2026/5/29
2027年3月31日までに400冊読む修行🏋️♀️
現在 330/400冊
題名 『A Rehabilitation of Say's Law』
所感「失業が長期化する原因は「需要不足」ではなく価格の硬直性にあるとハットは言います。労働組合の圧力や規制によって賃金が市場で調整できなくなると、供給が連鎖的に縮小し需要も失われていく。これがセイの法則の示す不況のメカニズムだと感じました。」
📘本の概要📘
1920年代から1930年代のイギリスで、大量の失業者が長期間にわたって街にあふれていました。ケインズはこの現象を「需要が足りないから」と説明し、政府が支出を増やすべきだという政策を提唱しました。その考えは「ケインズ革命」と呼ばれ、その後の経済学を支配しました。しかし、それは正しかったのでしょうか。
本書でW・H・ハットは、ケインズが攻撃した「セイの法則」(簡単に言うと「生産し供給することが、他のモノへの需要の源泉になる」という原則)こそが今も有効な経済学の基本法則だと主張します。本書が出版されたのは1974年ですが、ハットはスタンフォード大学フーバー研究所やダラス大学での研究をもとにこの議論をまとめました。
ハットの核心的な主張はこうです。経済が落ち込む原因は「需要不足」ではなく、価格が市場で調整できなくなる「供給の差し控え」(簡単に言うと、賃金や物の値段が下がるべきときに下がらず、売れない・雇えない状態が続くこと)にある。労働組合のストライキ圧力、政府の規制、企業の談合などが価格を市場で決まる水準より高く固定すると、その分だけ実際の取引量が減り、連鎖的に他の分野の需要も失われていきます。これがセイの法則が説明する不況の本当のメカニズムです。
ケインズは「供給は自らの需要を創り出す」という一文でセイの法則を要約し、それを批判しました。しかしハットは、ケインズが引用したのはJ・S・ミルの不完全な記述であり、ミルの別の著作にははるかに正確な説明があったと指摘します。そもそも「リンゴを供給すればリンゴへの需要が生まれる」という意味ではなく、「リンゴを供給することは、その代金で得られる別の何かへの需要を生む」というのがセイの法則の正確な意味です。
インフレ政策への批判も明快です。もし少しのインフレで完全雇用を回復できるなら、同じだけの賃金の調整でも回復できるはずだとハットは言います。インフレは「賃金の実質的な引き下げを、当事者に気づかせないまま行う手段」に過ぎず、根本的な価格調整を先送りにするだけです。景気回復への正しい道は、市場での価格調整を妨げている制度的な障壁を取り除くことにある。これが本書の結論です。
市場での自由な価格調整を妨げる仕組みが放置される限り、失業と不況の傾向は避けられないというハットの主張は、1974年当時だけでなく、今も続く政策論争に対して根本的な問いを投げかけています。
🎙️YouTube紹介ラジオ🎙️
【ルール】
①本の読み返しOK(カウントは2回まで)
②挫折禁止の為、宣言と公開
#大和市 #大和市議会 #星野翔 #WilliamHHutt #OhioUniversityPress

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