長田 たくや ブログ

【eスポーツの効果と可能性】 認知症予防の新たなアプローチ

2025/12/25

兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。

メリークリスマース🎄小さいころのクリスマスは、なぜあんなにもトキめいたのでしょうか。新聞折込のおもちゃ屋のチラシを見るだけでほっこりした気持ちになったものです。私は一人っ子なので、特にテレビゲームが大好きっ子でした。

認知症予防は大切。でも、そのイベントに参加している人は、いつも同じ顔ぶれというのはよく聞く課題です。
「来ない人」にも届く方法はないのか。そんな視点から、eスポーツの可能性を考えます。


認知症予防
2012年「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」で認知症の人やその家族等に対する支援として普及が始まったのが「認知症カフェ」です。
1997年にオランダで始まった「アルツハイマーカフェ」が起源とされています。

中年・老年期における社会参加の増加は、認知症リスクを30~50%低下させる とも報告されており、施策としては良いのでしょう。ただし、研究が難しいため 明確であるとも言い難い とも評価されています。
参照:社会参加と認知症発症リスク

川西市も認知症カフェがたくさん存在しています(リンク)。
が、一般的に言われているのが ”男性の参加者が少ない” ことです。
参照:介護予防事業への男性参加に関連する事業要因の予備的検討

 社会参加と健康寿命
認知症に限らず、社会参加は健康寿命に寄与するという研究報告も多く、それを根拠に地域のつながりを創出しようと世の中は躍起になっています。
前回ブログ参照:社会参加と健康寿命──なぜ男性は経済格差で健康を損ねやすいのか

そこにも 明確な性差がある ことを指摘しました。
生物として性差を考えるのはとても重要なのです。

課題解決に向けた一つの方策として、eスポーツ が注目されています。


 eスポーツの効果
かっこよく言っていますが、つまりはTVゲームです。

しかし、いまやeスポーツは世界的にメジャーな存在となり、国際大会やプロチームが当たり前のように存在しています。日本では、かつては格闘ゲームを中心とした個人競技の世界大会が先行し、プロゲーマーという職業も知られていました。
そこに高速なネットワーク環境が整ったことで、オンライン上でチームとして競技するスタイルが広がり、eスポーツは個人競技だけでなく団体競技を含む文化へと発展してきました。

競技ゲームは別として、一般的にTVゲームの特徴は、多様性であり「エイジレス」な特性を持っています。そのため、最近では福祉分野におけるeスポーツの活用が注目されるようになりました。

 医学的な研究
大規模かつ決定的なものではありませんが、医学的な研究は実施されています。

■ 研究:eスポーツが高齢者の認知機能に及ぼす効果(2025年)
まず明確な結果です。

eスポーツによる介入前後にて、認知機能をテストするファイブ・コグ(Five-Cog)のデータが改善しているのがわかります。
もちろん1回だけではなく、研究では一定の期間、そして自宅でも練習可能にしたそうです。
参照:ファイブ・コグとは

ちなみに論文上ではゲーム名を伏せられていますが、おそらく「太鼓の達人」やな^^

■ 研究:ゲーム中の脳内活性の調査(2015年)
おもしろい研究です。
16人の健康な参加者がコンピューターのキーを押して、落下する物体をキャッチするゲームに挑みます。

①物体がランダムに落下(ランダム課題)
②規則性が提示されている(適用課題)
③規則性を学ぶ必要がある(学習課題)

この3つのうち、③学習課題のみ脳の広範囲で活性化が認められたのです。
つまり「考えること」が重要であり、反射神経的な動きや既知のルールだけでは刺激になりにくいことが示されました。

なお、この脳の活性化を推測するツールには、近赤外分光法 が使用されています。

引用:天王寺こいでクリニック

新しいものに挑戦するというのは、認知症予防の大前提かもしれません。一方、繰り返し実行することで弱い刺激であっても連日の訓練によって、認知機能の改善につながる見込みがあります。

■ 研究:eスポーツが高齢者のメンタルヘルスに与える影響(2024年)
こちらでは、唾液アミラーゼ活性 を測定しています。

唾液アミラーゼ活性は、血漿ノルエピネフリン(アドレナリン)と相関が高いことが良く知られており、ストレスチェックにも利用されています。今回、90分の試験期間を通じて、前後でアミラーゼ活性を測定すると有意な差が確認されたそうです。

つまり、eスポーツによってメンタルにも良い影響を与える可能性があることが示唆されました。ただ、試験実施について研究学生とのコミュニケーションもあり、そういった関わり合いの影響もあるだろうと考察されています。


 eスポーツの福祉活用
eスポーツは、認知症カフェでは拾いきれない層への新たなアプローチになり得ると考えています。
近年、その福祉活用がニュースにも取り上げられるようになりました。

参照:高齢者が「ぷよぷよ」で熱狂!

あの往年の「ぷよぷよ」が認知機能に良いとして、大会形式で実施されていました。
競技性があると、男性参加者も興味・関心を抱きやすい分野かもしれません。

また、男性高齢者ならば車好き、運転好きも多いでしょう。
グランツーリズモのようなゲームで、かつハンドル操作ができれば興味を引きそうです。

引用:『グランツーリスモSPORT』のプレイで高齢者の認知機能全般が改善傾向

グランツーリズモも旧車、太鼓の達人も、派手な曲だけでじゃなくて、演歌や歌謡曲といった馴染み深い曲や、青春時代の曲を演奏できるようすれば絶対盛り上がると思います。高齢者施設のカラオケ大会だけは、普段大人しい方も、やたらとテンションが高い姿を何度も目の当たりにしたからです。


高齢化率が高い川西市では、eスポーツの可能性が非常に高いのではないかと考えています。

コミュニケーションの観点からも、子や孫から教えてもらうという世代を超えた双方向のやり取りが生まれる可能性があります。例えば、体が不自由であったり、独居であまり人と関りを持たないような一人暮らしの高齢者の方でも、オンラインプレイでのやり取りや、打ち込めるゲームなどが”生きがい”となるかもしれません。

眼精疲労や依存症といった副作用はあるやもしれませんが、少しでも介護予防や認知症の予防につながるのであれば、医療経済的にも御の字ではないでしょうか。

【参考資料】
軽度認知障害および認知症患者におけるエクサーゲームと認知機能:メタ分析
認知症患者に対するシリアスゲームの効果に関するランダム化比較試験:メタ分析
認知障害のある高齢者の健康的な老化を促進するためのNintendo Switchを用いたリハビリ
デジタルゲームが認知機能に与える効果の分析と今後の展望 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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長田 たくや

長田 たくや

選挙 川西市議会議員選挙 (2022/10/16) [当選] 1,680 票
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肩書 参政党の市議会議員で薬剤師でもあります
党派・会派 参政党

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