2026/4/23
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
経済学の教科書を開くと必ず目にする「右下がりの需要曲線」と「右上がりの供給曲線」。この2つが交わる場所で価格が決まるという、現代では当たり前の理論を体系化したのが、イギリスの経済学者アルフレッド・マーシャルです。彼は、バラバラだった経済学の理論を統合し、私たちが現代社会を読み解くための「標準的な物差し」を作り上げました。

マーシャル以前、価格がどう決まるかについては「作る側のコスト(供給)」を重視する説と、「買う側の満足度(需要)」を重視する説が対立していました。マーシャルはこれを鮮やかな比喩で統合しました。
「価格が決まるのは、ハサミの二枚の刃が紙を切るようなものだ」
上が需要、下が供給。どちらか一方が欠けても価格は決まらない。この「需要と供給の均衡」という視点こそが、現代ミクロ経済学の出発点となったのです。
マーシャルが残した重要な概念に「消費者余剰」があります。例えば、あなたが「1,000円出してもいい」と思っているお弁当が、実際には600円で買えたとします。この時、あなたは「400円分得をした」と感じるはずです。
この「心の満足度の差額」を数値化することで、減税や公共事業がどれだけ国民の幸福に寄与するかを計算できるようにしました。経済学を単なる数字の遊びではなく、「人々の幸福を最大化するための道具」に変えようとしたのです。
マーシャルは数学の天才でしたが、自著の本文に数式をほとんど出しませんでした。「経済学は現実に苦しむ人々を救うためのものであり、数学は道具に過ぎない」と考えたからです。彼は教え子たちに、常にこう説きました。
「冷静な頭脳(Cool Head)を持ち、しかし温かい心(Warm Heart)を忘れるな」
この精神は、弟子のピグーやケインズへと引き継がれ、後の「福祉国家」や「景気対策」の思想的な源流となりました。
| 思想の流れ | 主な人物 | 特徴 |
|---|---|---|
| 古典派経済学 | スミス、リカード | 自由放任。供給側を重視。 |
| 新古典派(マーシャル) | マーシャル | 需要と供給を統合。均衡を分析。 |
| ケインズ経済学 | ケインズ | 政府の介入。不況対策を重視。 |
マーシャルが整えた「需要と供給」の理論は、今やグローバル経済のOS(基本ソフト)のようなものです。しかし、マーシャル自身がそうであったように、私たちは経済のルールを学ぶだけでなく、その先にいる「生身の人間」を見つめなければなりません。
「数字の均衡」の裏側で、国民の暮らしは本当に豊かになっているか。
マーシャルの言葉を借りれば、政治家こそ「冷静な頭脳」で現状を分析し、「温かい心」で政策を実行しなければならない。経済学の巨人が残したこの姿勢は、今の日本を再生させるためにも、最も必要な心得であると私は確信しています。
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
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