2026/8/19
兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。
議事録から、自分の4年間を振り返るシリーズ。第5弾、2024年後半です。

議会で実際に何を問うたのかを改めて追ってみると、この半年は、
行政が示した分析を、そのまま受け取らず、自分でも過去の数字を遡って確かめる
ことでした。
■ 救済制度は「ある」だけでは意味がない
9月4日の一般質問では4項目を取り上げています。
その中の一つが、新型コロナ感染症やワクチンをめぐる問題です。
医学的な主張についてはここでは改めて論じませんが、議会で確認したかったことの一つが、健康被害救済制度の情報提供でした。制度自体は存在します。
しかし、接種後に体調を崩した人が、その制度を知らなければ申請にはつながりません。
そこで、接種を受ける人への説明の段階で、救済制度についても知らせるべきではないかと求めました。
当時の私の記録では、この質問を受け、10月以降の接種に関する説明に、健康被害救済制度の情報を追加する方向になったと整理しています。また、新型コロナ感染症をめぐって起きた差別や人権上の問題についても質問し、人権行政推進プラン内で扱うことを求めました。
大切なことは「制度を作ったか」ではなく、「必要な人に制度の存在が届いているか」です。
■ マイナンバーについて、自分で意見書をつくる
9月25日の定例会最終日には、「マイナンバー制度の管理に関する意見書」を提出しました。
これも、単に本会議で賛否を述べただけではありません。
当時の記録では、意見書をまとめるために各会派を回って趣旨を説明し、文言の調整も行っています。最終的には賛成多数で採択されました。
議員の仕事というと一般質問が目立ちますが、
調べる
→ 文案を作る
→ 他の議員に説明する
→ 修正する
→ 議会として国等へ意見を出す
という仕事もあります。
■ 市の「分析」が本当に過去の数字と合うのか調べた
2024年後半で、個人的にかなり自分らしいと思うのが決算審査です。
市は毎年、事業を実施した結果について成果報告を行います。
そこには、
「この数字が上がりました」
「その理由は○○と考えられます」
という分析も書かれています。
その中に、
「充実感を持って生きている若者の割合」
という指標がありました。<数値は上昇>
市は、その理由の一つとしてコロナ禍から以前の生活に戻ったことなどを挙げていました。普通なら、「なるほど、コロナが終わって生活が戻ったから上がったのか」で終わると思ったのでしょう。でも、私は過去の数字を遡って見ました。
すると、その説明だけでは、過去からの時系列をうまく説明できない。
そこで決算審査で、
本当に「コロナ前の生活に戻ったから」という分析で、過去からみた数字の動きを説明できるのか
を質問しています。
当時の記録では、市側からもコロナ要因だけでは説明し切れないとの答弁がありました。
これは、私がこの頃かなり意識するようになったところです。
「数字が上がった」ことと、
「市が説明した理由によって数字が上がった」ことは別です。
成果報告書に「分析」と書いてあっても、過去のデータを並べたとき、本当にその説明と整合するのか。
この時の決算では、かなり突っ込んだと思います。「成果」や「分析」という言葉を使うのであれば、本気で見るぞという意思を示したつもりです。
■ こんな数字を確認していました
同じ決算審査では、もっと細かなところも質問しています。
例えば、
防災会議に占める女性の割合。
単に「女性参画を進めています」ではなく、実際の構成がどうなっているのかを見る。
教育では電子黒板について確認。
健康分野では、受診勧告を何人に行ったのか、そして実際の受診につながったのかという「実施」と「結果」の両方を見る。
こうした質問もしていました。
2023年からずっと、
「通知を送りました」
「案内しました」
「教室を開催しました」
で終わらず、
「で、実際どうなりました?」
を聞いています。このように公の場で確認することで、行政側のその答えをしっかり準備しますし、答えを得るためにはそれを意識した行政となると思うからです。
■ 財政見通しの「ある年だけ数字が変わる」理由を聞く
11月27日の議員協議会では、「川西市新時代創造プラン」について議論しました。
今後の財政見通しを見ていると、令和12年度の数字が大きく変化しているところがありました。
なぜなのか。
質問すると、固定資産税の評価替えを見込んでいるためとの説明がありました。
数字だけを眺めて、
「令和12年度はこうなるんですね」
で終われば、それまでです。
でも将来推計なら、
なぜそうなると計算したのか。
前提条件を見る必要があります。
さらに、この時期の資料には国崎クリーンセンターの基幹改良に伴い、約130億円規模の公債発行を見込む話もありました。
130億円。
数字だけ見ると、とんでもなく大きい。
でも、
130億円=そのまま川西市民の負担
ではありません。
国からの交付金はどうなるのか。
地方交付税措置されるものはあるのか。
川西市の負担割合はいくらなのか。
最終的に一般財源からいくら出すのか。
そこを確認しなければ、実際の市民負担は分かりません。
当時も、
「すべてがすべて市税というわけではなく」
という点を意識していました。
一方で、
「国から補助金が出るから得」
という話でもありません。
国のお金も税金です。
結局知りたいのは、
誰が、最終的に、いくら負担するのか。
です。
■ 条例は「理念が良い」だけで終わらせない
11月29日は、子ども・若者参画条例案についての議員協議会。
子どもや若者の意見を聞こうという理念自体には理解を示しつつ、
条例前文の表現はこれでよいのか。
対象年齢はどう考えるのか。
制度としてどう運用するのか。
といった部分を見ています。
理念には賛成。だから細かい制度設計は何でもよい。
とはなりません。
むしろ、理念が良いからこそ、
誰を対象とし、どんな言葉で伝え、実際にどう機能させるのか
まで詰める必要があります。
■ ごみ有料化が中止になった後、あえてもう一度質問した
そして12月4日の一般質問。
この時点では、川西市の家庭ごみ有料化の検討はいったん中止となっていました。
それなら、もう質問しなくてもいいのでは?とも思えます。
でも私は当時、
「総まとめ的な感じで議事録に証拠を残そう」と考え、あえてもう一度「ごみ回収・分別について」を一般質問で取り上げています。
聞いたのは、例えば、
川西市は何を目標に、どこまでごみを減らそうとしているのか。
国の目標との関係はどうなのか。
そして、そもそも、ごみを減らすと具体的に何が改善するのか。
処理費なのか。
焼却施設への負担なのか。
環境負荷なのか。
「ごみは少ない方が良いですよね」
というだけで、市民に負担を求めることには違和感があります。
さらに、
市民にごみ減量を求めるなら、市役所自身がもっとペーパーレス化できないのか。つまり、市広報誌などの削減です。
という質問もしました。
有料化に反対するだけではなく、市民の負担を増やさずに、別の方法で減らせないか、を考えたかったからです。
■ 「燃やすごみ一覧」も、逆から作れば分かりやすいのでは?
ごみ分別については、市民からすると、
「これは燃える?」
「これは資源?」
「これは何ごみ?」
と迷うものが非常に多い。
そこで、燃やすごみに入れてはいけないものを、もっと分かりやすく一覧化できないかという提案もしています。
行政はどうしても、
「○○はこの分類です」と分別項目を増やして説明しがちです。
でも市民側からすると、
「これだけは燃やすごみに入れないでください」というネガティブリスト型の方が分かりやすいと思うのです。
分別を細かくすること自体が目的ではありません。
危険なものを混ぜないでほしい
を目的にすべきです。ならば、ルールの作り方も市民側から考えた方がいい。
今の私の「分別をもっと簡単にしたい」という考え方にもつながっています。
■ 有料化については「導入した自治体」だけを見ない
ごみ有料化を調べる中で意識したのが、比較対象です。
「有料化した後にごみが減った自治体」だけを並べれば、
有料化
↓
ごみ減少
という結論になりやすい。でも私は、
☑有料化していない自治体はどうなのか
☑有料化した年代によって違いはないのか
☑紙の使用量など、社会変化は影響していないのか
と、別の要因も調べていました。
つまり、
「政策の後に数字が変わった」ことと、
「その政策によって数字が変わった」ことは別。
この違いです。
■ 北消防署の「駐車場13台」まで聞いていた
一方で、大きな政策ばかり質問しているわけでもありません。
12月9日の総務生活常任委員会・委員協議会では、北消防署の整備について、
職員用駐車場が13台で足りるのか
といった細かなところまで確認しています。
計画書で、「駐車場13台」と書いてあれば、それを読むだけなら簡単です。
でも、
☑実際に何人が勤務するのか。
☑交代勤務ではどうなるのか。
☑本当に13台で運用できるのか。
というところまで考えて、初めて施設が使えるものなのかが分かります。
こういう細かな確認も、議会の仕事だと思っています。
■ 2024年後半を振り返って
2023年前半は、「やった」ではなく「何が変わったか」。
2023年後半は、「その数字、本当に成果ですか?」
2024年前半は、「そもそも、その前提は正しいですか?」
そして2024年後半は、「その変化、本当にその政策の効果ですか?」
数字を出してもらうだけではなく、
自分でも過去の数字を探す。
他の自治体を調べる。
時系列を並べる。
別の原因がないか考える。
そして行政にぶつけてみる。
次回は、2025年前半を議事録から振り返ります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な一日でありますように。
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