長田 たくや ブログ

【川西市】 一般質問の成果と反省 【2026年6月定例議会】

2026/6/12

兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。
今回の一般質問では、大きく3つのテーマを取り上げました。

1.ごみ回収について
2.交通整備について
3.土葬を前提とした墓地開設申請への対応について

その中でも、特に時間をかけて取り上げたのが、乾電池の絶縁処理ルールの是非です。

なぜそこにこだわったのか。私は非合理的なことが嫌いです。そして、それを推しつけることを見るのも嫌いなのです。


通常の乾電池まで絶縁テープが必要に
川西市では、本年4月よりリチウムイオン電池やモバイルバッテリーなど、充電式電池の行政回収が始まりました。これは、火災防止の観点からも必要な取り組みです。

問題は、これまで普通に回収されていたアルカリ乾電池やマンガン乾電池まで、絶縁テープを貼らなければ回収しない運用になったことです。

実際に、市民の方から「普通の乾電池までテープを貼らないと回収されない」「色付きのテープが必要と言われた」「ごみステーションに乾電池が残されて困っている」と相談を受けました。

私自身も、当初は「さすがに通常の乾電池までそんな扱いにはなっていないだろう」と思いました。
しかし確認すると、実際にアルカリ乾電池やマンガン乾電池まで、絶縁処理が必要という運用になっていたのです。

私の問題提起
私が問題だと考えた点は、大きく3つです。

”1つ目は、周知が不十分かつ雑すぎる点です。”

市からは、議員たちにもリチウムイオン電池やモバイルバッテリーの回収について説明がありました。しかし、通常のアルカリ乾電池やマンガン乾電池まで絶縁処理が必要になるとは、私自身、聞いた記憶もそんな記録もありません。

議員の皆さんにも確認したところ、4月以前にこのルールを把握していたのは、24人中3人だけでした。
議員ですら把握できていなかったルールを、一般の市民の皆さんが十分に理解できていたとは考えにくいです。

”2つ目は、全国的に見ても一般的とは言い難いルールであることです。”

私は、仲間の協力も得て、全国の市と東京都23区、合わせて815自治体について、公式ホームページ等を一つ一つ確認しました。その結果、アルカリ乾電池・マンガン乾電池の回収時に、住民へ絶縁処理を求めていない自治体は84%でした。

一方で、充電式電池の行政回収は78%の自治体で実施されていました。
つまり、リチウムイオン電池などの充電式電池を行政が回収することは、すでに全国的にも一般的な対応です。

しかし、通常のアルカリ乾電池やマンガン乾電池にまで絶縁処理を求め、さらに絶縁処理がされていなければ回収しないという運用は、全国的には一般的とは言い難いものです。

”3つ目は、市民負担に見合うだけの具体的な根拠が示されていないことです。”

安全対策はもちろん大切です。

しかし、市民に新たな負担を求める以上、本市の収集運搬過程や処理工程において、アルカリ乾電池やマンガン乾電池がどの程度のリスクを有しているのか、具体的な数値や事例を示す必要があります。

そこで私は、本市において、アルカリ乾電池やマンガン乾電池を原因とした収集時の発火・発煙事例があったのかを質問しました。

市の答弁
市の答弁では、まず、リチウム蓄電池等の混入による火災が問題となっており、令和6年10月ごろから、広域ごみ処理施設組合の構成市町で、リチウム蓄電池等の回収について協議が始まったとのことでした。

その後、令和7年4月には環境省から、市町村におけるリチウム蓄電池等の適正処理に関する方針が示され、分別収集区分や保管、資源の有効利用についての方向性が示されたとの説明がありました。

また、市としては、一次電池と二次電池は形状が似ているものもあり、市民にとって判別が難しいことから、一次電池も二次電池も絶縁処理することが、安全性と市民周知の面で有効だと判断したとのことでした。

周知については、2月に市議会へチラシを提供し、市ホームページを更新したこと、全戸配布のチラシや広報紙、公式SNS、デジタルサイネージなどで周知を行っているとの答弁でした。

また、本市では収集時に乾電池が発火・発煙した事例はないものの、近隣他都市では発生事案があること、電池工業会やNITE、消費者庁なども一次電池による事故防止を注意喚起していることから、火災の危険性は否定できないとの答弁でした。

私の再質問と見解
私は、ここで改めて、今回の周知の仕方には問題があったと指摘しました。

全戸配布されたチラシを見ても、通常のアルカリ乾電池やマンガン乾電池まで絶縁処理が必要だと読み取るのは難しい内容でした。実際、議員の多くも把握していなかったことが1つの証左です。

また、ホームページでは「ビニールテープなど」と書かれている一方、Q&Aでは「ビニールテープ」と限定されているように見える表記もありました。市に確認したところ、セロテープでも回収するとの答弁でした。

これは非常に重要です。
市民の方からすれば、「色付きのビニールテープを買わなければならない」と受け止めている方もいます。しかし実際には、セロテープでもよいとのことでした。こうした点も含めて、周知の表現が分かりにくかったのではないかと考えます。

さらに私は、移行期間を設けるべきだったと指摘しました。

これまで何の問題もなく出せていた乾電池が、4月から突然、絶縁処理されていなければ回収されないという運用になりました。その結果、ごみステーションに乾電池が残され、たまたまごみ当番だった方や自治会、コミュニティの方に負担が生じています。

新しいルールを始めるのであれば、一定期間はルールを緩くするような、いわゆる「バッファー」を設けるべきだったのではないでしょうか。それがあれば市民に迷惑をかけることなく、周知方法の有効性を確認できたはずです。あまりにやり方が雑過ぎました。

本当に対策すべきはどこなのか
私が強く申し上げたかったのは、リチウムイオン電池対策そのものを否定しているわけではない、ということです。むしろ、リチウムイオン電池やモバイルバッテリーの火災対策は必要です。

問題は、対策の重点をどこに置くべきかです。

国立環境研究所の資料では、リチウムイオン電池に起因する火災は、不燃ごみや粗大ごみ、可燃ごみに混入したものが、破砕や搬送の工程で発火している事例が多いとされています。

つまり、もっとも重要なのは、リチウムイオン電池やモバイルバッテリーを、可燃ごみや不燃ごみに混入させないことです。

住民にとって分かりにくく、面倒なルールにしてしまうと、逆に「もう燃えるごみに入れてしまおう」「不燃ごみに混ぜてしまおう」という逆効果が起こる可能性があります。

環境省のリチウムイオン電池総合対策パッケージでも、分別収集区分は分かりやすく、排出しやすく、住民にとって利便性が高い収集方法とすることが示されています。

私は、ここが非常に重要だと考えています。

安全対策の名のもとに、かえって市民にとって分かりにくく、出しにくいルールにしてしまえば、本来防ぎたい火災リスクを高める可能性すらあります。

私の提案
私の提案は、アルカリ乾電池やマンガン乾電池については、絶縁処理を「努力義務」程度にとどめることです。もちろん、できる方には絶縁処理をお願いすればよいと思います。

しかし、絶縁処理がされていないからといって回収しないという厳格な運用までする必要があるのかは、再検討すべきです。少なくとも、セロテープでもよいことを明確に周知することは即座にやるべきです。

そして、通常の乾電池と、リチウムイオン電池やモバイルバッテリーのような高リスクなものを、リスクに応じて整理すること。この2点は早急に見直すべきだと考えます。


希望者負担型の戸別収集について
次に、希望者負担型の戸別収集サービスについて質問しました。
川西市では現在、要介護2以上の一人暮らしの高齢者などを対象に、サポート収集を実施しています。

これは必要な制度です。

一方で、要件には該当しないけれど、費用を払ってでも戸別収集を利用したいという市民の声もあります。
そこで私は、京都府舞鶴市の事例を紹介しました。

舞鶴市では、高齢者等ごみ出し支援戸別収集事業が実施されており、対象者は1回110円で利用できます。

また、対象外の方についても、市内の許可事業者と契約することで、自己負担により同様のサービスを利用できる旨が明記されています。

市の答弁
市は、舞鶴市の制度について、対象外の方へのサービスは市が制度化しているものではなく、市民が許可事業者と直接契約するものだと説明しました。

また、川西市では、サポート収集の対象にならない方には、シルバー人材センターや地区福祉委員会、自治会の訪問型支え合い事業などを案内しているとのことでした。

さらに、家庭ごみを収集している一般廃棄物処理許可事業者もあり、利用できると認識しているとの答弁でした。

私の見解
私は、市が直接すべてを担うべきだと言っているわけではありません。
むしろ、許可事業者と市民が直接契約できるのであれば、その選択肢を市民に分かりやすく示すことが重要だと考えています。
実際、許可業者に利用について確認して費用を確認しました。

高齢化が進む中で、ごみ出しに困る方は今後さらに増えていきます。公助だけでなく、自助、共助、民間サービスを組み合わせて、必要な人が必要なサービスにたどり着ける仕組みを整えるべきです。


山下駅前ロータリーの安全対策について
交通整備では、山下駅前ロータリーの安全対策について質問しました。
市民の方から、朝夕のラッシュ時に車の出入りが多く、危険を感じるとの相談がありました。

事故データを確認すると、他の駅前ロータリーと比較して、歩行者や自転車が関係する事故が多い傾向にありました。

市の答弁
市は、山下駅前ロータリーについて、朝夕のラッシュ時に歩行者、路線バス、タクシー、送迎車両などが集中しており、安全対策の必要性を認識しているとの答弁でした。

一方で、土地の形状や用地の制約から、他の駅前広場のように構造物を設置して交通動線を明確化することは難しいとのことでした。

今後は、事故要因の分析を進め、路面表示なども含めて、警察、鉄道事業者、バス・タクシー事業者などと連携しながら、安全対策を検討していくとの答弁でした。

私の提案
前向きな答弁だと思いました。私は、構造物の設置が難しいことは理解しています。
そのうえで、路面表示や進行方向の明示、夜間でも視認しやすい反射材の設置など、できることから検討してほしいと要望しました。

大規模な改修が難しくても、交通の流れを少しでも分かりやすくする工夫はできるはずです。


特定小型原動機付自転車の駐車・駐輪ルールについて
次に、特定小型原動機付自転車、いわゆる電動キックボードなどの駐車・駐輪ルールについて質問しました。
近年では、四輪型の特定小型原動機付自転車も発売されています。

これは、免許返納後の高齢者や、免許を持たない若者の移動手段として注目される可能性があります。

しかし、こうした新しいモビリティについて、駐輪場を利用できるのか、原付・バイク置場の対象となるのか、定期利用が可能なのかなど、まだ整理されていません。

市の答弁
市の答弁では、現在、市が事業者に運営を委託している駐輪場では、自転車、50cc以下の原動機付自転車、普通自動二輪車を対象としており、特定小型原動機付自転車は利用対象となっていないとのことでした。

一方で、特定小型原動機付自転車は新たな移動手段として利便性が高く、今後利用者の増加が見込まれると認識しているとのことでした。

特に四輪型タイプなどは、免許を返納した高齢者の移動手段としても有効であり、今後の地域交通を考える上で重要な役割を担う可能性があるとの答弁でした。

今後は、利用実態や需要を踏まえ、駐輪場での受け入れについて委託事業者と協議・検討していくとのことでした。

私の見解
こちらも前向きな答弁だったかなと思います。特定小型原動機付自転車は、まだ川西市内で広く普及しているわけではありません。しかし、普及してから慌てて対応するのでは遅いと考えます。

特に四輪型のものは、シニアカーとは制度上の扱いも異なります。市民にとっても分かりにくい部分があるため、どこに停められるのか、どの駐輪場で利用可能なのか、事前に整理しておく必要があります。


土葬を前提とした墓地開設申請への対応について
最後に、土葬を前提とした墓地開設申請への対応について質問しました。
外国人住民の増加や宗教的背景の多様化に伴い、全国各地で土葬墓地をめぐる課題が報じられています。

川西市では、現時点で土葬墓地の開設を求める声はありません。しかし、将来的に申請があった場合、行政としてどのように対応するのか、事前に整理しておく必要があります。

市の答弁
市は、土葬であることだけを理由に不許可とすることはできないとの認識を示しました。
墓地、埋葬等に関する法律上、土葬墓地自体は禁止されておらず、一定の基準を満たしていれば申請が可能であるためです。

一方で、許可権者としては、公衆衛生、周辺環境への影響、周辺住民の理解、申請者の管理体制などを踏まえ、客観的・合理的な基準に基づいて総合的に判断するとの答弁でした。

また、現時点では土葬墓地のみを対象とした基準は設けていないものの、国が全国の実情調査を行い、参考となる条例を整理する動きもあるため、国の動向を注視しながら慎重に研究を進めるとのことでした。

私の提案
私は、西宮市や尼崎市の条例を紹介しました。

西宮市では、墓地の経営者は墓地に埋葬させてはならない(第21条)とし、ただし市長が特別の理由があるときはこの限りではない、という規定があります。
参照:西宮市墓地等の経営の許可等に関する条例

尼崎市では、本市の区域内において埋葬を行ってはならない(第19条)と明記されています。このように、条例によって土葬を制限している自治体もあります。
参照:尼崎例規集(墓地で検索)

川西市でも、将来的に大きな問題になってから対応するのではなく、事前に防御策を検討しておくべきではないかと提案しました。


まとめ
今回の一般質問で一貫して申し上げたかったのは、市民生活に関わるルールは、行政の都合だけで決めるべきではないということです。

乾電池の絶縁処理も、戸別収集も、駅前ロータリーの安全対策も、新しいモビリティの駐輪ルールも、土葬墓地への対応も、すべて市民生活に直結する課題です。

安全性は大切です。
しかし、安全性を理由にするなら、その根拠を示す必要があります。市民に新たな負担を求めるならば、なおさら必要です。そして、合理性が乏しいことを規則にするのであれば、分かりやすい周知とせめて移行期間が必要です。

将来の課題が見えているなら、問題が起きてからではなく、先んじて整理しておく必要があります。
今後も行政には、根拠に基づいた、分かりやすく、現場や市民に負担を押しつけない制度設計を求めていきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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著者

長田 たくや

長田 たくや

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肩書 参政党の市議会議員で薬剤師でもあります
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