2026/3/31
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
最近、日本のコンビニでタイ人観光客が「会計前にカップ麺にお湯を入れる」という行動がSNS等で話題になりました。日本では考えられないルール違反ですが、実はタイのコンビニではごく一般的な光景です。 こうした異文化の摩擦は、以前お伝えした「インバウンドの弊害」の一側面でもありますが、それ以上に私たちが注目すべきは、今や日本中で彼らの姿を見かけるようになった「タイの経済的背景」です。 「東南アジアはまだ産業が発達していない途上国だ」――もし皆さんがそんなイメージをお持ちだとしたら、それは大きな間違いです。
タイは今や、高度な工業製品を世界中に送り出す「貿易立国」として、日本を脅かすほどの存在感を示しています。 タイを語る上で欠かせないのが、世界有数の自動車生産拠点としての顔です。「アジアのデトロイト」と称される通り、世界中のメーカーが工場を構え、そこから完成車が世界へ輸出されています。 さらに、ハードディスク(HDD)などの精密機器においても世界シェアの重要な一角を占めています。単なる「観光の国」ではなく、高度な技術集約型産業が経済の屋台骨を支えているのが今のタイの姿なのです。
直近5年間の貿易収支を、日本と比較してみましょう。単位は「億米ドル」です。
| 年次 | タイの貿易収支 | 日本の貿易収支 |
|---|---|---|
| 2021年 | 35.7 (黒字) | -262.1 (赤字) |
| 2022年 | -161.2 (赤字) | -1,564.0 (赤字) |
| 2023年 | -51.9 (赤字) | -648.1 (赤字) |
| 2024年 | 23.4 (黒字) | -356.0 (赤字) |
| 2025年 | -53.1 (赤字) | -177.0 (赤字) |
注目すべきは、世界的なエネルギー価格高騰で日本が巨額の赤字に苦しむ中でも、タイは輸出の力で年度によっては黒字を確保しているという点です。これは、タイの工業製品が国際市場で確かな競争力を持っている証拠に他なりません。
かつての日本が持っていた「モノづくりで外貨を稼ぐ」という勢いを、今のタイは強烈に持っています。資源を輸入し、付加価値をつけて輸出する。この加工貿易のサイクルが非常に力強く回転しているからこそ、多くのタイ人が日本へ旅行に来られるほどの経済力を身につけているのです。
コンビニでのカップ麺の騒動を単なるマナー違反として切り捨てるのは簡単です。しかし、私たちが直視すべきは、「東南アジア=産業が未発達」という古いフィルターを捨て、ダイナミックに変貌を続ける彼らの経済的パワーです。 かつては「発展途上国」だと思っていた国々に、いつの間にか経済力で追い抜かれることになりかねないのが今の日本の現在地です。この厳しい現状をしっかりと理解し、日本もかつての力強さを取り戻すべく、官民挙げて必死に頑張っていかなければならないと強く感じています。
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
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