2026/8/20
兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。
議事録から、自分の4年間を振り返るシリーズ。2025年の前半です。

■ 「公共施設20%削減」の計算、本当にこれでいい?
1月7日の議員協議会。議題は公共施設等総合管理計画でした。
川西市では、公共施設の延床面積を40年間で20%削減するという目標を設定しています。
人口が減る中で、今ある公共施設を全て同じ規模で維持し続けることは難しい。施設を集約していくという方向自体は理解できます。
でも資料を読んでいて、一つ気になるところがありました。
将来必要になる公共施設や道路、橋などの更新費用を推計しているのですが、特にインフラについて、推計値と、実際にこれまで使ってきた決算額との差がかなり大きい。
そこで、
「実績値と比較して補正をかけなくても良いのか」
と質問しました。市からは、国の基準にのっとって算出しているという趣旨の説明でした。
でも、ここは結構大事だと思っています。例えば、
将来これだけお金が必要
↓
でも使えるお金はこれだけ
↓
だから施設を20%減らさないといけない
という計画立てをするのであれば、
最初の「将来これだけ必要」という数字が変われば、最後の20%も変わりますよね。
国のツールで計算した数字だから間違い、という話ではありません。
ただ、
川西市の実績と比べてどうなのか。
という確認は必要だと思います。
計画書のグラフもかなり分かりづらかったので、色や順番をそろえた方が市民にも理解しやすいのではないか、といった提案もしました。
なお、本協議会後に、グラフ表示は改善されました。

■ パブコメ、「書いた後どうなった?」まで見られるように
以前、議員協議会の際に、
「パブリックコメントを書いたページから、その結果も確認できるようにした方がよくないですか?」
と提案していました。
当時は、意見を書くページと結果を見るページが別だったんです(意味がわからん)。
意見を書いた市民が、
「で、自分たちの意見はどうなったの?」
と思っても、改めて市のホームページの中から該当施策を探さなければなりませんでした。
協議会中に確認してみると、同じページから結果を確認できるように修正されていました。
大きな予算が必要な政策だけが行政改革ではありません。
リンクを一つつなぐだけでも、市民の手間は減らせます。
こういう小さな改善も大事だと思います。
■ 下水道―「大丈夫です」だけでは分からない
3月定例会の一般質問では、下水道について取り上げました。
きっかけの一つは、埼玉県八潮市で発生した大規模な道路陥没事故です。
もちろん川西市と他都市では、下水道管の大きさも構造も違います。
そこでまず、
☑川西市にはどれくらいの太さの下水道管があるのか
☑どのように点検しているのか
☑大きな事故につながる可能性をどう管理しているのか
を確認しました。
市からは、国の基準などに基づいて維持管理していることや、川西市が管理する下水道管は、報道された事故現場のような非常に大きな管とは状況が異なることなどが説明されました。
そこで、もう一つ聞きました。
「では、事故が起きたら影響が大きい場所を事前に把握していますか?」
例えば、
☑交通量が多い道路
☑通学路
☑救急車などが使う重要な道路
同じ程度に古い下水道管でも、壊れたときの影響は場所によって全然違います。
市の回答は、そうした観点で重要地点を抽出しているわけではない、という趣旨でした。
だったら、
「壊れそうなところ」だけでなく、「壊れたら困るところ」
も先に把握した方がいいのではないか。そう提案しました。
また、市民から見れば、「ニュースで道路陥没を見たけれど、川西市は大丈夫なの?」というのが一番気になるところです。
そこで、水道・下水道の広報などで、川西市の下水道はどのような構造で、どう点検しているのかを市民向けに分かりやすく説明してはどうかとも提案しました。→後日、広報誌にて掲載されていました。

技術的に管理できていることと、市民に説明できていること。
これは別問題だと思います。
■ 学校給食、「全部無理」なら1品からできない?
同じ3月の一般質問では、学校給食も取り上げました。
給食は単なる昼食ではなく、食育でもあります。
そこで、
☑国産小麦を使ったパンはできないのか。
☑米粉パンはどうか。
☑塩はどう選んでいるのか。
☑オーガニック食材を使えないのか。
など、聞くことがありました。
本人記録によれば、国産小麦や米粉パンについては市から「検討する」趣旨の答弁。
一方、食材によってはコストや安定供給が課題になるとの説明がありました。
確かに、毎日全食材を変えるとなれば難しい。
そこで、
「全部が難しいなら、まず1食でも、1品でもできませんか?」
と提案しています。
私は議会で、「できません」と言われたとき、できない理由を聞くようにしています。
理由が法律なら、法律を変えないと難しい。
人手なら、人員の問題。
コストなら、規模を小さくすればできるかもしれない。
安定供給なら、毎日ではなく年に数回ならできるかもしれない。
何が障壁なのか分かれば、別の方法を考えられます。
とはいえ、オーガニック給食に関するハードルは高いですね。市長次第のところが大きいのですが…。
なお、当時私が議会で述べた食材や健康に関する医学・科学的な見解については、ここでは現在の科学的事実として改めて断定するものではありません。
■ 714億7,700万円。予算書の「その先」を見る
3月6日、7日、10日は、一般会計予算審査特別委員会。
令和7年度の川西市一般会計予算は、714億7,700万円。
前年度の633億4,900万円から、81億2,800万円増えていました。
予算審査になると、とにかく数字が大量に出てきます。
でも、「15億円の事業です」と言われても、それだけでは市の負担は分かりません。
☑国庫補助はいくらなのか。
☑地方交付税措置はあるのか。
☑市債はいくらなのか。
☑最終的な市の実負担はいくらなのか。
この頃には、そこまで資料を追うようになっていました。
例えば学校体育館の空調整備についても、大きな事業費ですが、国の財政措置が関係します。本人が当時まとめた予算分析でも、国庫補助と地方交付税措置を区別して整理しています。
一方で、
「国からお金が出るから得」という話でもありません。国のお金も、元をたどれば税金です。一市議会議員としては、市のことだけ考えていればよいかもしれませんが、私は日本のことを第一に考えていきたいため、国全体のことも忘れてはいけないと考えます。
■ 「健康のため」でも、税金を使うなら比較する
予算審査では、帯状疱疹ワクチンに対する県と市の独自助成も取り上げています。
私は薬剤師でもあります。だからこそ、医療として税金をかけるほどの効果が本当にあるのかと、しっかり見ていく必要があります。
医療分野は、正直いって青天井なところが大きいです。
政治的な主張も、医学知識の前に説き伏せられてしまう方がほとんどだからです。
医療分野にいた方ならわかりますが、ロジックを組み替えて結論の方向性を「調整」することなど、学会などでもよくあることです。
公費はいくらなのか。
どれだけの効果を期待するのか。
そのお金を別の事業に使った場合はどうなのか。
まで比較する必要があるでしょう。この考えから、私は令和7年度一般会計予算に反対しました。本人の議会後の記録でも、予算への反対と公費投入の優先順位を説明しています。
■ 教科書って、実際は誰が調べて決めているの?
6月9日の一般質問では、教科書採択について質問しました。
教科書は教育委員会が採択します。
これは調べればすぐ分かります。
では、誰が教科書を比較しているのか?
が気になりました。そこで聞いていくと、川西市と猪名川町で構成する採択地区で、調査員は川西市4人+猪名川町2人=6人。調査期間は約1か月。その調査研究報告書などを参考にしながら、最終的には教育委員会が採択するという流れでした。
私はさらに、過去の教科書採択資料も遡って確認しました。
すると、
調査研究報告書が最終的な採択にどれくらい影響しているのか?
が気になって質問しています。
結論的にはブラックボックスではあるのですが、調査研究報告書での高得点を取った教科書がすべて採択されているのです。市の独自性はどこにいったのか?カーボンコピーで意味があるのか?疑問は尽きない結果でした。
■ 多文化共生にいくら使っているの?
同じ6月9日の一般質問では、多文化共生についても取り上げました。
ここでも、理念について議論する前に、まず制度を分解しています。
多文化共生施策に年間いくら使っているのか。
本人記録によれば、多言語情報、通訳、日本語教室など関連事業を合わせて、
令和6年度で約508万円
との答弁でした。次に評価。計画では、
外国人労働者の増加によって治安や地域の雰囲気が悪化すると考える人の割合を、29.0%から15.0%へ下げる
というウソみたいな目標指標が設定されていました。
そこで、
なぜ、この市民意識を目標とするのか。
この数字が下がれば政策が成功したと言えるのか。
を確認しています。
さらに、
在留資格を失った人は市の制度上どう扱われるのか。
入管への通知実績はあるのか。
市民側にトラブルや不安があった場合の相談先はあるのか。
まで確認しています。
誰が対象で、いくら使い、何を成果とし、問題が起きたとき誰が対応するのか。
制度を作るなら、そこまで明確にしておく必要があると思っています。
それが市民の生命財産、安心安全を守ることになります。
■ レシート還元、「何人に配るか」まで政策判断
6月23日の総務生活常任委員会では、物価高対策のレシートキャッシュバックキャンペーンについて質問しています。
当初の物価高対策は約1.8億円。
これは国から市に対する純粋なお小遣いのようなものです。
そのうち、
レシートキャッシュバックに約1.3億円。
中小企業の光熱費補助に約0.5億円。
その後、国から川西市へ約5,000万円の追加配分がありました。
そこで市は、キャッシュバックの対象人数を増やす方向にしました。
ここで聞いたのが、
「1人当たりの還元額を増やすのではなく、なぜ人数を増やしたのか?」
です。
また、対象者が増えると事務費も増えます。
1人当たりの事務費用は、約350円。
電子データを保管するための費用などとの説明を受けています。350円だけ見れば小さい。
でも1万人なら350万円。
人数が増えれば、事業そのものではなく事務に使う税金も増えます。
だから、キャッシュバック費用自体を増やし満足度を上げる方がいいのではないかと感じました。
例えば水道基本料金を一定期間下げる方法など、もっと直接的に市民が実感できる支援も比較対象になるのではないか、といった意見も出しました。
→水道料金の基本料金については、令和8年度の物価高騰対策になっています。私の提案というよりも、わりと通常の対策かなと思います。
当ブログ参照:【川西市】 令和8年度の物価高騰対策とは?14億円の使い道
■ ごみ袋有料化、2026年度の実施を見送り
そして、これまで継続して取り上げてきた指定ごみ袋の有料化。
2024年には、市から有料化の具体的な制度案まで示されていました。
しかし2025年2月、市は方針を変更。
市民1人1日当たりのごみ排出量が減少していることなどから、2026年度の有料化実施を見送ることになりました。
市は今後、ごみ減量目標の達成状況を毎年度検証し、議会へ報告するとしています。
もちろん、私一人の質問で有料化が止まったという話ではありません。
市民の皆さんの意見や、ごみ排出量そのものが減ってきたことなど、様々な要因があります。
ただ、私はこの問題について以前から、
「有料化した自治体と、していない自治体で、本当にごみ減量に差があるのか」
という視点から調べてきました。そして今回さらに気になったのが、
そもそも川西市が追いかけているごみ減量の数字自体が、今も妥当なのか。
という点です。国の計画では、従来示されていた家庭系ごみの1人1日当たり目標値が新しい計画ではなくなっています。
一方、川西市では400グラムという目標を持ち続けています。
そこで、
「国が指標を変えている中で、川西市が400グラムという目標を持ち続けることが適当なのか、もう一度検討してほしい」
と意見しました。
目標があるから追いかけるのではなく、その目標自体に意味があるのか。という考え方です。
■ 2025年前半を振り返って
2025年前半は、議員になって約3年。
調べる → 比べる → 聞く → 具体案を出す
という自分なりの議会質問の形が、かなり固まってきた半年だったように思います。
次回は、2025年後半を議事録から振り返ります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な一日でありますように。
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