2026/1/5
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
日本は世界最大級の米国債保有国だ、と聞くと、「日本の税金がアメリカに流れているのでは?」と感じる方も多いと思います。
しかし、実際の仕組みはまったく違います。結論から言えば、日本政府は一般会計、つまり私たちの税金の財布から米国債を買っているわけではありません。その役割を担っているのが「外国為替資金特別会計(外為特会)」です。
外為特会とは一言で言うと、円とドルを交換し、日本の外貨準備を管理・運用するためだけに作られた政府専用の会計です。
日本政府の会計には、社会保障や公共事業を扱う一般会計、年金や保険などの特別会計がありますが、外為特会はそれらとは切り離され、為替・外貨の領域を専門に扱います。
理由はシンプルです。為替と外貨は、金額の変動があまりにも大きいからです。円高になれば評価損が出やすく、円安になれば利益が出やすい。これを一般会計にそのまま入れてしまうと、財政の見え方が為替次第で大きくブレてしまいます。
そこで日本政府は、為替・外貨・外国国債を外為特会という専用の財布で管理しています。
ここは誤解が多いところです。日本政府は、一般会計の税金を直接使ってドルを買っているわけではありません。外為特会が行っているのは、概ね次の流れです。
まず外為特会が、政府短期証券(FB)を発行して円を調達します。次に、その円で外国為替市場からドルを購入し、そのドルで米国債などの安全資産を保有します。
つまり、円を調達してドル資産に形を変えているのであり、「税金がそのまま海外へ流れている」という話とは構造が異なります。
外貨準備(その中心が米国債などの外貨資産)を厚く持つ理由は、主に三つあります。
一つ目は、為替の安定です。円安や円高が急激に進みすぎたとき、市場に介入できる実弾を持っていること自体が、投機的な動きを抑える力になります。
二つ目は、国際的な信用です。日本は「いつでも外貨で支払いができる国」だという安心感を国際金融市場に示しています。これは国債金利や通貨の信認にもつながります。
三つ目は、安全保障です。エネルギーや食料の輸入が止まらないよう、非常時でも外貨決済ができる体制を維持する意味があります。
ここまで整理すると、外為特会は「投資で儲けるための仕組み」ではないことが分かります。本質は、通貨を守り、国の信用を守るための金融インフラです。
ただし、その結果として、米国債の利子収入や為替差益が生まれ、年によっては数兆円規模の利益が出ることがあります。
では、その利益はどこへ行くのか。本当に国民のためになっているのか。ここが次の重要な論点です。
次回は、日本がどれくらい米国債を持ち、毎年どれほどの利子収入を得て、そのお金がどう使われているのか。2024年の具体的な数字を使って整理します。
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
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