2026/4/17
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
経済学の父、アダム・スミスが残した最も有名な言葉「見えざる手」。この言葉は、私たちが日々送っている経済生活の「最も不思議で、最も力強い本質」を突いています。なぜ、誰もが自分のために動いているのに、社会は破綻せず、むしろ豊かになっていくのでしょうか。

スミスの『国富論』の中に、こんな趣旨の一節があります。「私たちが食事をできるのは、肉屋や酒屋やパン屋の慈悲心のおかげではなく、彼らが自分の利益を追求しているからだ」。
例えばパン屋さんは、「世の中の飢えをなくそう」という崇高な動機だけで朝早くから働いているわけではありません。目的はあくまで「自分が儲けること(利益の追求)」です。しかし、儲けるためには、お客さんに喜ばれる美味しいパンを安く提供し、競争に勝たなければなりません。その結果として、消費者は良い商品を安く買えるようになり、社会全体が豊かになるのです。
個人の「欲」が、まるで「見えない手」に導かれるかのように、社会全体の利益へと変換される。これが資本主義の魔法です。
この「見えざる手」を信じ、政府は何もしなくていいとするのが「レッセフェール(自由放任主義)」ですが、これには明確な「反対の視点」も存在します。それが現代経済学で言われる「市場の失敗」です。
| 市場の力(見えざる手) | 政府の介入(反対の視点) |
|---|---|
| 自由な競争で価格が下がる。 | 独占の防止:一社が支配すると価格が釣り上がるのを防ぐ。 |
| 利益を求めて技術が革新する。 | 外部不経済の是正:公害など、市場だけでは解決できない問題を規制する。 |
| 働いた分だけ富が得られる。 | 格差の是正:弱肉強食になりすぎないよう、再分配を行う。 |
よく誤解されますが、スミスは「政府などいらない」とは一言も言っていません。彼はむしろ、市場が正しく機能するための土台作りこそが国家の仕事だと考えました。警察、国防、そして個人では採算が合わない道路や橋などの公共事業。これらは、政府がしっかりと担うべきだと明確に説いています。
「見えざる手」という思想は、人間の自由な活力を信じることから始まりました。しかし、現代を生きる私たちは、その自由が「公正なルール」と「適切な介入」の上に成り立っていることも知っています。
個人の自由を尊重しながら、いかに社会全体の調和を保つか。このアダム・スミス以来の大きな宿題は、今の政治の現場、そしてこの高槻の街づくりにおいても、常に私たちが向き合い続けるべきテーマなのです。
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
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