2026/1/10
兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。
前回は、国土利用計画法施行規則の改正について書きました(リンク)。
続いて、森林法施行規則の改正もされます。
こちらもパブリックコメントが募集されています(期限:1月20日)

国土利用計画法に続き、森林法施行規則も改正され、山林の所有者の国籍や実質支配者が行政内部で把握される仕組みが導入されます。
しかし、本当にこれで「見える化」は完遂するのでしょうか。制度を確認してみますと、まだまだ大きな穴が残っています。
■ 森林法施行規則の改訂
①「森林法施行規則の一部を改正する省令案」
②「森林法施行規則の規定に基づき、 申請書等の様式を定める件の一部を改正する告示案」
この2点が改正されました。
②は具体的な申請書の様式のことです。
①の改正案は、土地取得時と同様に、国籍を把握できるようしました。

■ まとめてみた
【国土利用計画法施行規則】
対象:土地
主体:都道府県
◆ 改正前
・都市計画区域外(山林など)で面積 1ha 以上
届出必要
個人 → 国籍が分かる ◎
法人 → 設立国しか分からず、実質支配(代表者や役員)は不明 △
・都市計画区域外(山林など)で面積 1ha 未満
届出不要
県は何も把握できない(ブラックボックス)✕
◆ 改正後(令和8年4月~)
・都市計画区域外(山林など)で面積 1ha 以上
法人
→ 代表者・役員過半数・議決権過半数の国籍まで取得(実質支配の国籍を把握可能に)◎
・都市計画区域外(山林など)で面積 1ha 未満
届出不要
県は何も把握できない(ブラックボックス)✕
【森林法施行規則】
対象:山林
主体:市町村
◆ 改正前
面積に関係なく、市町村は地域森林計画の山林の所有者(個人・法人)を把握できる。
→ しかし、国籍も実質支配も分からない △
◆ 改正後(令和8年4月~)
市町村の林地台帳に以下を記録を追加する。
・個人の国籍
・法人の設立国
・代表者国籍
・役員・議決権の過半数の国籍
→ 小さな山林でも、実質的に国籍を把握 ◎
★ 公表しないと書かれている。 ✕
→各個別データは不要だが、全体のデータとしては公表すべき!
★ 土地も森林も過去にさかのぼらない。 ✕
→届出以降の話。遡って調査すべき!
★ 地域森林計画外の森林は放置。 ✕
→所有者の国籍が把握できない。それでええのか!?
■ 安心ダメ!穴がある!
森林法には以下のように規定されています。
森林法 第十条の七の二
地域森林計画の対象となつている民有林について、新たに当該森林の土地の所有者となつた者は、農林水産省令で定める手続に従い、市町村の長にその旨を届け出なければならない。ただし、国土利用計画法 第二十三条第一項の規定による届出をしたときは、この限りでない。
ん?地域森林計画の対象となっていない山林はあるのでしょうか。
・森林の内訳
国有林:国(林野庁)→国有林野管理経営法
民有林(地域森林計画の対象):私人・法人→森林法
計画外森林(地域森林計画の対象外):私人・法人→把握できない
【日本の森林】
日本の森林面積:約 2,500万ha(国土の約⅔)
・内訳
私有林(個人・企業などの所有): 約 57%
国有林(国の所有): 約 31%
公有林(自治体・地方公共団体などの所有): 約 12%
私有林の中に、計画内と計画外の森林が含まれますが、それを区別したデータはありません。
集計したら出せるはずなので、公開していないだけだと思うのですが。
ほぼ半分が私有林で、約1400万ha。
この規模を見ますと、確かに1haなんて…と感じるのも仕方ないですよね。目くじらを立てずに、重要なところだけ見ようぜと。
そこで 重要土地等調査法 ができ、ヤバイところだけピンポイントで調査・管理を強める対応を取っているのです。
しかし!良からぬ連中は、制度のスキマを狙ってきているのではないか?
しかも!日本法人が山林を買ったとして、その後、代表者などが外国人となった場合は届出が不要ですので、ぶっちゃけやりたい放題ではないでしょうか。
性善説に基づく制度設計と言わざるを得ません。差別などではなく、安全性と公平性を担保するためです。事後でも国籍に関する情報を収集し、しっかりとデータベースに落とし込む必要があると思いませんか?
土地に関しては、1ha未満であればブラックボックス状態であり、意味がないやんと思いましたが、森林法にてそこをカバーしているようです。
山林は、ダムや水源地など重要な土地を含みますので、面積に関係なく管理する意味はあるのでしょう。
一方、前述した 穴 も存在します。
本当に一度、すべての土地所有者の国籍を調査した方が絶対良いと思います。
所有している土地の線引きさえわからず、地籍調査中の日本ですので、現実的にはなかなか難しいでしょう。したがって、大きな面積から把握していくという優先順位をつけてやっていくべきではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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