2026/1/22
兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。
「保守派」は科学的ながん情報を信頼しない
釣りタイトルのようですが、実際にそのような結果を示した論文があります。
参照:Public Trust in Scientists for Cancer Information Across Political Ideologies in the US
アメリカの論文ですから、保守とリベラルの性質がそのまま日本に当てはまるわけではありません。その点を前提に読んでいただければと思います。
とはいえ、なかなかおもろいですよね。

この論文を見つけたのは日経メディカルさんの海外論文紹介ページからです。このラインナップからみて、「ウッキウキで紹介している」感が隠せてないんだよなぁ…^^;

■ 論文でのデータ
ともあれ、論文の内容を簡単に紹介ます。
科学的ながん情報への信頼度が低い群と高い群を比較すると、まず年齢差が認められました。
信頼度が低い群の方が、平均年齢が約5歳高いという結果でした。

次に学歴です。
大学卒以上では、がん情報への信頼度が高い傾向がみられました。

この結果だけを見ると、「保守派は学歴が低い」という印象を与えかねない構成になっていますね。

ただし、論文中でも全体としては70%以上が科学的ながん情報を信頼していると評価されており、別に分断を煽っているような論文ではありません。一方、結論では自画自賛していて、「政治的には2極化してたけど、やっぱりぼくらはすごいよね!」といった感じ。これはこれでおもろい。
■ 保守は歴史を重んじるから?
この研究論文では論じられていない点、なぜこのような差が生じるのかを考えてみました。
私はまず、「保守派は歴史を重んじる傾向があるのでは?」という点に着目しました。年齢が高いこととも関係しているかもしれません。
がんに限りませんが医学情報は、
断定 → 修正
を繰り返してきた分野だからです。
そのため、歴史や過去の経緯を重視する保守派ほど、新たな「断定」に対して一旦立ち止まる、という態度を取っている可能性も考えられないだろうか。
■ がんの常識
かつては「がんは早期発見が重要!」と強く断定されてきました。
2010年当時、WHOでもそのような見解を示しており、”スクリーニングは絶対正義”という位置づけでした。

がんの早期発見は、治療成功率を大幅に高めます。がんの早期発見には、早期診断とスクリーニングという2つの要素があります。早期診断は、症状のある患者を可能な限り早期に発見することに重点を置いており、スクリーニングは、症状が現れる前に健康な個人を検査し、がん患者を特定することを目的としています。
しかし現在ではその考え方は揺らいでおり、過剰診断が問題視されています。例えば、前立腺がんでは、前立腺特異抗原(PSA)スクリーニング検査を一律に推奨しないとあります。

また、2025年の米国国立がん研究所(NCI)の見解では、過剰診断を明確な問題として取り上げています。
参照:Cancer Prevention Overview (PDQ®)
「青い目(茶色の目と比較して)は、PSAスクリーニングを受けやすいが、前立腺がんそのものとは無関係である」と仮定します。スクリーニングがなければ関連性はゼロですが、スクリーニングがあれば「青い目と前立腺がんが関連している」ように見えてしまう。
がんの原因も、かつては「喫煙」にほぼ集約されていましたが、現在では、食事・肥満・運動不足などの生活習慣要因も重視されるようになっています。また、がん種によっては スクリーニングによる害 が報告されるようにもなりました。
このように、科学的情報は時代とともに揺らいできたという歴史を知るほど、慎重な姿勢になるのは自然ではないでしょうか。
■ 学歴が高い人はリベラル傾向
アメリカでは、学歴が高いほどリベラル傾向にあることが知られています。
その結果、このような論文を書く人、そしてチェック(査読)する人の属性も、リベラルに偏りやすい構造があります。つまり、保守派を「客観的に見る側」に立つ研究者が多いため、研究対象になりやすいとも考えることができます。
実際、ノルウェーでは「社会科学研究者は左派リベラルな政治的態度を示す傾向がある。」と論じた報告書があるぐらいです。
参照:研究評価におけるイデオロギー的バイアス?多数派・少数派関係に関する研究を例に
その結果、リベラルが悪く見える論文は書かれにくく、掲載拒否もされやすいのではないかと、少し邪推してしまうのです。
■ 日本で言う「保守」とは異なる
欧米の保守には、宗教的要素が強く関わっています。この点で、宗教観の違う日本の保守とは性質が異なります。ただし、宗教は一種の「歴史」でもあります。その意味では、歴史を重んじるという点で共通性はあるとも考えられます。
がん情報を含む医学情報がこれまでどのように変遷してきたか、その歴史を鑑みると”保守派ほど慎重である”と、この研究結果を解釈することもできるのではないでしょうか。
以前、アメリカにおけるイデオロギー差についてもブログを書きました。
そこでは、政治的暴力を「容認できる」と答えた割合は、リベラル側で高かったという結果が示されています。理想や正義感の名のもとに、何事も許されると考えてしまう――それが極端なリベラルの特徴なのかもしれません。

過激化する一部の反ヘイトデモ(異なる主張をすべてヘイトとみなす動き)を見ていても、そこに人種差はあまり感じられないな、と考えてしまいます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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ホーム>政党・政治家>長田 たくや (ナガタ タクヤ)>「保守派」は”科学的な”がん情報を信頼しない――とわざわざ紹介する日経メディカル