってみよう」。
本人のペースや気持ちを大切にしながら、一歩踏み出すきっかけを地域全体でつくっていることが印象的でした。
行政がすべてを担うのではなく、市民団体が持つ専門性やネットワークを生かし、行政はそれを支える。
そんな「協働」の姿を見ることができました。
「助けて」と言えない人へ届けるアウトリーチ
もう一つ、大きな学びとなったのがアウトリーチです。
困っていても、自分から「助けて」と言えない方は少なくありません。
久留米市では社会福祉協議会が中心となり、何度も訪問し、雑談を重ねながら信頼関係を築くことを大切にしていました。
また、本人と会えない場合には、本人とつながっている人から話を聞くなど、民生委員や支え合い推進会議、食料配布会など、地域のさまざまなネットワークを活用して支援につなげています。
板橋区でもいかしていきたい
私自身、プレーパークや学校の居場所づくりなど、地域の皆さんと一緒に活動してきました。
今回の視察を通して改めて感じたのは、地域共生社会は行政だけでつくるものではなく、市民団体や企業、地域の皆さんとともにつくっていくものだということです。
そのためには、制度を充実させることはもちろん、人と人とのつながりを育み、それぞれの強みを生かし合える地域づくりが欠かせません。
板橋区でも、一人ひとりが役割や居場所を持ち、「やってみたい」という思いを大切にできる地域を目指して、今回の視察で学んだことを生かしていきたいと思います。
「制度は課題には強い。でも、『したい』を叶えることは苦手。」
今回の視察で最も心に残った言葉です。
制度によって困りごとを解決することはもちろん大切です。しかし、それだけでは一人ひとりの「やってみたい」という思いや、その人らしい暮らしまで支えることはできません。
だからこそ久留米市では、市民団体や企業、地域住民がそれぞれの強みを生かしながら、一人ひとりの「したい」を地域全体で叶え合う支援を実践していました。
「支援する人」と「支援される人」に分けるのではなく、お互いの力を持ち寄り、一緒に地域をつくっていく。
その考え方は、私がこれまで取り組んできたプレーパークや地域活動とも重なるものでした。
制度を整えることと、人と人とのつながりを育むこと。その両方を大切にしながら、誰もが安心して暮らし、自分らしく挑戦できる板橋区を目指して、これからも取り組んでいきます。
そのためには、行政がすべてを担うのではなく、地域で活動する皆さんの「やってみたい」という声を大切にしながら、一緒に地域を育てていくことが重要だと改めて感じました。
久留米市で学んだことを、これからの板橋区での取り組みにしっかりと生かしていきます。
久留米市役所の皆様、貴重な学びの機会をいただき、ありがとうございました。
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オオノ ユカ/40歳/女
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