2025/11/25
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
海外の通販サイトで手軽に商品を購入できる時代になりました。価格の安さが注目されますが、その背景には日本の「個人輸入特例」という税優遇制度が関係してきました。現在、この制度は廃止の方向で見直しが進んでおり、税の公平性回復に向けた大きな転換点を迎えています。
この特例は、海外旅行のお土産など少量の個人使用を想定して1980年に導入された仕組みです。商売目的の輸入と同じ税負担を個人に課すのは重すぎるという考えから、税計算の基準である「課税価格」を通常よりも低く評価できるルールが設けられました。
特例の下では、課税価格を通常より40%引き下げて計算できます。
この結果、個人輸入のほうが4,000円安くなるという価格差が生じ、国内小売との競争条件に歪みが生まれてきました。
本来は小口・少量を想定した制度でしたが、インターネットの普及で海外からの購入が大幅に増え、結果的に税の抜け道のように機能してきました。また、転売目的を個人使用と偽る申告による不正、偽ブランド品や安全基準を満たさない商品の流入リスクなど、運用面の課題も指摘されています。
政府は、個人輸入特例の廃止に向けた調整を進めています。併せて、1万円以下の輸入品に税をかけない「デミニミス・ルール」についても見直す方針です。さらに、一定規模以上の海外通販事業者に対し、日本国内で消費税を納める義務を課す方向が検討されています。これにより、越境取引でも国内事業者と同様に税を負担する仕組みへと移行していきます。
欧州や英国では付加価値税(VAT)の少額免税を撤廃するなど、国際的には免税縮小の流れが先行しています。日本も同様の見直しを進めることで、国際水準の課税ルールに近づくことになります。
Q1:すべての商品がすぐに値上がりしますか?
A:見直しは段階的に設計される見通しで、即時に全商品が影響を受けるわけではありません。税制改正の具体案・適用時期を注視する必要があります。
Q2:国内で買うメリットは何ですか?
A:正規保証・返品対応・安全基準適合などの面で安心感があります。税制が公平化されると、価格差だけでなく総合的な価値比較がしやすくなります。
Q3:個人で海外から買うことは今後も可能ですか?
A:可能です。ただし、個人使用の虚偽申告などは厳格化される見込みで、適正申告・適正納税がより一層求められます。
「個人輸入特例」は、導入当時には合理的な制度でしたが、ネット通販の普及で役割を終えつつあります。10万円の具体例からも明らかなように、税負担の差は国内小売に不利に働いてきました。今回の見直しは、税の公平性と消費者保護を両立させるためのアップデートです。制度の背景を理解し、適正な手続きのもとで賢く選択していくことが求められます。
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
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