2024/8/8
こんにちわ。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
除草剤グリホサート、殺虫剤ネオニコチノイドというのは、農業関連を調べているとよく目にするワードです。特にグリホサート系の除草剤は、広く使用されていますが、その安全性に少なからず懸念があり、世界中で規制されたり、逆に緩和されたり二転三転している状況です。今日はグリホサートについて以下の3点で書きます。
・グリホサートとは
・論争と賠償
・安全性の懸念
現在、私の結論は・・・
【グリホサートとは】
N-ホスホノメチルグリシン:グリホサートは 1950 年に発見され、1970 年代にミズーリ州セントルイスのモンサント社によって除草剤として”ラウンドアップ”として商品化されました。グリホサートは世界で最も一般的に使用されている除草剤で、トウモロコシ、大豆などの農業や、鉄道の線路にも使用されています(参考:各鉄道会社の使用状況)
【どうやって葉を枯らすか】
葉や茎から吸収され、根からは吸収されないと言われています。植物や微生物内で、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンというアミノ酸を生成するシキミ酸経路を阻害します。その結果、アミノ酸不足からタンパク質が作れなくなり枯死します。
人間にはこの経路を有しないため安全であるというのが根拠であるが、微生物というところが気になります。人間の腸内にも多数の微生物がいますし、土壌にも多くの微生物がいます。これらへの影響は本当にないのだろうか。
【論争】
2015年3月
国際がん研究機関(IRAC)は、グリホサートを「グレード2aの発がん性物質」に分類しましたが、この声明は2016年に撤回。
2016年
国際連合食糧農業機関は、グリホサートについて、現在の「食事からの曝露」ではおそらく発がん性はないであろうと発表。
同年
米国環境保護庁は、グリホサートには 「リスク評価の限り」では、発がん性はおそらくないだろうと発表。
同年
日本の食品安全委員会は 、グリホサートの農薬評価書で、発がん性は認められないと発表。
同年
世界の94名の研究者が、IARCのグリホサートの発がん性結果を支持した論文を発表。
2017年
米国カリフォルニア州では、州独自の化学物質規制プロポジションで、グリホサートに発がん性ありと発表。
2019年
米国政府の機関である有害物質・疾病登録局は、「グリホサート曝露と非ホジキンリンパ腫(血液がん)の関係は否定できない」という評価書案を公開。
2023年
EUは、グリホサートの使用を10年再承認。(実際には加盟国の過半数の賛成を得られず、再承認も禁止も過半数にいかなかったため、欧州委員会の判断に任されて、10年の再使用が承認された)
参照:JEPAニュースvol.120
【モンサント社:現バイエル社への支払い命令】
アメリカでは、モンサント社への訴訟が相次ぎ、2020年には10万件1兆円の支払いに応じています。(参照:長周新聞)
そしてヨーロッパでも、2023年の10年再承認を受けて、大規模訴訟が行われようとしています。(参照:Pan Europe)
一方、日本では逆に規制緩和が進んでいます→なんでやねん(参照:南九州新聞)
そんな状況なので株価はこのとおりです。
【検索したらすぐにラウンドアップマックスロード】
グリホサートに関して検索すると、上位にすぐにラウンドアップが「この除草剤はとても安全です。デマに注意してください。」としゃしゃり出てきます。そりゃ、本元が危険とは言わないでしょう笑。必死な姿を見ていると、逆に怪しく感じるのは人間の性でございます。
【主成分と製品では毒性が異なる】
ただ、科学的なことを言われると私の判断もゆらぎます。そこで気になる論文を紹介します。まず、「主成分と製品では毒性が異なっていた」という研究です。ラウンドアップという除草剤商品は、グリホサートが100%ではありません。その他成分には、エトキシル化アルキルアミン界面活性剤が含まれており、その毒性は非常に強いとも論文中に書かれています。(葉っぱから吸収されやすくするため、おそらく極性をさげるような加工がされているはず)
下図は、その論文中での結果です。赤枠で囲っているところに注目。製品が●、成分が〇。各種細胞に対する毒性を見ています。横の数字が濃度、縦の数字が細胞数になります。つまり、製品の方が少ない濃度で細胞を減らす=毒性を持つと論じることができます。
参照:Major Pesticides Are More Toxic to Human Cells Than Their Declared Active Principles
以上のことから、主成分での毒性を見る研究だけでは、農薬自体を散布している現実とは異なり、過小評価されてしまう可能性があります。
【孫、ひ孫世代に影響が出る?】
もう一つ、非常に懸念される研究です。ラットを使った研究によれば、親(F0)・子(F1)には影響が出ないが、孫(F2)、ひ孫(F3)に悪影響が出たというのです。病気の発生率や、生殖器への影響が懸念されています。
【グリホサートだけが原因ではないと思うが】
当ブログでもパンに残留しているグリホサートについて述べています(食品表示の注意)。現実として、グリホサートの国内出荷量は増加の一途をたどっています。
不妊治療が増加しているのも事実です。これは不妊治療が一般的になってきた側面もあるやもしれませんが、関係性がまったくのゼロとはいいきれないと思います。
不登校数が増加しており、アメリカのデータでは、自閉症の数も増加傾向を示します。打つ種類が増えたワクチンの影響もあるやもしれません。
したがって、完全に否定も肯定もなかなかできない現実があります。だから冒頭に書いたように、「使わなくて良いなら使わない方がいいんじゃないか」というのが私の結論です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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