2026/7/8
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
経済ニュースや新聞で、かつては「金融政策の代名詞」として頻繁に目にした「公定歩合」という言葉。しかし、最近ではその主役の座を他の指標に譲り、耳にする機会がめっきり減りました。なぜ公定歩合は語られなくなったのか、その背景には日本の金融システムの大きな構造変化があります。
かつては日本銀行が公定歩合を決定すれば、それに連動して民間銀行の預金金利や貸出金利も動く仕組みでした。しかし、1994年までに預金金利の自由化が完了したことで、銀行の金利は市場の需給によって決まるようになりました。
これにより、日銀が直接的に金利を指示するのではなく、銀行同士がお金を貸し借りする「無担保コール市場」の金利を操作する手法へとシフトしたのです。
現在の金融機関は「銀行の金余り」という特有の状態にあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 法定準備預金 | 銀行が日銀に預けることが義務付けられている最低限の金額 |
| 現在の当座預金残高 | 法定準備を遥かに上回る巨額の資金が日銀に積み上がっている |
公定歩合とは、本来「日銀が民間銀行にお金を貸し出す際の利息」を指します。しかし、銀行側にこれだけ潤沢な資金がある現状では、わざわざ日銀からお金を借りる必要がありません。借り手がいない以上、その利息である公定歩合を動かしても、実体経済への影響力は失われてしまったのです。
実態に合わせて制度も変わり、2006年からは「公定歩合」という呼称自体が「基準割引率および基準貸付利率」へと変更されました。現在では政策金利としてではなく、市場金利の上限を画する一種の「天井」としての役割に留まっています。
私たちが今、注視すべきは「公定歩合」ではなく、日銀が市場の資金量を調整する「公開市場操作(オペレーション)」や「無担保コール翌日物金利」です。時代の変化とともに、経済を動かすルールもまた進化しているのです。
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
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