長田 たくや ブログ

【くすり】 緑内障の目薬(PG製剤) 【👀は大切に】

2025/9/13

こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
先々週まで左眼が腫れて角膜が剥がれるという事態になりました。初体験で痛くてですね、人生初の眼帯も買ったし、その必要性を身をもって理解しました。幸い、今は回復し視力も戻っています。

実は8月17日からの1週間はですね、片手で目を抑えたり氷で冷やしながらブログ書いていました(笑)。今日は、その流れを汲んで「緑内障と目薬」についてのお話をします。ちょうど8月25日に新薬も承認されたようです。
参照:参天製薬の当該ページ


■ 緑内障
眼の中には常に液体(房水)が循環しています。ところが排出口がふさがると目の中がパンパンに、つまり眼圧が上がり、視神経を圧迫して失明に至る病気です。病態が大きく2種類に分かれ、出口が完全にふさがってしまう場合は手術しか治療法がありません。ここでは目薬で治療するタイプについて書きます。

参照:たおもと大浦クリニック←詳しく

目薬による治療戦略は2つ

・房水の生成を減らす
・排出口(主経路・副経路)を広げる➡今日はこちらを紹介

引用:おじま眼科クリニック

■ プロスタグランジン(PG)製剤の発見
もともと産婦人科領域(陣痛誘発など)で使われていた「ジノプロスト(天然型PGF2α)」を低用量で点眼すると、眼圧を下降させることが判明。研究の結果、FP受容体に作用して副経路(ブドウ膜流出経路)を緩め、房水の流れを改善することが分かりました。

ここからPGF2αを化学的に改造し、緑内障治療薬の主役となりました。

■ 世界初のPG製剤(1994年)
なんと日本人(上野芳夫)が開発したのです。

化学式をじっくり見てほしい。

【改造ポイント】
・-OHを=Oに
➡副作用をマイルド化(受容体結合力を調整)

・イソプロピル基を付与
➡角膜バリアの透過性向上(眼内で外れて薬効を示す。以後の基本構造戦略に

【少しややこしい話】
名前がですね「ウノプロストン」となっています。他のPG製剤が「○○プロスト」と名乗るのに唯一の例外。改造ポイントの二重結合、すなわちケトン化しているためです。もともとFP受容体作用と考えられていましたが、近年ではBKチャネル開口作用によって、主経路(線維柱帯流出路)からの房水流出を促進する作用も確認されています。そのため「イオンチャネル開口型緑内障治療薬」に分類される唯一の存在。

■ プロスト系の進化
【キサラタン®の誕生】
1999年:ラタノプロスト

2008年:タフルプロスト(タプロス®)
 -OHを-Fに置換し結合力・安定性ともに向上。

二重結合をなくし代謝を受けにくくさせ、長時間作用が継続。
レスキュラ1日2回➡キサラタン1日1回が可能に

【トラバタンズ®の誕生】
2007年:トラボプロスト

二重結合が復活。先祖返りをする。その分、F(フッ素)を付けることで安定化。
キサラタンと同じく1日1回製剤

【タプロス®の誕生】
2008年:タフルプロスト

-OHを-Fに置換し結合力・安定性ともに超アップ!
もちろん1日1回製剤。

【結合力の違い】
タプロス>レスキュラ(1700倍)
タプロス>トラバタンズ(12倍)
トラバタンズ>キサラタン(2.8倍)

■ プロスタマイド誘導体(2009年)
【ビマトプロスト(ルミガン®)】
伝統的なイソプロピル基を持たず、アミド誘導体化。膜透過後も外れることなく、このままの状態で作用します。そのため、プロストという名前ですが、分類上は「プロスト」ではなくプロスタマイド誘導体と呼ばれています。

【副作用を主作用に】
いずれのPG製剤にも、色素沈着・まつ毛伸長という副作用があります。ですので、点眼後は洗顔をすることを指導されます。そのため、お風呂の前に点眼することをお勧めします。その副作用を逆手にとって主作用とし、「まつ毛貧毛症」という病気の治療薬に、ルミガン点眼を「グラッシュビスタ®外用液」として2014年に販売を開始しました。

■ 世界初のEP受容体作動薬(2018年)
【オミデネパグ イソプロピル(エイベリス®)】
FPではなくEP受容体に作用。従来薬で効果が不十分な患者への新たな選択肢です。構造的にはプロスタグランジンとまったく似ていないが、膜透過性を強化する「イソプロピル基」を継承されています。

■ 最新:EP+FPデュアル作動薬(2025年承認)
【セペタプロスト(セタネオ®)】
2025年8月に承認されたのが、世界初のEP+FP受容体どちらにも作用するPG製剤です。どっちもカバーできてしまう優れものですね。
伝統的なイソプロピル基を継承しつつ、複雑な形状をしています。

 


緑内障の発症原因は未だ明確ではありません。ただし、夜間低血圧はリスク因子の一つ。日本では「血圧は低いほど良い」という風潮があり、高齢者でも下げ過ぎるケースが目立ちます。加齢と相まって、これが視神経障害の背景にあるのかもしれません…
参照:【医療】 血圧基準値大戦争 【仁義なき戦い】

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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著者

長田 たくや

長田 たくや

選挙 川西市議会議員選挙 (2022/10/16) [当選] 1,680 票
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肩書 参政党の市議会議員で薬剤師でもあります
党派・会派 参政党

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