2026/5/20
【大和市・事務事業シリーズ】
▶︎No.9
▶︎『病児保育事業』
▶︎目的:病児保育の実施により保護者の就労等を支援します。
▶︎事業担当:こども部ほいく課
▶︎実施手法:委託
▶︎所感:「大和市の病児保育事業は児童福祉法に根拠を持ち、施設の数や規模は市が独自に決められる裁量の大きい事業です。国・県がそれぞれ約30パーセントを負担しますが市の一般財源も約36パーセントを占めており、施設配置の判断が市民の税負担に直結する構造です。」
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大和市議会議員の星野翔です。今回は「病児保育事業」について考えてみます。
お子さんが急に熱を出して保育所や幼稚園に預けられなくなったとき、それでも仕事をどうしても休めない保護者はどうすればいいでしょうか。大和市が実施する病児保育事業は、そういった場面で専門の施設がお子さんを預かる仕組みです。対象は入院するほどではないが家庭での保育が難しい病中のお子さんで、生後6か月から小学6年生まで利用できます。
事業の制度的な位置づけとしては、児童福祉法という法律に定められた事業類型のひとつです。法律の根拠はあるものの、施設の数や定員・配置は市が独自に判断できる余地が大きく、国・県の交付金が活用される一方で、市民の税金も毎年相当額が投入されます。令和6年度の決算では事業費が5,377万円、職員の人件費も含めた総事業費は5,762万円でした。費用の内訳は国と県がそれぞれ約30パーセントずつを負担し、残り約36パーセントは市の一般財源から出ています。利用者の自己負担は1日2,000円ですが、1件あたりの公費投入額は試算で約2万4,000円から2万5,000円にのぼります。看護師を常時配置する必要があるため、どうしても1件あたりのコストが高くなる構造です。
大和市はこれまで、ハートンプランと呼ばれる令和2年度から令和6年度の計画のもとで施設を整備・運営してきました。しかし令和7年度から始まった新しいこども計画では、「施設を確保する」という前向きな姿勢が「あり方を検討する」という記述に変わっています。1つの施設が事業を終了したことで市の北部地域に空白が生じているにもかかわらず、後継計画では対応が具体化されていません。計画が変わる節目で、市民への周知が大事な部分になります。
今回の分析で最も深刻と判断した問題は、この事業の目的と成果の測り方のズレです。評価表に記された事業目的は「保護者の就労等を支援します」という1文だけです。就労を支援する事業であれば、「利用した保護者が実際に仕事を休まずに済んだかどうか」を確認する指標が必要なはずです。ところが現在の評価指標は利用件数のみで、事業が本当に効果をあげたかどうかを示すデータが一切ありません。令和6年度の利用実績は2,190件で前年度より383件減りましたが、この減少が需要の変化によるものなのか、施設廃止で使いたくても使えなくなった影響なのか、データ上で区別できません。また体調不良児対応型という類型では、目標値が令和5年度の148件から令和7年度には83件へと毎年下げられており、「実績が少ないから目標も下げる」という自己循環が続いています。
約6,000万円の公費が毎年動く事業で、成果を測る仕組みが整っていない状態は、行政の説明責任という観点から見て十分とは言えません。施設の確保・再配置と合わせて、就労継続への貢献度や予約充足率といった成果指標を早急に設けることが、この事業の信頼性を高めるために必要だと私は考えます。
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【⚖️関連法令】
・児童福祉法
・子ども・子育て支援法
・こども基本法
【📗関連計画】
国:こども大綱、こども未来戦略、子ども・子育て支援に関する基本指針
県:かながわ子どもみらいプラン
市:大和市こども計画
【💵関連補助金】
国:子ども・子育て支援交付金
県:子ども・子育て支援交付金



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