2026/4/17
市川市のペットボトル回収開始に対して、違和感や不満の声が出るのは自然なことです。
手間が増えた、そこまで必要なのか、分かりにくい。そう感じる市民は少なくないでしょう。
ですが、この問題を単なる「分別が面倒かどうか」で終わらせてしまうと、本当の論点を見失います。
本当に問うべきなのは、市川市がこれからどんなごみ行政を目指すのかです。前回の記事でも私は、その入り口としてこの問題を取り上げました。
https://go2senkyo.com/seijika/186483/posts/1352581
いま市川市は、次期クリーンセンター整備・運営事業を進めています。
市の公表資料によれば、建設工事は2025年6月19日から2030年12月31日まで、運営は2031年1月1日から2050年12月31日まで。場所は市川市田尻1003番1外で、焼却施設の処理能力は423トン/日です。つまり市川市は、単にごみの出し方を少し変えるだけではなく、ごみ処理の土台そのものを更新する時期に入っています。

さらに田中甲市長は、市の広報の中で、新しいクリーンセンターでは現在より発電能力を1.5倍以上に高める考えを示しています。発電を基盤にした地域新電力や、市民の太陽光発電設備への補助にもつなげたい考えが語られています。
ここで重要なのは、クリーンセンター構想を単なる「焼却炉の建て替え」として見るのではなく、
市川市の行政設計そのものとして見ることです。
ごみをどう分けるのか。
どこまで資源化を進めるのか。
焼却と再資源化のバランスをどう取るのか。
発電や脱炭素をどう位置づけるのか。
そして、その負担と利益を市民にどう返すのか。
こうした問いが、すべてこの構想の中に入っています。
だからこそ、ペットボトル回収への不満を、単発の愚痴で終わらせてはいけません。
むしろ市民が知りたいのは、次のようなことではないでしょうか。
第一に、今の分別政策は、新しいクリーンセンターの運用と本当に整合しているのか。
行政が分別を細かく求めるなら、それが2031年以降の施設運営や資源化方針にどうつながるのかを、もっと丁寧に説明すべきです。
第二に、建て替えによって市民負担はどう変わるのか。
施設整備には当然コストがかかります。市が公表している契約額を見ると、建設工事請負契約は約511億円、運営業務委託契約は約215億円です。これだけの長期事業である以上、市民に求める分別や協力だけが前面に出て、全体像の説明が薄いのでは不信感が生まれて当然です。
第三に、田中市長の構想は、環境政策と生活実務の両方を見ているのか。
発電能力の向上や脱炭素は大切です。ですが、市民にとって毎日のごみ出しは、理念より先に現実です。出しやすいのか、分かりやすいのか、負担は増えすぎないのか。ここが置き去りなら、立派な構想も机の上の設計図で終わってしまいます。
選挙の時期に大切なのは、賛成か反対かを大声でぶつけ合うことではありません。
市長が生活に直結する行政を、どこまで一貫して設計できているのか。
そこを見ることです。
ごみ行政は、一見すると地味です。
ですが実際には、税金、施設整備、環境政策、市民負担、説明責任という、市政の核心がぎゅっと詰まっています。小さなペットボトルの話に見えて、その奥には市長の行政運営の実力が映っています。
ペットボトル回収開始をきっかけに市民の関心が高まったこと自体は、悪いことではありません。
むしろ、その関心を**「では市川市はこれからどんなごみ行政を目指すのか」**という本質的な問いにつなげるべきです。
問うべきなのは、クリーンセンターを建て替えるかどうかだけではありません。
その先に、どんな市川市の暮らしを描いているのか。
そこです。
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