2026/7/29

「日高市役所の採用試験」と聞くと、就職を考えている人だけの話題に聞こえるかもしれません。しかし、窓口での対応も、保育や介護の相談も、道路の補修も、災害対応も、担うのは市の職員です。誰が日高市役所で働き、どれだけ定着してくれるかは、そのまま市民サービスの質の問題です。
日高市は7月に、令和9年4月1日付の職員採用試験の情報を更新しました。今回は、採用試験の変化を入り口に、その先にある「確保と育成」の課題まで考えます。
募集する職種・人数、受験資格、申込期間などの詳細は、市公式の採用試験情報をご確認ください。受験を検討している方は、締切に余裕をもって公式の受験案内を必ず確認してください。この記事は制度の背景を扱うもので、要項の正本は市の発表です。
近年、日高市を含む多くの自治体が、従来の公務員試験型の教養試験に代えて、民間企業の就職活動で広く使われるSPI3などを導入しています。
この変化の狙いは明確です。「公務員試験の勉強をした人」だけでなく、民間企業と併願する人にも受けてもらい、母集団を広げること。専用の試験対策が要らなければ、社会人や理系人材、Uターン希望者にも門戸が開きます。
一方で、筆記のハードルを下げるほど、「なぜ日高市で働きたいのか」を見極める面接の役割が重くなります。試験方式の変更は入り口の改革であって、それだけで人材確保が完結するわけではありません。
採用区分も多様化しています。新卒中心の採用に加え、民間等での経験者採用、そして一度退職した元職員を再び迎える「アルムナイ採用」という考え方も広がってきました。
アルムナイ採用には、即戦力という以上の意味があります。「一度辞めた人が戻りたくなる職場か」という問いを、組織自身に突きつけるからです。円満な辞め方と、辞めた後も関係が切れない文化。これは在職中の職員にとっても働きやすさの指標になります。
全国の自治体で、採用試験の受験者数は減少傾向にあり、内定辞退も珍しくなくなりました。加えて指摘されているのが、20〜30代の若手職員の離職の増加です。総務省の調査でも、若手の普通退職はこの10年で明らかに増えたとされています。土木・建築などの技術職や、保健師などの専門職は、多くの自治体で確保が難しくなっています。
背景には、民間の賃上げと人材獲得競争、働き方の柔軟性の差、そして「公務員は安定しているが成長実感が持てない」という若い世代の受け止めがあると言われます。日高市だけが例外でいられる理由はありません。
もう一つの構造変化は、職員構成です。多くの自治体で、正規職員に加えて会計年度任用職員と呼ばれる非常勤の職員が、窓口や保育などの現場を支えています。「正規を絞り、非常勤で補う」という帳尻合わせが続けば、処遇の課題に加えて、経験や知識が組織に蓄積されにくくなります。採用の議論は、この人員構成全体の議論と切り離せません。
私が市役所の仕事ぶりを見ていて感じるのは、限られた人数で制度改正や災害対応、DXへの対応等、様々なことが積み重なる中、現場の努力で支えられている場面が多いということです。だからこそ、個人の頑張りだけではなく、構造そのものを変える必要があります。
大学院で行政学も学びながら、私は「採用・定着・育成・業務の再設計」を一体で考える必要を痛感しています。論点を挙げます。
制度の名前が何であれ、勝負は「入庁してからの数年間の体験」だと私は見ています。最初の配属で仕事の意味を実感できたか。困ったときに相談できる孫z内がいたか。挑戦や失敗が許される空気があったか。退職の理由は複合的ですが、初任期の体験の質は、その後の定着を大きく左右します。採用案内で語った言葉と、入庁後の現実との距離を縮めることが、実はいちばんの採用対策であると思っています。
もう一つ。議会や世論が「職員数は少ないほど偉い」「人件費は削るほど正しい」という前提で語り続ければ、行政サービスの供給力は静かに痩せていきます。定員や人件費は「コスト」であると同時に「市民サービスの供給力」です。必要な部門に必要な人を配置できているか、仮に削った結果どこにしわ寄せが出ているか。数字の外側まで見て考えることが、議会の側の責任だと考えています。
日高市議会議員 横尾貴文
参考リンク(市公式)
【日高市議会議員ヨコオ貴文 もっと、ずっと住みたいまち日高】
ホームページ:https://www.yokootakafumi.com/
Instagram https://www.instagram.com/yokochham/
Facebookページ https://www.facebook.com/profile.php?id=61569161162039
X(旧Twitter) https://x.com/rra_yk
ヨコオ貴文LINE公式アカウント:https://lin.ee/RwdEXxh
一人ひとりの応援を、日高の未来をつくる力に 日高市議会議員ヨコオ貴文後援会への個人献金のお願い
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>ヨコオ 貴文 (ヨコオ タカフミ)>日高市職員採用試験2026と自治体の人材確保 日高市議会議員ヨコオ貴文